まるも亜希子の「寄り道日和」

ドリフトするスカイラインクーペの勇姿を確認しました

夫のスカイラインクーペの勇姿がようやく見られました。何周か走ってはパドックに戻ってあれこれとチューニングし、また何周か走ってチューニングし、と繰り返してまだまだ走り足りない様子の夫。ちゃんと練習車として役に立っているみたいですね。自宅のガレージに停まっていると、ちょっとヤンチャな雰囲気が漂っているのですが、こういうところにくると普通に見えるのが不思議です(笑)

 毎年、冬の恒例お楽しみイベントとなりつつあるのが、J-WAVEのDJなどで活躍するピストン西沢アニキプレゼンツ、ドリフト+BBQで遊ぼう大会(勝手に私が名前つけてます)。D1グランプリで活躍するようなプロから、私のようなヘナチョコの初心者まで、自由に練習したり教わったり、2~3台で追走してギャラリーを楽しませてくれたりと、クルマで走ることが大好きな人たちが集まります。

 お昼には、BBQの達人でもあるピストンさん直々に、下準備からすべておもてなししてくれる豪華BBQを頬張るというのも、恒例のお楽しみ。今回はコロナ禍なので人数をしぼり、密を避けつつ、富士スピードウェイのジムカーナコースに行ってまいりました。

自身もクルマ大好きDJでドリフトも上手なピストン西沢アニキ(右)が、クルマ好き仲間のために自腹で買い出しから準備、調理までやってくれる豪華BBQ。この日のメインはお肉がバンズからはみ出しそうなBIGバーガーでした。最初に炭で肉を焼き、その後スモークチップでじっくり肉をスモークするという“ひと手間”が、さすがBBQの達人ですよね

 私の今回のミッションは2つあって、1つはピストンさんのBBQランチを手伝う“給食のおばさん”。メニューのメインがBIGハンバーガーと特製クラムチャウダーということで、「BBQコンロのトロ火でコトコトと朝から煮込むクラムチャウダーを焦がさないこと!」という重大な任務をいただきました(笑)。自宅から全自動コーヒーメーカーを持参して、食後のあったかいコーヒーを用意するのも私の担当です。

給食のおばさんはひたすら、特製クラムチャウダーが焦げないように鍋をかき混ぜ、任務を遂行いたしました(笑)。ウニ、カキなどゴージャスなエキスを加え、ごろごろのジャガイモやニンジン、たっぷりのアサリが入っていて高級レストランで出してもおかしくないほどおいしかったです!

 ドリフトって、見ている時にはあまり分からないですけど、やってみると次の日の筋肉痛がハンパないんですよね。二の腕、ふくらはぎ、大腿部、首、肩。サーキット走行するのとはまた違った筋肉を使っているようで、けっこうハードなんだなぁと実感します。なので、ドリフトイベント中の食事はとっても大事。冬なので体を温めてもらうためにも、背後にドリフトの爆音を聴きながら、お玉でひたすら鍋をかき混ぜる……。思いっきり非日常な体験です。

 そして2つ目のミッションは、皆さま覚えていますでしょうか。以前、夫が「ドリフトの練習をしたいから」という理由でMTのスカイラインクーペを購入したことをご報告しました。あれから約1年、ハンドルとシートは交換したものの、いっこうにドリフトをしに行く気配はなく、「またうまいこと言ってだまされたか?」と疑りはじめていた私。パーツが届かないだの、セッティングがうまく出ないだの、なんだかんだ言い訳していてぜんぜんドリフト練習に行かない夫だったのです。

 それがついにこの日、ジムカーナコースに持ち込むというではないですか。なので、本当にスカイラインクーペがドリフト練習車として役に立つのかどうか、しかと確認するのが2つ目のミッションだったのでした。

 パドックではみんな、自分でタイヤを換えたり即席でアシをイジったりして、思い思いにコースに出ていって走るスタイル。朝から小雨が降っていて、路面のコンディションもタイヤに優しい絶好のドリフト練習日和。夫もなにやらタイヤをいじっていましたが、いよいよコースに出て行きます。クラムチャウダーをかき混ぜながら見ていると、ドリフト車としてはうすらデカい感じはあるものの、なかなかきれいに弧を描いて、右へ左へとすべっていきます。まさにサーキット上のフィギュアスケートといった感じですね。

 今度は助手席に乗せてもらって、同乗ドリフトをしてみました。最初の直線でブーンと速度を上げていって、曲がる方向と逆に振ってからズズズ~と反復移動するようにパイロンをかわしていくのですが、スカイラインクーペはやはりパワーがあるので、以前のドリフト練習車より操作にも余裕があるように見受けられました。助手席の私は、ドアのグリップにつかまっていないと頭をぶつけてしまいそうで、すべるたびに体勢を立て直すのに必死でしたが(笑)。パイロンを中心にきれいにくるりと回ると、「決まった!」という感じで気持ちのいいものですね。これがもっともっと、難易度の高い技に挑戦してできるようになっていく気持ちよさ、楽しさがドリフトにハマる理由なんだろうなと実感しました。

 そんなわけで、お昼のBBQはみんな「美味しい!」と喜んで食べてくれたし、スカイラインクーペがドリフト練習車として役立っているところも確認できたし、2つのミッションをクリアした給食のおばちゃん、満足な1日でした。ドリフト+BBQという楽しみ方、オススメです。

本当は私が隅っこの方で練習しようかと思って乗っていった、わが家のNAロードスター。迫力はないですが、ドリフトしている姿はなかなか凛々しいですよね
まるも亜希子

まるも亜希子/カーライフ・ジャーナリスト。 映画声優、自動車雑誌編集者を経て、2003年に独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、エコ&安全運転インストラクターなども務める。海外モーターショー、ドライブ取材も多数。2004年、2005年にはサハラ砂漠ラリーに参戦、完走。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。2006年より日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。ジャーナリストで結成したレーシングチーム「TOKYO NEXT SPEED」代表として、耐久レースにも参戦。また、女性視点でクルマを楽しみ、クルマ社会を元気にする「クルマ業界女子部」を吉田由美さんと共同主宰。現在YouTube「クルマ業界女子部チャンネル」でさまざまなカーライフ情報を発信中。過去に乗り継いだ愛車はVWビートル、フィアット・124スパイダー、三菱自動車ギャランVR4、フォード・マスタング、ポルシェ・968、ホンダ・CR-Zなど。 現在は新型のスバル・レヴォーグとメルセデス・ベンツVクラス。