まるも亜希子の「寄り道日和」

東日本大震災から11年

わが家のレヴォーグの後席は4:2:4分割で倒せるようになっており、左席と中央席を倒して荷室をフラットにすると、ちょうど寝袋が縦に敷けました。天井が思いのほか低いので、寝袋に入る時に頭をぶつけましたが(笑)、入ってしまえばアラ快適。ちょうどいいスペースです。自分でバックドアを閉めることを想定して、頭をバックドア側にして寝てみましたが、誰かに閉めてもらえるなら足がバックドア側の方がいいような気もします。「いざは日頃」で、こうしたシミュレーションをしておくと、足りないものやもっと快適にできるアイデアも浮かぶので、おすすめです

 もうすぐ、東日本大震災から11年。あの時みなさんは、どこで何をしていたでしょうか?

 私はたまたまその日は夕方からの仕事だったので、自宅で被災。食器棚の扉が開いてしまい、お皿やコップが大量に割れたのには参りましたが、幸いその程度で被害は小さい方でした。仕事はニッポン放送の収録だったのですが、予定どおりやるのか、延期にするのか、その確認をしようにも電話がまったく通じなくなり、これはなんとかして行くしかないということになりました。電車はすべて止まり、首都高速道路も通行止め。大勢の人がビルから避難して道路や公園などに集まり、余震が続く中で不安そうにしている姿を見ながら、とりあえず有楽町のニッポン放送へ向かったのです。

 その道中で目にした光景は忘れられないものでした。液状化現象でマンホールが目の高さまで浮き上がり、水があふれだして道路が川のようになっていたり、電柱が倒れて家の屋根をぐしゃぐしゃに凹ませていたり。その数週間後に、宮城へボランティア活動に行くと、この世のものとは思えない光景に愕然とするのですが……。

 いつどこで発生するか分からない災害。クルマを運転中に被災することもある、ということを忘れてはいけないですよね。そこで以前からマイカーには携帯トイレや7年保存できる水、軽食、ホイッスルや防寒ポンチョなどがセットになった「安全+防災セット」を常備しているのですが、今回、新たに加えた防災グッズがあるんです。

 それが、普段はクッションとしておしゃれに使えて、いざとなれば寝袋になるという、「クッション型多機能寝袋」。これを見つけた時はうれしかったですね~。車中泊のプロや、車で避難生活を経験した人が「車載しておいた方がいいもの」の1つに、寝袋を挙げているのですが、普通の寝袋をただクルマに積んでおくだけだと場所を取るので、普段から役に立つものがあったらいいなと思っていたのです。

 以前から、撮影の待ち時間や、ロングドライブの休憩時にSAなどでちょっと仮眠する時に、枕になるようなクッションが欲しかったので、これはぴったり! 即買いしました。さっそく、愛車のレヴォーグの後席に置いてみると、なかなかイイ感じ。そして後席をフラットに倒して、いよいよ寝袋として使ってみました。

 クッションから寝袋にするには、3辺をつないでいるチャックを開け、3カ所のホックを外して広げるだけ。少し薄手のような気もしますが、頭の部分にちゃんと小さな枕までついていて、よさそうです。実際に寝袋に入ってみると、レヴォーグの荷室はミニバンほどには天井が高くないので、ちょっと頭をかがめる必要はありましたが、足から入れていくと身長165cmの私でまだ足先の方は余裕があるくらい。これなら夫でも大丈夫そうです。

 そして、テントもそうですが、出しだはいいけど畳むのが苦手な私(笑)。この寝袋も、ちゃんと元通りのクッションに戻せるのかどうか、そこが一番心配な点でした。まず両端を折り、上を1回、下を2回折り畳めば、あとはまた3つのホックをとどめて、チャックをぐるりと閉めるだけ。空気が入っているので、押し込んで空気を抜きながら畳んでいくと、ものの数分でクッションに戻りました! よかった~。

 家に備えるものと、車内に備えるもの。3.11を機に、ぜひ皆さんも今一度、見直してみてはいかがでしょうか。

愛車のレヴォーグに新しい防災グッズが仲間入りしました。普段はクッションとして使えて、いざという時には寝袋になるという、「SONAENO クッション型多機能寝袋」です。ちょっと光沢のあるグリーンで、触ってみるとふっくらしていて、とても気持ちのいいクッション。これなら、仕事の時でも撮影の合間の待ち時間や、長距離走行でちょっと一休みする時に使えそう。ブランケットとしても使えるので、防寒対策にもなりますね
まるも亜希子

まるも亜希子/カーライフ・ジャーナリスト。 映画声優、自動車雑誌編集者を経て、2003年に独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、エコ&安全運転インストラクターなども務める。海外モーターショー、ドライブ取材も多数。2004年、2005年にはサハラ砂漠ラリーに参戦、完走。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。2006年より日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。ジャーナリストで結成したレーシングチーム「TOKYO NEXT SPEED」代表として、耐久レースにも参戦。また、女性視点でクルマを楽しみ、クルマ社会を元気にする「クルマ業界女子部」を吉田由美さんと共同主宰。現在YouTube「クルマ業界女子部チャンネル」でさまざまなカーライフ情報を発信中。過去に乗り継いだ愛車はVWビートル、フィアット・124スパイダー、三菱自動車ギャランVR4、フォード・マスタング、ポルシェ・968、ホンダ・CR-Zなど。 現在は新型のスバル・レヴォーグとメルセデス・ベンツVクラス。