まるも亜希子の「寄り道日和」
ヒョンデの世界観にふれあえる「Hyundai House Harajuku」
2022年4月7日 00:00
ヒュンダイではなく、ヒョンデ。私のように1990年代から自動車業界にいると、呼び名が変わったことにも新しさを感じる韓国の自動車メーカーが、13年ぶりに日本に帰ってきました。韓国ドラマが好きな人なら、登場人物の愛車や社用車としてよくヒョンデのクルマたちが出てくるので、思い浮かべるモデルもあるのではないでしょうか。
でも今回、日本で販売されるのはバッテリEV(電気自動車)のIONIQ 5と、FCEV(燃料電池車)のNEXOのみ。どちらも電気で走る次世代カーです。しかも、オンライン販売がメインとなっていて、従来のような街中のディーラーは見当たりません。車両選びから、試乗予約、見積もり、注文、決済、配送情報の確認まですべてをオンラインで完結。リアルな体験拠点として、試乗や購入相談、点検、整備をワンストップで提供する「Hyundaiカスタマーエクスペリエンスセンター」が、2022年夏に神奈川県横浜市に開業予定で、その後も主要地域に協力整備工場が展開される予定ではあるのですが、まだなかなか今は実車を目にする機会が限られているという状況です。
そんな中、若い人たちを中心ににぎわう東京・原宿に、ポップアップストア「Hyundai House Harajuku」が期間限定でオープン。早く行ってみたかったのですが、ようやく訪れることができました。場所はJR原宿駅の改札からもよく見える、交差点の角でした。ガラス張りの建物で、中にIONIQ 5が展示されているのがすぐわかります。
一歩中に入ると、そこはすがすがしい気持ちにしてくれるクリーンな空間。種をまいたばかりのような土の入った大きなプランターや、すくすくと育ったグリーンがそびえるプランターなど、植物の息吹を感じる空間となっています。このエントランスの展示では、Hyundai MobilityとLIFEMOVES.Peopleのコラボレーションによる新しいライフスタイルのアイデアが展開されていて、3週間ごとに建築、食べ物、ファッション、旅などの多彩な分野の専門家たちがクリエイティブなビジュアルを披露してくれています。
私が訪れた時は、農家でもありシェフでもある五十嵐創さんの展示。おいしいものを、いかにサスティナブルに提供できるかという、五十嵐さんのこだわりがあちこちにあふれていました。そしてIONIQ 5のバックゲートがそのままテーブルにつながり、電気で調理してアウトドアでいただくという、すてきな風景が浮かぶディスプレイも。ちょっと未来的な印象が強いIONIQ 5のデザインが、不思議とそうした自然の風景にも馴染(なじ)んでいるのが面白いところです。
その後、別のお部屋へと移動するのですが、その時に通るのがまた不思議な通路。IONIQ 5のデザインキーとなっている「パラメトリックピクセル」を全身で体感できるような空間でした。目の前がパッと開けると、そこはNEXO Garden。ここではいろんな発見を楽しみながら、Hyundaiというブランドの世界観とIONIQ 5、NEXOについての理解を深めていくことができるようになっていました。いろいろと教えてくれるスペシャリストの方の解説が面白いので、ついつい長居してしまいます(笑)。
事前予約制ですが、試乗も可能。2階にはラウンジもあるので、原宿の街並みを眺めながらお茶するのもいいですね。平日の午前中でしたが、何組かの女性グループが訪れていたのが印象的でした。Hyundaiがお久しぶりの方も、初めましての方も、ここに来ると世界中でビジネスを拡大しているHyundaiの魅力を身近に感じることができると思います。