まるも亜希子の「寄り道日和」

「ベルランゴ」でのんびりドライブを楽しんできました

誰でも自由に入ってBBQが楽しめる、相模原の河川敷にやってきました。何組かのカップルやファミリーが思い思いにアウトドアを満喫していましたが、ベルランゴの注目度は抜群。輸入車でスライドドアのクルマは珍しいので、「こんなクルマがあるんですね」と驚いている人もいました。全長4405mm、全幅1850mmという、日本の道路事情でもぎりぎり扱いやすいサイズがいいですよね

 女性誌やライフスタイル誌のお仕事で、最近よく聞かれるのが「車中泊におすすめのクルマはなんですか?」という質問。アウトドアが空前の大ブームということもあるんですが、それにプラスして、「せっかく高いお金と維持費をかけて所有するなら、ただ実用的なだけじゃなくて、ワクワクすることができるクルマがいい」という考え方をする人がじわじわと増えているのではないか、と感じています。

 確かに、ランニングコストを本気で切り詰めようとすれば、カーシェアやレンタカーでもいいはずですよね。それを「所有」するとなれば、それなりの大きな魅力がなければコストをかける意味がない、ということなのだと思います。その大きな魅力の1つが、「車中泊」という、聞くだけでワクワクしてくる言葉。どこか非日常体験が待っているような響きですよね。

 私が質問の答えとして、必ずリストの1台に加えているのが、シトロエン「ベルランゴ」です。以前はルノー「カングー」の独壇場だった、輸入車の5人乗り両側スライドドアミニバンというパッケージ。そこに、ボディサイズも室内空間もひとまわり大きく、遊び心満点のベルランゴが登場したんです。実はベルランゴは3兄弟で、ほかにプジョー「リフター」、オペル「コンボライフ」があるんですが、デザイン的に最近のシトロエンのゆる~い感じがこのパッケージにぴったりで、見ているだけでどこか旅に出かけたくなるクルマです。

 先日、そんなベルランゴと1週間ほど一緒に過ごす機会があり、景色のいい河川敷まで足をのばして、のんびりとドライブを楽しんできました。都会的なイメージもあるベルランゴですが、自然の中にも見事に溶け込んで、ついつい写真を撮りたくなってしまいます。まだ少し肌寒い日だったのですが、頭上一面に広がる大きなガラスルーフから、暖かい日差しが降り注いできて、室内はサンデッキのような心地よさ。その下に、室内の前から後ろまでをつなく柱のようなバーが通っていて、そこが収納スペースになっているというのも面白いですよね。試しにいつも持ち歩いているバッグをのせてみましたが、なかなか便利。ティッシュボックスやブランケット、上着などもホイッと収納できそうです。

シトロエンでは「モジュトップ」と呼ばれている多機能ルーフストレージ。この柱はフローティングアーチと言って、約14Lの容量がある収納スペースです。サンバイザーの上部に約18Lの収納、後席と荷室をつなぐ部分にも約60Lの収納BOXがあり、いろんなモノがすっきりと収まるのもベルランゴのいいところです

 1つだけ発見した弱点は、“フランス車あるある”とも言えるドリンクホルダー。コンビニで買った600mlのペットボトルを置こうとしたら、浮いてしまって走行中の振動でだんだん斜めになってきました(笑)。ドリップコーヒーのカップはしっかりホールドできたのですが、飲み物を選ぶドリンクホルダーなので要注意です。

 ただ、後席は3座がそれぞれ独立して折り畳みでき、しっかりとフラットになるので、マットを敷けば車中泊のスペースとしてとても優秀。ハイブリッド車のようなコンセントなどはありませんが、BBQの道具もたっぷり積めるので、昔ながらのアウトドアレジャーを楽しみたい人におすすめです。

カングーのドリンクホルダーもあんまり日本のドリンク類には合わなかった記憶があるのですが、ベルランゴもこの通り。600mlのペットボトルは傾いてしまいます(笑)。でも、カングーのオーナーさんたちは自作のドリンクホルダーを吊るしていたり、市販のアクセサリーで好きなドリンクホルダーを後からつけたりしていて、それはそれで自分だけの空間にカスタマイズできて楽しいですよね
まるも亜希子

まるも亜希子/カーライフ・ジャーナリスト。 映画声優、自動車雑誌編集者を経て、2003年に独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、エコ&安全運転インストラクターなども務める。海外モーターショー、ドライブ取材も多数。2004年、2005年にはサハラ砂漠ラリーに参戦、完走。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。2006年より日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。ジャーナリストで結成したレーシングチーム「TOKYO NEXT SPEED」代表として、耐久レースにも参戦。また、女性視点でクルマを楽しみ、クルマ社会を元気にする「クルマ業界女子部」を吉田由美さんと共同主宰。現在YouTube「クルマ業界女子部チャンネル」でさまざまなカーライフ情報を発信中。過去に乗り継いだ愛車はVWビートル、フィアット・124スパイダー、三菱自動車ギャランVR4、フォード・マスタング、ポルシェ・968、ホンダ・CR-Z、メルセデス・ベンツVクラスなど。現在は新型のスバル・レヴォーグとユーノス・ロードスター、ニッサン・スカイラインクーペ。