まるも亜希子の「寄り道日和」

ランボルギーニ「ウラカン テクニカ」のお披露目会に参加しました

地を這うように低く、ワイドなシルエットの中に、さまざまな革新技術が投入されているウラカン テクニカ。一般道もサーキットも関係なく、ドライビングの楽しさや理想のライフスタイルを求める人に向けて開発したということで、一度は乗ってみたいと夢見る人も多いと思います。私ももちろん、その1人ではあるものの、一方で最小回転径が11.5mと聞くと、道が狭いわが家ではちょっとひるんでしまったり(笑)

 ランボルギーニが内燃機関のみのモデルを発表するのは、2022年がラスト。その1モデルであるウラカン テクニカのお披露目会にお邪魔してきました!

 六本木某所で行なわれたプレスカンファレンスは、コロナ禍に配慮して少人数での進行となりましたが、他社ではここのところずっとリモートでの発表会がほとんどだったので、私としては2年ぶりくらいに参加したリアル発表会。やっぱりアンベールの瞬間が見られると思うと、胸が躍ります。

発表会の魅力の1つが、こうしてアンベールを待つドキドキが味わえるところ。アジア太平洋地域でリアルにお披露目されるトップバッターが日本となったことは、とても誇らしいですよね

 そして、登壇したランボルギーニ ジャパン ブランドディレクターのダビデ・スフレコラさんが、まるでモデルさんのようにイケメンすぎてビックリ。参加者には スーパーカー大王ことモータージャーナリストの山崎元裕さんをはじめ、実際にスーパーカーを所有している方々が多数いらっしゃって、私のような庶民には夢か幻かの世界に迷い込んでしまったようでした(笑)。

 でもスフレコラさんのプレゼンテーションを聴いていると、このウラカン テクニカが名前の通り、さまざまな技術の進化を遂げたスーパーカーであることがわかり、アウェイ感も忘れて興味津々。これまでのランボルギーニのデザインの伝統を受け継ぎつつも、見る人が見ればひと目で「これは!」と違いを見分けられるほど、外観だけでも数多くの新技術が採用されていると言います。

 たとえば新しいバンパーはテルツォ・ミレッニオのY字デザインが特徴的で、ウラカンシリーズとして初めて、エアカーテンが組み込まれました。フロントスプリッターにも細かいオープンスラットを入れて、タイヤに空気を送り込んでダウンフォースを得るとともに、冷却の向上も期待できるとのこと。

 また、固定式リアウイングはユニークな曲線を描きつつ、空力性能も大きく向上していて、ウラカン エヴォ RWDと比較してリアダウンフォースが35%もアップ。このような進化があちこちに散りばめられて、しっかりとパフォーマンスアップにつながっているのが、ウラカン テクニカのデザインです。

 そしてボディ後方に鎮座しますのが、5.2リッターのV10自然吸気エンジン。最高出力640HP、最大トルク565Nmの強大なパワーで、0-100km/h加速は3.2秒。やはり、軽量化の方もさらに突き詰め、乾燥重量がわずか1379kgというのが効いているのでしょうか。無駄を削ぎ落とし、人間の叡智を惜しみなく注いだ集大成の速さですね。今後、電動化が進んでくると、たとえばテスラのモデルSが0-100km/hで2.1秒なので、またさらに速くなるのかもしれませんが、内燃機関モデルにはEVには真似できない、気持ちを昂らせてくれる最高のサウンドがあるのも大きな魅力。今回、会場内では次世代V10エンジンの楽器のような美しいサウンドを、録音で聴かせていただくことができました。実際には、ランボルギーニらしい六角形の新型マフラーから奏でられますが、ブレーキ冷却システムと排気装置の改良で、さらにこのサウンドにも磨きがかかっているようです。

 ランボルギーニは将来の脱炭素化を目指すロードマップ「DIREZIONE COR TAURI(ディレツィオーネ・コル・タウリ)」を打ち出していて、2023年に初のハイブリッドモデルを投入し、2024年には全モデルを電動化。そしてランボルギーニ初のバッテリEVモデルは、2028年に登場予定ということなので、この生粋のエンジンサウンドの最新版が聴けるのもあとわずかとなってきました。もし街中でウラカン テクニカを見かけたら、まずは全身を耳にしてサウンドを堪能したいなと思っています。

ランボルギーニのパーソナライゼーションプログラム「Ad Personam」を利用すると、200通り以上のペイントオプションが選べるというウラカン テクニカのボディカラー。インテリアでも、テクニカ限定のアルカンターラ製インテリアトリムの新作などがあり、「私なら何色にするかな」なんて妄想するだけでワクワクしてしまいました
まるも亜希子

まるも亜希子/カーライフ・ジャーナリスト。 映画声優、自動車雑誌編集者を経て、2003年に独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、エコ&安全運転インストラクターなども務める。海外モーターショー、ドライブ取材も多数。2004年、2005年にはサハラ砂漠ラリーに参戦、完走。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。2006年より日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。ジャーナリストで結成したレーシングチーム「TOKYO NEXT SPEED」代表として、耐久レースにも参戦。また、女性視点でクルマを楽しみ、クルマ社会を元気にする「クルマ業界女子部」を吉田由美さんと共同主宰。現在YouTube「クルマ業界女子部チャンネル」でさまざまなカーライフ情報を発信中。過去に乗り継いだ愛車はVWビートル、フィアット・124スパイダー、三菱自動車ギャランVR4、フォード・マスタング、ポルシェ・968、ホンダ・CR-Z、メルセデス・ベンツVクラスなど。現在は新型のスバル・レヴォーグとユーノス・ロードスター、ニッサン・スカイラインクーペ。