まるも亜希子の「寄り道日和」

魅力いっぱいの北海道

足寄と書いて「あしょろ」。この地名は、数々の名曲を歌われている松山千春さんの故郷として有名ですね。その足寄で唯一のレストランだという「あしょろ庵」は、ボリューム満点の豚丼が大人気。この日も、ツーリング途中のライダーたちが続々と入ってきたり、ドライブ中のランチタイムで立ち寄ったりした方々でにぎわっていましたよ。EVの急速充電器も設置されているので、これからEVでのドライブにも欠かせない場所になるかもしれないですね。

 北海道には7つの空港があるのですが、地図の右下に位置する「たんちょう釧路空港」へ降りたったのは初めてのこと。今回は、近い将来にわが家の愛車となる予定の、とある新型車に試乗するためにやってきたのですが、その試乗場所となっている自動車メーカーのテストコースから想定するに、直前までてっきり最寄りの女満別空港に行くものとばかり思っていた私。釧路空港からだと、130kmくらい走らないとそのテストコースにはたどり着かないような? 不思議なはからいに朝からビックリしてしまいました。

 まぁでも、私にとっては4年ぶりくらいの北海道。釧路のあたりはそれこそ、中学生のころの家族旅行で札幌から観光バスで巡ったとき以来です。今回は東京から添乗員さんが同行してくださり、仕事とはいえちょっとウキウキ。同じグループになった先輩ジャーナリストさんたちと一緒にマイクロバスに乗り込み、図らずも楽しい北海道ドライブがスタートしたのでした。

 思わずハッとするほど大きくリアルな熊のモニュメントが出迎えてくれた釧路空港を出発し、数分も走るとすぐに右も左も大平原が広がる、北海道らしい光景に包まれました。道東道を西へとひた走り、いくつもの長いトンネルを抜けて、今度は北へと向きを変えますが、見える景色はただただ、空と大地。本当に久しぶりに、この雄大な景色と出会えたことにとても感動していました。

 そして1時間30分ほど走ったでしょうか。添乗員さんが立ち寄ってくれたのは、足寄ICをおりて5分ほどのところにあるレストラン「あしょろ庵」。なんと、足寄が生んだスーパースター、松山千春さんのご友人が営まれているお店で、足寄で唯一のレストランなのだそう。店内には青年時代の松山さんの写真やサインなどが飾られ、BGMでも数々の名曲が流れています。

 このあしょろ庵の名物は、でっかいドンブリで出てくるボリューム満点の豚丼。写真だと驚くほどの大きさが伝わりにくいのが残念なんですが、このドンブリ、嘘じゃなく私の顔より大きいんですよ〜(笑)。しかも、お肉は厚みがあるのにやわらかくて、とってもジューシー! 甘辛のタレとよくあっていて、ご飯がすすんでしまいます。これなら大食いの人も食べ盛りの子供たちも、大満足のはず。お昼時に差し掛かると、広い駐車場にはたくさんのツーリング途中のライダーや、家族でドライブを楽しんでいるらしき人たちが集まってきていました。

 食後は、レストランに併設されているお土産物屋さん「十勝酪農王国」へぶらり。ここでも松山さんリスペクトが感じられて、人気があるというカマンベールチーズの「手造りニューカマン」や、くるみの「キャラメルナッツチョコ 木もれ実」といったお土産のパッケージには、かわいらしいイラストで松山さんがデザインされているのです。お店の方いわく、「このイラストが入ってるのはウチでしか買えないよ」とのこと。私も2つほど、くるみチョコをお土産にいただきました。

 すっかり満腹で睡魔に襲われながらも、マイクロバスに揺られてまたまた雄大な景色の中へ。40分くらい走ったでしょうか、今は廃線となってしまった「ふるさと銀河線」の駅と道の駅を兼ねた、道と鉄道の交流点として誕生した「オーロラタウン93りくべつ」に到着しました。その昔は池北線(ちほくせん)の陸別駅があったところで、その後、北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線として運営されていたのですが、2006年に廃線となったそうです。

惜しまれつつ2006年に廃線となってしまった、北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線ですが、今も日本全国からやってくるファンにその姿を見せてくれています。これは、2002年から登場したラッピングのキャラクター列車で、松本零士先生のアニメを使用した列車の運行は全国で初めてだったそう。車内にもいたるところにイラストなどが描かれ、「銀河鉄道999」のファンも見逃せない車両となっています

 でも、建物を入ると駅のホームと線路が窓越しに見えるようになっていて、誰でも入場無料でホームに出ることができます。私もさっそく行ってみると、そこには「銀河鉄道999」の鉄郎とメーテルが描かれた素敵な車両が! 外から眺めるだけでも嬉しいですが、乗車体験は大人300円、小人200円なので、乗車したらとてもいい記念になりますよね。さらに、少し離れた場所では本物の線路を使って運転体験もできるとのこと。今回は時間が足りずできませんでしたが、これはぜひトライしてみたかったです。いつか、電車好きの甥っ子を連れてきてあげたいなぁ〜。併設のショップで「運転士手帳」が売っていたので、それを甥っ子へのお土産に購入。また陸別には、日本最大級となる115cmの反射望遠鏡を備えた「銀河の森天文台」があり、満点の星空が見られることでも有名だそうで、娘にも「子ども星座観測手帳」をお土産にしました。

 さて、そんなこんなですっかり北海道を満喫してから、ようやく本来の目的地へ到着。ここで試乗したクルマは、7月22日11時に記事解禁となりますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

 そしてその夜は北見市に宿泊したのですが、ここは人口あたりの焼肉店の数が北海道一だということで、確かにちょっと歩けば焼肉屋さんに当たるという感じ。なので夕食は焼肉に決定! とくに、昔から食肉加工場が近いため、新鮮なホルモンが手に入るという北見の看板メニューが、「豚ホルモン」だそう。また、北見ではカルビよりも牛サガリが鉄板メニューということで、どちらもおいしく、またまた食べ過ぎてしまいました。

女満別空港で遭遇したのが、北見市を一躍有名にしたスポーツ「カーリング」の日本代表チーム「ロコ・ソラーレ」のコーナー。オリンピックを見ていて、カーリングという競技を初めて知ったり、一度はやってみたいと思ったりした人も多いのではないでしょうか? 北見市にある国内最大級のカーリング専用競技場「アドヴィックス常呂カーリングホール」では、小学校4年生以上から事前予約をして有料で体験利用ができるとのこと。滑りやすい氷の上で、独特のフォームで20kgほどもあるストーンを投球するというのは、見ているよりも実際にやってみる方がずっと難しいのだろうなと思いつつ、その難しさを知るとまたカーリングを見る楽しみが広がりそうですよね

 帰路は女満別空港からの空の旅だったのですが、ここで北見を有名にしたあのスポーツの道具に遭遇! 「そだね〜」と言ったらもう、皆さんお分かりですよね。北京2022冬季オリンピックで激闘の末、見事銀メダルを獲得した、カーリング女子日本代表「ロコ・ソラーレ」。その皆さんのサインが入ったカーリングストーンが、女満別空港に飾られていたのです。こちらは平昌2018冬季オリンピックで銅メダルを獲得したときのもので、北京のときは分かりやすく愛のある解説をしてくださった、本橋麻里選手のサインもありました。そしてなんと、北見市のアドヴィックス常路カーリングホールに行くと、有料でカーリング体験ができるそうなのです。時間単位でカーリングの指導も受けられるとのことで、これもぜひやってみたい! 今度は家族みんなで訪れたくなる、まだまだ知らない魅力いっぱいの北海道でした。

今回の北海道土産で大好評だったお菓子2つがこちらです。じゃがポックル「ほたて塩味」はもう、ノーマルのじゃがポックルより好きという声多数。そしてキャラメルナッツチョコ「木もれ実」のパッケージには、かわいらしい松山千春さんのキャラクターがデザインされています。あしょろ庵併設の十勝酪農王国でしか買えない、くるみ好きさんにオススメのお土産です

【お詫びと訂正】記事初出時、カーリング女子日本代表「ロコ・ソラーレ」の獲得メダルについて誤った表記をしておりました。お詫びして訂正させていただきます。

まるも亜希子

まるも亜希子/カーライフ・ジャーナリスト。 映画声優、自動車雑誌編集者を経て、2003年に独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、エコ&安全運転インストラクターなども務める。海外モーターショー、ドライブ取材も多数。2004年、2005年にはサハラ砂漠ラリーに参戦、完走。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。2006年より日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。ジャーナリストで結成したレーシングチーム「TOKYO NEXT SPEED」代表として、耐久レースにも参戦。また、女性視点でクルマを楽しみ、クルマ社会を元気にする「クルマ業界女子部」を吉田由美さんと共同主宰。現在YouTube「クルマ業界女子部チャンネル」でさまざまなカーライフ情報を発信中。過去に乗り継いだ愛車はVWビートル、フィアット・124スパイダー、三菱自動車ギャランVR4、フォード・マスタング、ポルシェ・968、ホンダ・CR-Z、メルセデス・ベンツVクラスなど。現在はMINIクロスオーバー・クーパーSDとユーノス・ロードスター。