まるも亜希子の「寄り道日和」

タンデム目線でハーレーダビッドソンのニューモデル体験してみました

タンデム目線(?)で初めて参加させていただいた、ハーレーダビッドソンの試乗会。4つのニューモデルの1つ、ブレイクアウトはキビキビ感と重厚感のバランスがちょうどよく、極太のリアタイヤのおかげか後ろの乗り心地も上々でした。クロームがセンスよくあしらわれているデザインも、すっごくステキです! 価格はバハオレンジのカラーで331万9800円

 同じ夢を抱いたウォルター、アーサー、ウィリアムというダビッドソン3兄弟と、チーフエンジニアのウィリアム・ハーレーの4人が集まって、ダビッドソン家の裏庭からスタートしたというハーレーダビッドソン。アメリカンカルチャーを語る上で欠かせない世界的ブランドとなっていますが、なんと2023年は創立120周年なのだそうです!

 実はわが家は夫がハーレーの大ファンのため、3台目となる愛機が仲間入りして3年目に突入したところ。夫のバイク仲間も次々とハーレーに乗り換えていくので、バイクの免許がない私もすっかり感化されてきちゃいました。しかも日本は、世界で2番目にハーレーが売れている国なんだとか! 2022年は1万台オーバーを販売したというから、すごいですよね。

 そんな大人気のハーレーダビッドソンが、4つのニューモデルと120周年限定モデルを一斉に発売するというニュースがあり、嬉しいことに試乗する機会をいただけることに。2輪車の試乗会は初めてなのでドキドキでしたが、夫の「乗ってみたい」という熱望もあったので、2人で参加させていただきました。もちろん、会場まではわが家のCVOでタンデム移動。冬の間は寒いので、私は乗るのを敬遠していましたが(笑)、ドッシリとした安定感と重厚なエンジンの鼓動を感じながら、風を受けて走るのはやっぱり気持ちがいいですね。

 そして最初に試乗したのは、新登場したブレイクアウト。1923cc(!)というハーレー最高峰の排気量となるMilwaukee-Eight 117エンジンを新搭載し、クルーズコントロール機能が標準装備となっており、モダンチョッパーとなったデザインは力強さと美しさを兼ね備えていて、置いてあるだけで絵になります。バイクのデザインには疎い私でも、思わずカッコイイ! と釘付けに。ここのところ、あまりクロームを使わないデザインが多かったそうですが、ビビッドなバハオレンジとクロームのコンビネーションがステキ。これからまたクロームを効かせたデザインがトレンドになりそうとのお話もありました。

 夫の後ろにまたがり、エンジンに火が入ると低いサウンドが鼓動とともに響いてきます。240mmという極太のリアタイヤを履いているのが特徴でもあり、重厚感があって乗り心地もいいのですが、CVOよりも少しドッシリ感は控えめで、カーブや交差点などでの機敏な挙動が印象的。一般道なので制限速度で走っているのですが、それでも直線ではアクセルを開けるとグワッとトルクが出ているのを感じます。タンデムでなければもっと軽快な加速フィールだったんでしょうけど(笑)、それでもエモーショナルな走りを楽しめたようです。

スポーツカテゴリーのモデルというだけあって、ヒラリヒラリと軽快で自由度の高い走りが印象的だった、ナイトスタースペシャル。こちらも2023年のニューモデルです。同じエンジンを搭載するナイトスターもあり、そちらはホイールのデザインやライトまわりなど、よく見るとシンプルに仕上げられています。ナイトスタースペシャルの価格はインダストリアルイエローで240万6800円

 続いて試乗したのは、こちらもニューモデルとなるナイトスタースペシャル。デザインはスポーティで美しく、975ccの水冷60度VツインとなるRevolution Max975Tエンジンが搭載されています。4インチの丸型TFTスクリーンにすべてのメーターとインフォテインメント機能が集約されていて、スマホと連携してナビゲーションも使えるし、5つのライドモードからパフォーマンスを選択できたりと、かなりハイテクなことに驚きました。

 で、私がタンデムするとドッシリしてしまいましたが(笑)、走り出してすぐから夫が「速い!」を連発。確かに、さっきよりもシッカリとつかまっていないと、オシリが置いてかれそうなくらいのロケットダッシュ。道路の継ぎ目でも身体がちょっと浮くくらいの振動を受けるシーンもあり、スリリングな分だけテンションも上がります。挙動もすごく柔軟で軽快な感じが強く、夫いわく、1人で乗っていたらカーブではグッとボディを傾けて乗りたいようなフィーリングで超楽しかったのだとか。

 それでも、空気圧センサーを搭載するアルミキャストホイールを装着していたり、ABSやトラクションコントロール、スリップコントロールシステムといった先進の安全技術も搭載されていたりと、ライダーの安全をしっかり考慮してくれているのが嬉しいですよね。

恥ずかしながら、バイクに「表」と「裏」があることすら知らなかった、2輪車ビギナーの私。正面から見て左側が「表」なんだそうですね。そしてナイトスタースペシャルに搭載された4インチのTFTスクリーンには、Bluetoothでつないだスマホのナビが表示されるようになっていたことも、ビックリしたポイントでした

 他にもナイトスター、ロードグライド3というニューモデルと、120周年記念モデルとなるCVOが1モデル、特別塗装カラーの6モデルが限定生産で登場。もっと試乗したかったのですが、普段から運動不足の私たちは体力の消耗が激しく、全身が筋肉痛のようになっており、ここでギブアップ(笑)。あらためて、バイクって運転どころか後ろに乗ってるだけでも、スポーツだなぁと実感したのでした。

 それにしても、モデルごとにこれほど違うキャラクターが味わえるとは、想像以上でした。実はひそかに夫に対して、「数年の間にハーレー3台も乗り換えて、何やってんねん」と思っていたのですが、いろいろ乗りたくなる気持ちも少しは分かった……ような?

 ハーレーダビッドソンのニューモデル、120周年記念モデルは、今後大阪・東京・名古屋で開催されるモーターサイクルショーでも展示されるそうですので、ぜひチェックしてみてください!

まるも亜希子

まるも亜希子/カーライフ・ジャーナリスト。 映画声優、自動車雑誌編集者を経て、2003年に独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、エコ&安全運転インストラクターなども務める。海外モーターショー、ドライブ取材も多数。2004年、2005年にはサハラ砂漠ラリーに参戦、完走。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。2006年より日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。ジャーナリストで結成したレーシングチーム「TOKYO NEXT SPEED」代表として、耐久レースにも参戦。また、女性視点でクルマを楽しみ、クルマ社会を元気にする「クルマ業界女子部」を吉田由美さんと共同主宰。現在YouTube「クルマ業界女子部チャンネル」でさまざまなカーライフ情報を発信中。過去に乗り継いだ愛車はVWビートル、フィアット・124スパイダー、三菱自動車ギャランVR4、フォード・マスタング、ポルシェ・968、ホンダ・CR-Z、メルセデス・ベンツVクラスなど。現在はMINIクロスオーバー・クーパーSDとスズキ・ジムニー。