まるも亜希子の「寄り道日和」

早めの夏休みで初島へ

熱海港から約30分の船旅を楽しませてくれた、高速船「イル ド バカンス プレミア」。全長43m、定員605名、ディーゼルエンジンの出力は1450PS×2基。あまり風がなく波も穏やかな日だったということもありますが、ほとんど不快な揺れを感じることなく、快適な海の旅を楽しませていただきました

 早めの夏休みをいただいて、初島へ行ってきました。熱海港から高速船に乗ると約30分で到着する、小さなリゾートアイランドです。初島へはマイカーの乗り入れができないので、熱海港の駐車場に停めて荷物を全部かついで船に乗らなければならないのがちょっと大変でしたが、子どもたちも荷物を一生懸命かついでくれて、それもまたいい思い出。最初は「船は酔うからイヤ」なんてブルーになっていた娘も、乗ってしまえば展望デッキに出たり、あちこち船の中を探検したりと大はしゃぎで、あっという間に初島へ到着しました。

 それにしても、私は20年ぶり2回目の初島だったのですが、高速船がかなり立派でオシャレなことにビックリ。20年前の時はもっと小さくて簡素な内装の船だったような……? と思っていると、今回乗船した「イル ド バカンス プレミア」は2014年3月に就航したのだそうな。木目調の欧風インテリアで、カウンター席のスペースや、海向きのペアシート、グループ向けのボックスシートといろいろなタイプが用意されており、予想以上にバカンス気分満点。それぞれのフロアへの移動は急な階段だけかと思ったら、エレベーターが装備されていてバリアフリーなところにも感心しました。

高速船の展望デッキで、カモメに餌やりをしようと待ち構えていた子どもたちだったのですが、駿河湾にカモメが飛来するのは11月〜3月頃だそうで今回はまったく出会えず(笑)。イルミネーションが設置してあるのが気になり調べたところ、なんとこの「イル ド バカンス プレミア」は日没後に貸切運航も行なってくれるのだとか! 熱海の夜景を眺めながらの船上パーティなんて、ステキですよね〜

 もう1つ、「イル ド バカンス 三世号」という高速船もあって、こちらは南国の花々が咲き乱れるようなデザインが特徴。客室前方に、だんだんと近づいてくる初島を真正面から眺められる特別船室があって、わずか12席だけの贅沢なシートなのだとか。私たちは帰りもイル ド バカンス プレミアの方だったので、こちらにも乗ってみたかったな〜。

 さて、初島に来た目的の1つは、子どもたちとシュノーケリングを体験すること。船からおりたらもう、すぐ目の前の海で泳ぐことができるのがいいですよね。ホテルの送迎バスに先に荷物だけを預けて、身軽になってからさっそくトライ! よく初島に来ている常連さんらしき、慣れた感じのファミリーが先にシュノーケリングを楽しんでいたので、新参者の私たちもそれに習って着替えなどを済ませ、子どもたちにはしっかりとライフジャケットを着用し、全員がマリンシューズを履いてから、海に入ってみました。

 海水がものすごく冷たくて、最初は震えがくるくらい。陸から30cmのところでも、透明度が高くて小さな青い魚がウヨウヨいるのが見えます。でもシュノーケルをつけて潜った子どもたちは、小さな魚だけでなく海藻や岩、時たま大きな魚も横切っていくという、しっかりと海の世界を見ることができたようで、またまた大はしゃぎ。6歳児もいたので浅瀬の足が届くところだけで楽しみましたが、ひと休みしている時にはカニも親子で登場して、大興奮だったのでした。

 そしてこの初島で、大活躍してくれたのが新しく手にいれたビーチサンダル。靴底に、廃タイヤをリサイクルした素材を使っている「インドソール」というバリ島発のブランドなんです。このブランドの創始者が、年間10億本ものタイヤが行き場をなくして埋められている現状にショックを受け、なんとかして再利用できないかと試行錯誤して生まれたものなのだそう。アッパー部分は天然ゴムやビーガン素材を使い、化学物質が流出しないよう考慮した染色方法を用いて製造されているというところも、気に入ったポイントです。

バリ島発ブランド「インドソール」のビーチサンダルは、廃タイヤをリサイクルしたソールを使っているビーチサンダルです。JATMAの発表によれば日本は、国内で発生する年間9100万本の廃タイヤのうち、約92%がリサイクルされているという、とても優秀な国。でも世界では年間約10億本の廃タイヤが行き場をなくして埋められているという切実な問題があります。少しでも、リサイクルに貢献できたらいいな

 これがすごく履き心地がよくて、たくさん歩いても疲れにくいのはやはり、タイヤ由来だからでしょうかね。以前、モビリティリゾートもてぎのイベントで出展されていた、相馬紳二郎さんのお店でもバイクの廃タイヤを靴底に再利用している靴を見つけましたが、ガシガシとよく歩く人や、路面の凹凸があるところを歩く人にいいのかもしれないですね。

 リゾートに出かけて自然の中に身を置いてみると、この環境を守りたいという意識がさらに高まるのを感じました。子どもたちにも、この旅でなにか心に残るものがあったらといいなと思います。

まるも亜希子

まるも亜希子/カーライフ・ジャーナリスト。 映画声優、自動車雑誌編集者を経て、2003年に独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、エコ&安全運転インストラクターなども務める。海外モーターショー、ドライブ取材も多数。2004年、2005年にはサハラ砂漠ラリーに参戦、完走。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。2006年より日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。ジャーナリストで結成したレーシングチーム「TOKYO NEXT SPEED」代表として、耐久レースにも参戦。また、女性視点でクルマを楽しみ、クルマ社会を元気にする「クルマ業界女子部」を吉田由美さんと共同主宰。現在YouTube「クルマ業界女子部チャンネル」でさまざまなカーライフ情報を発信中。過去に乗り継いだ愛車はVWビートル、フィアット・124スパイダー、三菱自動車ギャランVR4、フォード・マスタング、ポルシェ・968、ホンダ・CR-Z、メルセデス・ベンツVクラスなど。現在はMINIクロスオーバー・クーパーSDとスズキ・ジムニー。