まるも亜希子の「寄り道日和」

新型N-BOXに出会って発見したもの

N-BOXとN-BOX CUSTOMの2つのデザインがあり、さらにその中でもベーシックスタイルとファッションスタイル/コーディネートスタイルが用意されている新型N-BOX。これはファッションスタイルに用意されたホンダ初の新色「オータムイエロー・パール」。濃すぎず、薄すぎず、とっても美味しそうな(笑)イエローで、サイドミラーやホイールにあしらわれたホワイトや、ホイールにもボディ同色の加飾があるところなど、すごくオシャレです。女性デザイナーの皆さんと、新型N-BOXを見ながらいろんなお話を聞かせていただき、盛り上がりました

 ついに姿を現した、新型N-BOX! 日本一売れてるクルマのフルモデルチェンジって、開発する皆さんもプレッシャーがすごいでしょうけど、迎える側の私たちもめっちゃくちゃドキドキしますよね。今回は日刊自動車新聞が発行しているタブロイド紙の取材で、事前説明会にお邪魔させていただきました。

 私は仕事に出かける時、その日に試乗や取材をするクルマのイメージを考えながら洋服を選ぶことが多いんですが、この新型N-BOXに初めて会う大切な日ということで、前夜まではブルーのワンピースを着ていこうと思っていたんです。でも当日の朝、クローゼットを開けた瞬間に「あ、やっぱりイエローがいいな」と変更。そしたらそしたら。会場に到着すると、何人かのデザイナーの方から半分冗談ですが「あの、なんか事前に情報漏れてました?」なんて聞かれ、私は「??」。

 プレゼンが行なわれたお部屋にはグレーのカスタム1台しか置かれていなかったので、よく分からなかったのですが、撮影用の広いお部屋に移動して、そう聞かれた意味に納得。なんと、ベーシックモデルに用意されていた新色が、イエロー! 私のワンピースとシンデレラフィットしていたという訳なのです。しかもそれが、ホンダ初の新色となるオータムイエロー・パール。もちろんホンダから事前になんの情報も漏れてはおらず、私、もしかして霊感とかあるのかしらとビックリしてしまいました(笑)。

 そんなきっかけもあり、新型N-BOXに携わった女性デザイナーの皆さんに詳しくお話を聞かせていただきながら、感心したことがたくさん。それは、新型N-BOXには使う人たちの「生の声」があちこちに活かされているということなんです。

 例えば室内の収納スペースでは、助手席の前にあるグローブボックスが従来の約2倍の大容量となっているだけでなく、充電コードを出しておけるようにスリットが付けられていたり。スライドドア開口部では、実際に乗り降りする人がどこに手を添えていることが多いのかを観察し、その結果としてグリップをつけるのではなく、ライニングに手がかけられるような溝をつくり、大人がつかみやすい高さと子どもがつかみやすい高さで、その溝の深さを微妙に変えていたり。これ、すごく細かいところですが、私も実際に乗り降りしてみて確かにここをつかむことが多いなぁと実感しました。

 さらに、ママとしてすごく共感したのが、後席のサイドにカップホルダーだけでなく収納ポケットも新設されていたところ。しかも、収納ポケットの下の部分にわざと隙間が開いていて、入れた小物が確認できるようになっているという! これはありがたいですよ〜。私もいつも、子どもが何か月前に入れたか分からない、溶けてベタベタになった飴とかを発見してゾッとしていますからね。

 そして隣りには、ボックスティッシュが縦に収納できるようになっているのも素晴らしい。一般的には車内でボックスティッシュを収納できる場所は前席周辺にあることが多いですけど、子どもって運転中でもなんでもお構いなしに「ママ、ティッシュ!」と呼びつけるじゃないですか。けっこう、注意力を削がれてしまうんですよね。だから、ティッシュは子どものすぐそばにある方がいいなと思っていたんです。

 さらに、後席の収納ポケットの下に刻まれたライニングは、よく子どもが遊ぶミニカーのタイヤ幅にピッタリで、レールみたいにミニカーを走らせて遊べるようにという、ちょっとした遊び心があるのも女性デザイナーさんたちのこだわり。うちの娘もよく、高速道路のSAで売っているトミカを買ってもらって、車内で遊んでいたなぁと懐かしく思い出しました。

使う人の生の声が反映されている新型N-BOXの室内は、工夫がいっぱい。後席の収納ポケットは、入れたモノが見えやすいスリットが開いていたり、ボックスティッシュが収納できたり。ミニカーを走らせるレールとして遊べるライニングも楽しいですよね

 そしてこの遊び心は、内外装のどこかに仕込んである「隠れN」にもしっかり受け継がれています。1台に何個のNが隠れているのかは、非公表。私はこの取材中に2個、見つけましたがいったい何個あるんでしょうね。オーナーになった人だけのお楽しみですね。

 あとは、ホンダアクセスが開発した純正アクセサリーでも、思わず自分のクルマにほしいと思ったモノが。それが、サンシェード内蔵大型ルーフコンソールというモノで、従来から販売されていたN-BOXの前席頭上に装着するルーフボックスに、なんと新機能として引き出し式のサンシェードがついているではないですか! この猛暑だからなおさらですが、強い日差しを遮ることができるサンシェードがサッと引き出せるなんて、最高。このアイディアはすごいですよね。

 新型N-BOX、全貌が明らかになるのは秋ごろとのこと。8月から先行予約が開始されており、私の友人はさっそくカスタムを予約したと言っていました。私のイチオシは、ベーシックモデルに3タイプ用意された、ファッションスタイル。ホイールにまでボディ同色ペイントがあって、すごく凝っているんです。その中の1つが、ワンピースとお揃いになったオータムイエロー・パール。街中で走っている姿を見るのが本当に楽しみです!

ホンダアクセスが開発している新型N-BOXの純正アクセサリーは、どれもアイディアと心遣いが素晴らしいのですが、中でもこの「サンシェード内蔵大型ルーフコンソール」のアイディアに脱帽。フロントガラス用のサンシェードって、使わない時に車内ですっごく邪魔で、置き場所に困るんですよね。それを解決してくれる優れモノです
まるも亜希子

まるも亜希子/カーライフ・ジャーナリスト。 映画声優、自動車雑誌編集者を経て、2003年に独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、エコ&安全運転インストラクターなども務める。海外モーターショー、ドライブ取材も多数。2004年、2005年にはサハラ砂漠ラリーに参戦、完走。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。2006年より日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。ジャーナリストで結成したレーシングチーム「TOKYO NEXT SPEED」代表として、耐久レースにも参戦。また、女性視点でクルマを楽しみ、クルマ社会を元気にする「クルマ業界女子部」を吉田由美さんと共同主宰。現在YouTube「クルマ業界女子部チャンネル」でさまざまなカーライフ情報を発信中。過去に乗り継いだ愛車はVWビートル、フィアット・124スパイダー、三菱自動車ギャランVR4、フォード・マスタング、ポルシェ・968、ホンダ・CR-Z、メルセデス・ベンツVクラスなど。現在はMINIクロスオーバー・クーパーSDとスズキ・ジムニー。