まるも亜希子の「寄り道日和」
京都で出会った2台のクラウン
2023年8月24日 00:00
夏休みの旅行第2弾は、娘との女ふたり旅で京都へ。私はかわいそうなことに、学生時代の修学旅行では京都にご縁がなく、大人になってからはTipo編集部時代に、日本一周キャラバンで京都を通過するついでに清水寺に立ち寄ったくらいで、ちゃんと訪れるのはほとんど初めてなんです。なのでメインは親子でイベントに参加することでしたが、気持ちは完全におのぼりさん! 娘よりもウキウキしっぱなしの旅になりました。
でも、プライベートで来たつもりが、やっぱりクルマ好きの血はおとなしくしていてくれないですね。そのイベント会場となった「京都トヨタ GRガレージ京都伏見」に入った途端、あまりにレアなクルマがありすぎてうわ〜っとなり、結局、写真を撮りまくってお話までちゃっかり聞いてしまいました(笑)。
とくに、2台の超レアなクラウン! これはジャーナリストという仕事をしていてもなかなか見られない、乗れない、貴重なクルマではないでしょうか。まず最初に驚いたのが、「あるらしい」という噂はかねがね聞いていたのですが、まさかまさかここでお会いできるとは! という感じの14代目のクラウンのオープンカー。赤と黒のGRカラーでカッコよくチューンされていて、しっかり京都ナンバー付きのモデルです。Aピラーと前席のシートベルト部分を残して、スパッとカットされたキャビンが新鮮ですよね〜。
純正のシートは前後ともちゃんと残っているのですが、気になる後席部分には座面の上に足台が設置されていて、本来ならトランクの上にあたる部分にパレードの主役が座るためのベンチが据え付けられていました。ここにはお相撲さんやオリンピックの金メダリストなど、何かしらの偉業を成し遂げられた方がお座りになるイメージですが、京都府ではよく警察署の1日署長を務められる方がお座りになることが多いそうです。
そんな特別な席になんと、ご好意で座らせていただくことになり、大興奮! 靴のままヨイショと登ってベンチに腰掛けると、予想以上の高さになってビックリです。これは、遠くまで見晴らしがよくて気持ちいいだろうなぁ〜。でも背中を支えるバーが低めなので、そうとうゆっくり走ってもらわないとちょっと怖いかも? なんて思ったり。京都トヨタさんでは、定期的に開催しているカート大会の優勝チームを乗せて、優勝パレードをするのが恒例だそうです。いい記念になりますね。
さてさて、もう1台のレアなクラウンは、1955年から1962年まで販売されていた、初代クラウン。なんですがこれ、後期のRS30型とはいえ、新車かと思うくらいビッカビカにレストアされているんです。というのもこれは「DISCOVER CROWN SPIRIT PROJECT」といって、今では部品が入手困難な状況にある初代クラウンをレストアすることで、そのルーツを知り、クラウンブランドへの理解を深め、技術を伝承していこうという取り組みの一環として行われたもの。京都トヨタでは、社員自らの手でこの初代クラウンのレストア作業を進めたのだそうです。そして、全国から復元された歴代クラウンが、生まれ故郷である豊田市の元町工場に集結し、そこから東京・代官山への約430kmを走破する挑戦も行われたとのこと。全車、無事に走破し、代官山T-SITEの駐車場にズラリ勢揃いした光景は圧巻だったそうですよ〜。見たかったなぁ。
で、私も僭越ながら、このビッカビカの初代クラウンに座らせてもらっちゃいました。ステアリングの細さや、昔のラジオのようにバーが伸びてくるタイプのスピードメーター、ふっかふかのレザーシート……。なにもかも新鮮で感激。シートはレザーを張り替えただけでなく、奇跡的に中のスプリングも新品が見つかって交換することができたのだとか。座り心地も当時の復元ができたということで、これは本当に貴重ではないでしょうか。今も動態保存されていて、エンジンルームの中もピカピカに整備されていましたよ〜。
他にもGRガレージ京都伏見さんには、最新のレアな展示車がたくさん。2022年のラリージャパンでスイーパーを務めたという、GRカラーのランドクルーザーもカッコよかった! 娘はいつの間にかグランツーリスモのゲームで遊ばせてもらっていて、かなりハマったらしくGR86でGT-Rを追いまくっていました(笑)。こんなふうに、大人も子どもも楽しめるお店っていいですよね。スタッフの皆さんもすごくフレンドリーで、クルマ&レース大好きな人たちばかりなので、ぜひ遊びに行ってみてくださいね。