まるも亜希子の「寄り道日和」
今年も感動をもらった「子どもアイディアコンテスト」
2023年12月21日 00:00
大勢の人が見守る中、子供たちが自分の考えたアイデアと、試行錯誤しながらそのアイデアを形にすべく作り上げた作品について、一生懸命プレゼンテーションする姿に毎年、感動をもらっている「子どもアイディアコンテスト」最終審査会。その第21回目が開催されて、今年もゲスト審査員としてありがたく参加させてもらいました。
審査員長はおなじみ、脳科学者の茂木健一郎さんなのですが、今年はなんと! 第12回大会で高学年の部・最優秀賞を獲得した下川宏武さんが、すっかり成長してゲスト審査員として参加してくれたのです! しかも教育者の道を志す立派な大学生になって……。
下川さんが出場したとき、すでに私も審査員をやらせていただいていたのですが、副賞だったASIMOのダイキャストモデルの箱に「当時はお願いできなかったので、今からでもサインをください」と言っていただき、時の流れを実感(笑)。審査員の中で唯一、子供たちの気持ちが分かる人物ということで、いろいろと当時の話やどんなところでこのコンテストが役立ったか、といった話をたくさん聞けて、すごく勉強になりました。
小6のころの下川さんには、ウエルカムプラザ青山のホールが、東京ドームくらい広大に見えていたそうですよ。それを聞いて、ますますこれから出場する子供たちの緊張が伝わってくるようでした。
今回も7601作品という多数の中から、低学年の部10組、高学年の部10組が集まった最終選考会。少し早めに会場入りして、並べられた作品たちをじっくりと間近で見るのが毎年の楽しみなのですが、イヤイヤ今年も力作ぞろい! というか、例年より作り込みが細かく個性的な作品が多く、レベルが高くなっているように感じました。これは、プレゼンの方も激戦になる予感……と思っていたら、やっぱり。
みんな、身振り手振りを交えながら、ハキハキとした声で分かりやすく私たちの心を揺さぶります。今回はとくに、「本当に欲しい!」「これはすぐにでも商品化できそう!」と思った作品が多かったなぁというのが印象的でした。
そして子どもアイディアコンテストの歴史で初めて、今年は終了後に懇親会が開かれました。これはスタッフの皆さんの温かい心遣いなんです。いつも、最後の表彰式で何も賞を獲れなかった子供たちが悔しくて泣いてしまったり、ガックリと気を落としてしまったりするんですね。「君たちはファイナリストなんだから、それだけですごいんだから、胸を張っていいんだよ」と力説して、みんなに金メダルをかけてあげるのですが、それでもやっぱり悔しいものは悔しいんですよね。
そこで、終わった後にすぐ解散ではなく、みんなでおいしいものを食べて歓談して、子供同士の絆も深めて楽しい思い出にして帰ってもらいたい、という気持ちなんです。
懇親会ではその通り、子供たちが仲よく笑う姿や、応援してくれた家族とだんらんする姿があり、ほっこり。私もここぞとばかりに、保護者の方々に「どうやってやる気にさせたんですか?」なんて教育のコツを聞いちゃったり(笑)。下川さんの小学校の担任の先生もいらしてたので、こういう天才をどうやって育てたのか、興味深いお話を聞かせてもらうことができました。当時の下川さんは、次から次へと質問が止まらない子供だったそうで、やっぱり子供の「なんで?」には真剣に答えてあげないといけないなと肝に銘じたのでした。
そんな下川さん、お茶目な茂木さんにかなり無茶振りをされて最初は焦っていましたが(笑)、すぐに慣れて子供たちへの質問も素晴らしいのなんの。その模様はYouTubeのアーカイブで見られますので、よろしければ子供たちの感動的なプレゼンテーションと合わせて、チェックしてもらえたらと思います。
下川さんいわく、子どもアイディアコンテストにチャレンジしたことで、人生の目標ができ、いろんな節目でこの経験が役に立っているとのこと。来年はうちの娘も、やる気になってくれたらいいのですが。