まるも亜希子の「寄り道日和」
新しいロードスターは期待以上の気持ちよさ
2024年1月25日 00:00
日本が誇るライトウェイト・オープンスポーツという宝、マツダ・ロードスターがまた1つ、時代の大きな荒波を乗り越えてくれました。
2021年1月に発効された、自動車のサイバーセキュリティ法規「UN-R155」による規制や、2020年9月より順次導入されている車外騒音規制「R51-03」などへの対策が必須となり、4代目のNDロードスターとしては最大の変更を施すことを決断。とくに、電子・電気プラットフォームに関しては全面刷新が必要ということになり、いい機会だからとパワステのフィーリングなどを改良したり、安全装備もさらに進化。アシンメトリックLSDをMTモデルに採用したり、1.5リッターエンジンは出力を3kW向上してレッドゾーンまでずっと続く加速フィールを実現したり。目に見えないところで大きく変わっているというのが新たなロードスターです。
そんなロードスターに、快晴の伊豆で試乗することができ、期待以上の気持ちよさを実感してきました。1.5リッターモデルは、従来からの持ち味である軽やかさはそのままに、ふわふわと浮ついたところのない安心感がアップ。吸い付くようなステアリングフィールと相まって、一体感もさらに高まっていると感じました。これぞ、マツダがいうところの“人馬一体”感ですよね。
RFはATモデルを旧型と比較試乗したのですが、旧型は重厚感が強めで落ち着いた挙動があり、それはそれで上質なドライブフィールとなっているところが魅力的な一方で、ステアリングフィールは少し切り始めなどにナーバスなところがあるように感じましたが、新型はそれがなくなり意のままになることが気持ちよく、上質感は保ったまま軽やかさがほんのりと感じられるようになっていて驚きました。パドルシフトを使って、ヒュンヒュンとコーナーをクリアしていくのがとっても楽しいドライブになりました。
さて、新型ロードスターは、内外装でもちょこちょこと変更点があるんです。が、プレゼンテーションでココがこう変わりましたと聞いてから新旧モデルを見比べても、よぉぉく何回も見てようやく違いがわかるという、自分の洞察力のなさにガックシ(笑)。外観ではヘッドライト、テールランプ、ホイールのデザインが変わってるんですが、皆さん、わかりますか?
インテリアの変更点は比較的わかりやすくて、センターコンソールがレザー張りの上質なものになったことや、8.8インチの大きなセンターディスプレイになったこと、ルームミラーの上部にSOSスイッチが設置されたことなど。でも1つ、どうしても最後まで違いがわからなかったのが、メーターの変更点。新旧モデルで写真まで撮って、何度見比べても「どこがちがうの?」と見つけられなかったのが……。針。ビミョウな違いなんですが、オシャレで見やすくなっているんです。ぜひ皆さんも、見比べてみてくださいね。
でも開発者の方に聞いたら、北米や欧州でテスト走行をしていたときも、誰も新型だとは気が付かなかったらしいです(笑)。唯一、ニュルブルクリンクでテストをしたときに、ちょうどロードスターマニアの方が来ていて気づかれたのだとか。
さりげなく、でも着実に進化し続けているロードスターは、今年で初代誕生から35周年。まだまだ、私たちを楽しませてほしいクルマです。