まるも亜希子の「寄り道日和」

行ってまいりました「東京オートサロン2024」

ホンダブースに展示していただいた、TOKYO NEXT SPEEDのJoy耐参戦マシン、シビックe:HEV。こんなに目立つところにあるとは思っておらず、感激でした。ホンダならではの赤いボディカラーに想いが込められています

 大渋滞に巻き込まれながらも、行ってまいりました「TOKYO AUTO SALON 2024」。コロナ禍を乗り越えて初めての開催ということで、面白そうなモデルが目白押しという事前情報を得ていましたが、いちばんのお目当ては! 会場に入って真っ先に向かったホンダブースにありました。

 はは〜ん、さてはワールドプレミアされた、MT専用車のシビックRSプロトタイプ? と思いましたよね。もちろん、それも気になってはいたのですが、実は。わがチーム「TOKYO NEXT SPEED」のJoy耐参戦車両、ゼッケン29番のシビックe:HEVが、新しいカラーリングとなってオートサロンデビューしたのです! 見てくださった方いらっしゃいますか? しっかりとチームロゴとe:HEVロゴ、ドライバーの石井昌道、橋本洋平、桂伸一のネームステッカーが貼られていて、ピカピカのスポットライトを浴びている姿はまるでわが子の晴れ舞台を見るような気持ちに。ちょっとウルウルきていた私でした。

ワールドプレミアとなったホンダ シビックRSプロトタイプは、ついに登場したガソリン+MT専用車。ベーシックモデルじゃ物足りないけど、TYPE Rじゃ過激すぎるという人にピッタリのスポーティモデルとなりそうで、期待しちゃいますね

 そして今回のJoy耐参戦マシンの見どころは、色なんです。みんなで相談して、こだわったのが赤いボディカラー。というのも、日本メーカーで初めて乗用車に赤を採用したのは、ホンダでした。それまで、赤というのは消防車などの緊急車両にしか使ってはいけないと言われていたのですが、創業者の本田宗一郎は「赤はデザインの基本なんだから、使わせてほしい」と各方面にかけあい、許可を得たのだそう。それがS500とN360に設定された、スカーレットという少し朱色がかった赤い色だったのです。ホンダブース全体のテーマが「Honda DNA」ということで、ホンダが勝ち取った赤というDNAをまとった、想いがこもったマシンに仕上がりました。

 また、Joy耐参戦プロジェクトはホンダのレーシング魂を次世代に受け継ぐことや、若手社員の人材育成の場としても重要な役割を果たしていくことが期待されています。そうした活動は、シビック・TYPE RでS耐に参戦を続けている自己啓発チーム「HRDC」でも成果を上げているんですが、ついに2023年のST2クラスチャンピオンに輝いたんですよね。私たちもぜひ、あやかりたいということで、こうした活動がますます盛り上がることを願っています。

 最初の決戦は、7月6〜7日にモビリティリゾートもてぎで開催される「Enjoy耐久レース」。それまでに、2023年のミニJoy耐で出たトラブルの原因を突き詰めて改良し、ドライバーたちとセッティングなどを煮詰めていくつもりです。私はチーム代表という名の雑用係ですが(笑)、今からワクワクしています。

次世代のクルマ業界を担う若者たちが学ぶ、日本自動車大学校「NATS」のブースは毎年、とっても楽しみにしています。今年もジムニー2台とエスクードを合体させてハマーみたいなカスタムカーを作っちゃったり、ワクワクしっぱなし。中でもこの「幻のちびメリ」は思わず市販してほしいなんて思ったほどでした

 さて、毎年ものすごく楽しみにしているブース、日本自動車大学校(NATS)の皆さんが制作したぶっ飛びカスタムカーは、今年もすごかった! 中でも個人的イチバンは、「幻のちびメリ」というタイトルで、なんとボロボロの状態だったスズキのマイティボーイをベースに、ちっちゃなケンメリを作っているではないですか。制作した生徒さんにお話を聞いたところ、最初の数か月はひたすらボディの錆落としをしたり表面を磨いたりしながら、完成までに約半年かかったのだそう。しかもパーツは本物のケンメリのものを、小さくして使ったというから驚きです。若い発想ってやっぱり、素晴らしいですね。

 そんなわけで、幕張メッセは今年も豊作。しばらくはいろんな人たちと、オートサロンの話で楽しめそうです!

まるも亜希子

まるも亜希子/カーライフ・ジャーナリスト。 映画声優、自動車雑誌編集者を経て、2003年に独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、エコ&安全運転インストラクターなども務める。海外モーターショー、ドライブ取材も多数。2004年、2005年にはサハラ砂漠ラリーに参戦、完走。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。2006年より日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。ジャーナリストで結成したレーシングチーム「TOKYO NEXT SPEED」代表として、耐久レースにも参戦。また、女性視点でクルマを楽しみ、クルマ社会を元気にする「クルマ業界女子部」を吉田由美さんと共同主宰。現在YouTube「クルマ業界女子部チャンネル」でさまざまなカーライフ情報を発信中。過去に乗り継いだ愛車はVWビートル、フィアット・124スパイダー、三菱自動車ギャランVR4、フォード・マスタング、ポルシェ・968、ホンダ・CR-Z、メルセデス・ベンツVクラスなど。現在はMINIクロスオーバー・クーパーSDとスズキ・ジムニー。