まるも亜希子の「寄り道日和」

「Tipo」編集部時代にタイムスリップした話

Tipo35周年記念トークショーとして、当時の誌面ネームで編集部Tこと嶋田智之さん、マタンキ〜こと山田弘樹さん、元ジェイズティーポで現ティーポ編集長のコゾー佐藤こと佐藤考洋さん、ハッシーこと橋本洋平さん、そしてワタクシまるも亜希子が登壇。締め切りに間に合わず、編集部にあったフェラーリF40を嶋田さんが運転し、その助手席で私が赤字校正をしながら凸版印刷に駆け込んだ話など、当時のトンデモないエピソードを披露しちゃいました(笑)

 東北の熱いクルマ好きの皆さん大集合! そんなイベント「BOSCH Car Service Presents スピードフェスティバル2024」が宮城県のスポーツランドSUGOで開催され、ゲストとして参加してきました!

 といっても、このイベントは私の古巣である自動車雑誌「Tipo」の佐藤考洋編集長が実行委員長となって運営しているので、半分は身内のお手伝いのような感じ(笑)。ジェイズティーポ編集部出身の夫・橋本洋平も参加するので、イベントで使うGT-Rを現地まで運ぶ大役まで仰せつかり、「変わらないなぁ」とのっけから編集部時代にタイムスリップしちゃいました。

 このイベントの前身ともいえる「Tipoオーバーヒートミーティング」が岡山国際サーキットでスタートしたのが、ちょうど私が編集部にいたころ。編集部が東京・用賀にあり、あまり西日本の読者の皆さんとお会いできる機会がないということで、「じゃあ俺たちが向こうに乗り込んでこうぜ!」みたいな勢いだけでスタートし、なにせ予算なんかちょっとしかないわけです。

 なので、編集部員はもちろんのこと、カメラマンさんやフリーのライターさん、営業部の人たちまで借りだして、みんなそれぞれイベントで使う試乗車や展示車を運転して、自走で岡山まで行くのが当たり前でした。せっかくならその道中も記事にしちゃおうと、あっちこっち寄り道しながら向かったので、いつも20時間くらいはかかって到着してましたね〜。ま、みんな若かったし、それも楽しかったんですけどね。

 で、今回はそんな「Tipo」が創刊35周年ということで、OBによる記念トークショーをやることになり、そのメンバーとして参加させてもらいました。私がいたころにちょうど創刊10周年のイベントをやった記憶があるので、あれから25年も経ったんですか! なんか……いろいろショックです(笑)。

 でもみんなが顔を合わせると、途端に当時の雰囲気が復活するものなんですよね。もちろん、現在の「Tipo」に残っているのはナカジーこと中島秀之さんだけで、佐藤編集長もジェイズティーポ出身。スタッフは新しい人ばかりで私は普段あまりお会いする機会がないのですが、それでもなんとなく通じ合うものがあるというのは、やっぱりクルマが好きという気持ちがベースにあるからなのかな〜と、あらためて実感したのでした。

橋本が担当したのがケーターハム・セブンの助手席に参加者を乗せて、ジムカーナでぶん回すという楽しいコンテンツ。スズキの軽エンジンでここまで速く、楽しいクルマを作っちゃうところがスゴイ! 同乗した人はみんな笑顔になって、「欲しいな〜」と本気で検討する人も続出でした

 私はトークショー以外、決まった役割はなかったものの、染みついた習慣って怖いですよね。気がつけば橋本が担当するケーターハム・セブンのジムカーナ同乗体験のスタッフとして働き、サーキットタクシーの時間になったらついつい参加者の皆さんのアテンドをしているという(笑)。でも、こういう手作り感のあるイベントが好きだし、少しでも参加者の皆さんに楽しんでほしいし、せっかくならたくさんの思い出を作って帰ってもらいたいと、いい汗かいた1日でした。

 そして夕方。オーバーヒートミーティングのころから、イベントのフィナーレは参加者全員の愛車と主催者が用意した試乗車や展示車がすべてサーキットのコースに出て、連なってゆっくりと走るパレードランが恒例。家族や恋人、友人知人もみんな乗ってもらって、前も後ろもクルマだらけの壮大な光景を楽しんでもらいます。これ、けっこう感動的なんですよね。

 まず1周走ったら、メインストレート上に3列で並んで記念撮影。そしてもう1周走ったら、そのまま出口からそれぞれの帰路につくという流れになっています。私も最前列で斎藤慎輔さんと一緒にルノー・メガーヌR.S.でパレードランに参加しましたが、窓を開けて振り向くとずら〜っと長い長い列が続いていて、すごくいい眺めでした。「35年ずっと読み続けています」というありがたい方、「50周年目指して頑張ってください」とエールを送ってくれる方。たくさんの方々とお会いしてお話ができて、ほんとに楽しかったです!

夕暮れ迫るなか、イベントのフィナーレは参加者全員でのパレードラン。これはTipoのサーキットイベントで長年恒例となっていて、何度体験しても感動的です。ちゃんとプロカメラマンが撮った壮観な写真は、次号のTipoをお楽しみに
まるも亜希子

まるも亜希子/カーライフ・ジャーナリスト。 映画声優、自動車雑誌編集者を経て、2003年に独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、エコ&安全運転インストラクターなども務める。海外モーターショー、ドライブ取材も多数。2004年、2005年にはサハラ砂漠ラリーに参戦、完走。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。2006年より日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。ジャーナリストで結成したレーシングチーム「TOKYO NEXT SPEED」代表として、耐久レースにも参戦。また、女性視点でクルマを楽しみ、クルマ社会を元気にする「クルマ業界女子部」を吉田由美さんと共同主宰。現在YouTube「クルマ業界女子部チャンネル」でさまざまなカーライフ情報を発信中。過去に乗り継いだ愛車はVWビートル、フィアット・124スパイダー、三菱自動車ギャランVR4、フォード・マスタング、ポルシェ・968、ホンダ・CR-Z、メルセデス・ベンツVクラスなど。現在はMINIクロスオーバー・クーパーSDとスズキ・ジムニー。