まるも亜希子の「寄り道日和」

子供たちがクルマを描いた「絵画コンクール」に参加してきました

小学生を対象に自由なクルマの絵を描いてもらった「第1回 自販連 絵画コンクール」で見事、受賞された皆さんと表彰式で記念撮影。表彰状と副賞が授与され、とてもうれしそうな皆さんでした

 未来のモビリティ産業を担う若者世代にクルマへの興味や関心を持ってもらい、クルマファンを拡大することを目的として、全国の小学生を対象に初めて開催された日本自動車販売協会連合会主催の「第1回 自販連 絵画コンクール」。光栄なことに、私は審査委員として参加させていただきました。

 公募する作品のテーマは、「こんなくるまと暮らしたい」「あなたが欲しいくるま」「あなたがつくってみたいくるま」の3つ。どれくらい集まるかなぁと少し心配していましたが、共催の日刊自動車新聞社や後援の日本自動車連盟のサポートもあり、2024年11月1日〜2025年1月15日の公募期間に337作品もの応募がありました。

全国から337作品の応募があり、2月12日に審査会が開催されました。1つ1つじっくりと拝見し、作品に込めた想いを読ませていただいて、悩みに悩みながら投票してきました

 そしてまずは、2月12日に審査会を開催。審査会場に入ったとたん、ズラリ並んだ作品たちのあまりのレベルの高さ、ユニークさ、込められた想いに圧倒され、「これは選ぶのが難しそう!」と予感したほど。その予感は当たり、審査委員として参加されたデザインのプロである学校法人 杉野学園ドレスメーカー学院の木村千晶教授をはじめ、タカラトミーの芹沢浩さん、松野仁美さん、日刊自動車新聞社の花井真紀子社長、さらに主催である自販連の加藤敏彦会長、橋本覚副会長、小糸正樹副会長とともに、あれこれと悩みに悩みながら投票を行いました。実際、票が割れたところもあって、再投票でようやく決まった部門もあった激戦の審査会となりました。

 そんな中から最優秀賞、優秀賞、日刊自動車新聞社賞、佳作が1・2年生の部、3・4年生の部、5・6年生の部からそれぞれ決定! 3月29日に東京プリンスホテルという素晴らしい場所で、栄えある表彰式が開催されました。保護者の皆さんとともに全国から参加した受賞者の皆さんは、最初はちょっと緊張している表情でしたが、名前を呼ばれてステージに登壇し、表彰状と副賞を授与されると瞳をキラキラさせて、とてもうれしそうな様子。マイクを向けられると「まさか選ばれるとは思っていなかったけど、うれしいです」などと率直な気持ちを語っていて、こちらまでジーンときてしまいました。

 記念撮影まで終わると、受賞者とそのご家族の皆さんにケーキやフルーツなどが振る舞われ、懇親の時間に。私はここぞとばかりにいろんなテーブルを回って、どうやって絵のアイデアを思いついたのか、何日くらいかけて完成したのか、とくに大変だったところは? などなどたくさんお話を聞かせてもらいました。普段からいろんな絵を描いているというお子さんが多いんですが、ちゃんとした絵を描くのは今回が初めて、というお子さんもいてビックリ。このコンクールによって才能が開花したらうれしいですよね。

 中には「副賞のPlayStationが欲しかったから頑張った」という大変正直なお子さんもいましたが(笑)、皆さん楽しみながら作品を描いた様子が伝わってきました。やっぱり、親が無理にやらせるのではなく、お子さんが自発的に「描いてみたい」と言って取り組んだご家庭が多かったですね。私も小学生の母として、保護者の皆さまから勉強になるお話をお聞きできて、とても有意義な時間となりました。

 そして、うれしい再会もあったんです。5・6年生の最優秀賞に輝いた永井秀弥さんはなんと! 長年審査員を務めさせていただいているホンダの「子どもアイディアコンテスト」でも最終審査会に出場していて、お母さまが私に気づいて声をかけてくださいました。永井さんは普段からすごくアイデアマンだそうで、失敗してもそれをバネに立ち向かうメンタルの強さにも感心。将来の夢がちゃんとあって、とても楽しみになりました。

最優秀賞5・6年生の部を受賞された、永井秀弥さんの作品「自給自足カー」。ゴミを回収しながら分解してエネルギーを作り、光合成のエネルギーや水で魚や植物を育て、災害時にも安心だというこの発想がすごい! 細かなところまで丁寧に描かれています

 こうして表彰式は和やかな雰囲気で無事終了。子供たちが描くたくさんのクルマたちには、夢や希望が詰まっているだけでなく、地球環境や紛争、ウイルス、災害など社会に山積するさまざまな問題への懸念と平和を願う気持ちがあふれていました。今回の受賞作品は自販連の公式サイトでご覧いただけるほか、4月30日まで日本自動車会館の1階ホールに展示されていますので、ぜひ足を運んでいただけたらうれしいです。

緊張感のあった表彰式から、懇親の時間になるとお子さんたちも本来の無邪気な様子に戻って、いろんなお話を聞かせてくれました
まるも亜希子

まるも亜希子/カーライフ・ジャーナリスト。 映画声優、自動車雑誌編集者を経て、2003年に独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、エコ&安全運転インストラクターなども務める。海外モーターショー、ドライブ取材も多数。2004年、2005年にはサハラ砂漠ラリーに参戦、完走。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。2006年より日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。ジャーナリストで結成したレーシングチーム「TOKYO NEXT SPEED」代表として、耐久レースにも参戦。また、女性視点でクルマを楽しみ、クルマ社会を元気にする「クルマ業界女子部」を吉田由美さんと共同主宰。現在YouTube「クルマ業界女子部チャンネル」でさまざまなカーライフ情報を発信中。過去に乗り継いだ愛車はVWビートル、フィアット・124スパイダー、三菱自動車ギャランVR4、フォード・マスタング、ポルシェ・968、ホンダ・CR-Z、メルセデス・ベンツVクラス、スズキ・ジムニーなど。現在はMINIクロスオーバー・クーパーSD。