まるも亜希子の「寄り道日和」

富士スピードウェイで開催された「モーターファンフェスタ2025」へ行ってきました

富士スピードウェイで開催された「モーターファンフェスタ2025」はおおにぎわい。Aパドックのホンダアクセスブースにて、1日4回のトークステージに出演してきました。4回目はいつもと趣向を変え、土屋圭市さんの愛車であるシビックTYPE Rのまわりでトークショー。土屋さんこだわりのカスタムをご紹介しました

 F1マシンからドリフトマシン、四駆からクラシックカー、電気自動車まで! 今の日本で見られる貴重かつ面白いクルマたちが勢ぞろいしたような、「モーターファンフェスタ2025」へ行ってきました。来場者が続々と詰めかけて、会場となった富士スピードウェイの周辺は朝から大渋滞。私も東ゲートから入ってAパドックへ到着するまでに40分もかかったんですよ〜。すごいですよね。

 自動車メーカー、インポーター、タイヤやパーツメーカー、チューニングショップなどもブースを出展したり特別展示を行なっていたりして、私はその中の1つ、ホンダアクセスのブースで「実効空力&剛性バランス最適化アルミホイール」の展示&トークステージに出演させていただきました。ゲストはModulo開発アドバイザーの土屋圭市さん、ホンダアクセスで長年Moduloの開発に携わってきた湯沢峰司さん、福田正剛さん。なんと1日4回、すべて内容が異なるトークステージで、来場者の皆さんと楽しい時間を過ごしました。

 1回目のトークテーマは、ホンダアクセスが手掛けるModuloブランドの代名詞とも言える技術、「実効空力」について3人にお話を聞きました。私はもう何度もこの実効空力を思いついたきっかけや、開発スタート当初の話、開発を進める中での苦労したエピソードをMCとして聞いているんですが、それでもまた今回、「ヘェ〜〜」っと驚くお話が出てくるところが面白いんですよね。

 実効空力というのは自転車で走るくらいの速度でも体感できる空力効果のことなんですが、レース業界に生きる土屋さんにとって最初は「この人たち、何言ってんだ? そんな速度で空力が分かるわけないだろう」と思いっきり疑ってかかった、という話はもうテッパン。そこからテスト、テスト、またテストで、前日に「これはダメだね」となったアイディアを翌日に福田さんが「もう1回やってみよう」って言うとか、「こんなにテストやってる会社ないよ」と土屋さんが太鼓判(?)を押すところも、私が大好きなお話です。まだ聞いたことがない皆さんはぜひ、次のイベントに集まっていただけたらうれしいです。

 そして2回目のトークテーマは「剛性バランス最適化アルミホイール」だったんですが、これもまた面白いエピソードが満載。ホイールといえば剛性が命! みたいなイメージを私も持っていたんですが、そこに「ホイールはサスペンションの一部と捉え、しならせて剛性バランスを最適化する」という思想を提起したのが湯沢さんなんです。これにも最初は疑ってかかっていた土屋さん。でもテストコースにたくさんのアルミホイールを持ち込んで走り込んでいくうちに、「ちょっと待って、さっきのホイールに戻してくれる?」なんて始まり、どんどんのめり込んでいったところから開発が本格化していったのだそう。

 その結果として発売されたのが、ヴェゼル用のMS-050というModuloのアルミホイール。今回も、ホイール以外は完全に仕様を同じとした2台のヴェゼルで純正ホイールとの乗り比べ試乗を行ない、体験した皆さんは実際にいろんな違いを感じてもらえたと思います。またこの日、「MS-050を愛車のシビックTYPE Rユーロに履かせました!」という方がブースに来てくださって、福田さんと熱心に意見交換をしていたのが印象的でした。湯沢さんもいろんな来場者の方に話を聞いていて、毎回こういうイベントでエンジニアの方が、積極的にユーザーの意見や要望を聞いてまわるところもホンダアクセスの魅力につながっていると感じます。

 3回目のステージは「目指せ、ホンダアクセス博士!」的な感じで(笑)、クイズ大会を行ないました。2択の問題で、全問正解した方の中からジャンケンで土屋さんから素敵なプレゼントが贈呈されるので、子供から大人までたくさんの方が参加してくださって大盛り上がり。最後の2問くらいですっごく難しくなるんですが、なんと10名くらいの方が全問正解! そんなにたくさん残るとは思っておらず、急遽、土屋さんが非売品の「職人Tシャツ」をプレゼントとして用意してくださって助かりました。

 そして最後の4回目はステージを降りて、ブースに展示車として置いてあったFL5のシビックTYPE Rのまわりで、土屋さんと私でお届けするトークショー。というのもそのTYPE Rは土屋さんのリアル愛車だったんです。きっと、ファンの皆さんは土屋さんがどんなカスタムをしているのか知りたいだろうということで、この企画を入れてくださいました。Moduloのリアウイング以外にほかのメーカーのアイテムもたくさん装着されているのに、「全部紹介していただいていいですよ〜」と太っ腹なホンダアクセス。これまで純正アイテムにはあまり興味がなかったという人も、これをきっかけに知っていただけたらいいなと思いました。

駐車場ではいろんなオーナーズミーティングが行なわれていて、BYDやスイフトがずらり大集合した光景は圧巻でした

 さて、モーターファンフェスタ2025は盛りだくさんのコンテンツがあって、トークステージの合間にあちこち見て回ったんですが、とても全部は回りきれず。でも、BYD初の日本でのオーナーズミーティングや、スズキのスイフト、ルノー&アルピーヌのオーナーズミーティング会場は圧巻でしたね。歴代プレリュードが大集合していたホンダブースでは、みんなで「思い出深いプレリュードはどれか?」なんて話で盛り上がったりして。そして本コースでは、2025シーズン開幕直前のD1グランプリエキシビションマッチに釘付け! ど迫力の走りを見ることができて大満足。普段はなかなか見られないクルマにも親しめた楽しい1日でした。

こちらはルノーのオーナーズミーティング。ルノー・スポールカップ/アルピーヌカップに出場するオーナーさんもいて、勇ましい走りを見せてくれていました
ホンダブースでは歴代プレリュードが勢ぞろい。私はこの業界に入ったときに5代目モデルが出たんですが、運転したことがないので乗ってみたいです
まるも亜希子

まるも亜希子/カーライフ・ジャーナリスト。 映画声優、自動車雑誌編集者を経て、2003年に独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、エコ&安全運転インストラクターなども務める。海外モーターショー、ドライブ取材も多数。2004年、2005年にはサハラ砂漠ラリーに参戦、完走。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。2006年より日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。ジャーナリストで結成したレーシングチーム「TOKYO NEXT SPEED」代表として、耐久レースにも参戦。また、女性視点でクルマを楽しみ、クルマ社会を元気にする「クルマ業界女子部」を吉田由美さんと共同主宰。現在YouTube「クルマ業界女子部チャンネル」でさまざまなカーライフ情報を発信中。過去に乗り継いだ愛車はVWビートル、フィアット・124スパイダー、三菱自動車ギャランVR4、フォード・マスタング、ポルシェ・968、ホンダ・CR-Z、メルセデス・ベンツVクラス、スズキ・ジムニーなど。現在はMINIクロスオーバー・クーパーSD。