まるも亜希子の「寄り道日和」

交通安全ユニットOKISHUとして「子どもの交通安全講話」にチャレンジしてきました

「子どもの交通安全講話」は2回とも50名を超える皆さんにご参加いただき、大盛況。子どもに大人気のうんこドリル(自転車編)からクイズを出したり、楽しく学べる内容になったと思います

 学生だけでなく、地域の人たちが自由に訪れて思い思いの時間を過ごせるようにと、誰にでも開かれた場所としてオープンしてから10周年を迎えた、大阪の立命館大学いばらきキャンパス。年に一度のお祭り「いばらき×立命館DAY」は、そんな場所であることを証明するように多くの人で賑わうのですが、2025年はなんと、3万人もの来場者を記録! 私は昨年に続き、吉田由美さんとの交通安全応援ユニット「OKISHU(オキシュー)」として、アイシン×立命館大学共同研究イベントのブースに参加させていただきました。

 ブースのタイトルは「Futurize Mobility:社会課題を起点に、未来のモビリティ社会を共創する」となっていて、世界的なサプライヤーメーカーであるアイシン、立命館大学デザイン科学研究所、京都トヨタ自動車・GRガレージ京都伏見さんらのお仲間に入れていただき、交通事故のない社会を目指して、大人も子どもも楽しく交通安全が身に付くようなコンテンツを提供してきました。

アイシン×立命館大学共同研究イベントブースにて、GRガレージ京都伏見とOKISHU(オキシュー)のコラボで「子どもの交通安全講話」を行ないました。左からGRコンサルタントの「しんちゃん」、吉田由美さん、私・まるも亜希子の3人で、初めてとは思えない息のあった(?)進行でした

 今回は初の試みとして、GRガレージ京都伏見とのコラボで「子どもの交通安全講話」にチャレンジ。というのも、GRガレージ京都伏見はGR86やGRヤリス、ラリージャパンのオフィシャルカーを務めるランクルといったスポーツモデルを販売するだけでなく、モータースポーツを通じてクルマファンを増やすための活動をすごく活発にされています。で、私は自分がモータースポーツにまったく興味のなかったところからその世界に入り、痛感したことが「スポーツ走行を学ぶことは、安全運転にもつながる」ということでした。

 世間一般的には、ただ速く走るだけがレースやスポーツ走行だと思われているところがあるけれど、自分がやってみるといかに丁寧に無駄なく、周囲に気を配り、的確な判断で対処しなければ速く走ることができないかが身にしみて分かるわけです。

 なので、GRガレージ京都伏見の活動は交通安全にもつながる素晴らしい活動だと思い、今回はGRコンサルタントの「しんちゃん」こと新開友紀子さんと一緒に、OKISHUとしての新たなコンテンツを展開させてもらえたと思っています。具体的には、GR86のようなスポーツカー、ランクルのようなSUV、ヤリスのようなコンパクトカーでは、どんなところが交通安全という視点で弱点になっているのか。例えばSUVは遠くが見通しやすいけれど、フロントフェンダーの直近といった真下はドライバーから見えにくいところだから、子どもたちには「近づかないで離れようね。ドライバーから自分のことが見えているかどうか、確認しようね」とお話をしました。

 午前と午後の2回とも、大勢の子どもたちとご家族に聞いていただけて、嬉しい限り。みんなが「うん、うん」とうなづいたりしている顔を見て、嬉しい手応えを感じたのでした。そしてブース全体の企画としてクイズラリーがあり、そのうちの1問にはOKISHUとして初めて作成したオリジナル交通安全ブック「くるくる交通安全大作戦」からもクイズを出題。こちらは参加賞として回答用紙やボールペンなどと一緒に手渡した「アイシン×立命館オリジナルバッグ」650個が、わずか1時間で配布終了と大人気。GRガレージ京都伏見やアイシンのコーナー、子どもの性被害を防止するための取り組みからもクイズが出されていて、参加者はいろんなことを楽しみながら学んでもらえたんじゃないかなと思います。

SNSに起因する子どもの性被害を予防するために、学生たちの研究とアイシンの協力で誕生したカルタ「性被害やっつけたるわファミかるた(SNS編)」でのかるた大会は大盛り上がり! さすが、2024年度のグッドデザイン賞受賞作品です

 そしてブースのメインコンテンツは、「鈴木こども博士と助手・山田のカルタ大会」。鈴木こども博士は今回初登場なんですが、実は昨年までアイシンの副社長をされていた鈴木研司さん(現・シニアエグゼクティブアドバイザー)で、白衣ともじゃもじゃ頭がとってもキュート(笑)。アイシンと立命館大学デザイン科学研究所の共同プロジェクトで完成した、SNSに起因する子どもの性被害を予防するための「性被害やっつけたるわファミかるた(SNS編)」を使って、各回15名の子どもたちの白熱したかるた大会が3回も繰り広げられました。鈴木こども博士は「まずは子どもたちが元気に楽しんでくれることがいちばん。家庭ではなかなか話題にしづらいことをかるたにすることで、お家に帰ってからのコミュニケーションの助けになったらいいですね」と、この活動の大切さを話してくださいました。

 子どもの性被害に関するユニセフの世界推計によれば、18歳未満の女性または女の子の8人に1人にあたる、3億7000万人が被害者であることが分かったといいます。これにオンラインや言葉による虐待といった「非接触型」の性暴力を含めると、なんと被害者は6億5000万人、つまり5人に1人という結果に……。私も娘を持つ親として、これは見過ごすわけにはいかないという危機感を持ち、少しでも力になれたらと思っています。

 ブースに集まってくれた多くの皆さまには、性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター「#8891」(はやくワンストップ)があることをお伝えし、予防と救済の両面からアピールできたのではと思っています。

 1日の最後には恒例のビンゴ大会も行ない、80枚のビンゴカードはわずか8分で配布終了する人気ぶり。マグカップや高級お菓子のゴーフレット、タオルハンカチといった立命館グッズと立命館研究部の冊子「RADIANT」、お菓子詰め合わせの景品をかけて、大盛り上がりのフィナーレとなりました。

 次世代モビリティ社会の実現には、革新的な華のある技術も必要ですが、こうした草の根活動的な、地道だけれど人と直接触れ合いながら行なう活動もきっと欠かすことができないのではないかと信じて、これからもコツコツやっていきたいと思います。

ブース内の各コーナーに設置されたクイズをめぐり、全問正解するとプレゼントがもらえるクイズラリーも大人気でした
アイシンのブースでは、クルマのどこにどんな先進技術が搭載されているのか、スケルトンで分かりやすい模型がデーンと。熱心に質問する小学生もいました
まるも亜希子

まるも亜希子/カーライフ・ジャーナリスト。 映画声優、自動車雑誌編集者を経て、2003年に独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、エコ&安全運転インストラクターなども務める。海外モーターショー、ドライブ取材も多数。2004年、2005年にはサハラ砂漠ラリーに参戦、完走。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。2006年より日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。ジャーナリストで結成したレーシングチーム「TOKYO NEXT SPEED」代表として、耐久レースにも参戦。また、女性視点でクルマを楽しみ、クルマ社会を元気にする「クルマ業界女子部」を吉田由美さんと共同主宰。現在YouTube「クルマ業界女子部チャンネル」でさまざまなカーライフ情報を発信中。過去に乗り継いだ愛車はVWビートル、フィアット・124スパイダー、三菱自動車ギャランVR4、フォード・マスタング、ポルシェ・968、ホンダ・CR-Z、メルセデス・ベンツVクラス、スズキ・ジムニーなど。現在はMINIクロスオーバー・クーパーSD。