まるも亜希子の「寄り道日和」

映画『F1/エフワン』日本公開初日に観てきました

それまでの秋開催から春開催に変更された鈴鹿グランプリ当日に、この映画の撮影が入ることがアナウンスされていました。私はここから観戦していたのですが、思えば今では見られなくなってしまったピットの並びでしたね

 F1鈴鹿グランプリの開催が秋から春に変更された、2024年4月。幸運にも予選から観戦することができ、グランドスタンドで興奮に包まれている最中に、突如「映画の撮影をするからウェーブで盛り上がってほしい」という旨の場内アナウンスが流れたんです。聞けば、ブラッド・ピットがプロデュースする、F1をテーマにした映画の制作がスタートしているというではないですか。「えっ、私たち、ハリウッド映画に出ちゃう?」などと場内はざわつき、力いっぱい旗を振って目立とうとしたことを思い出します(笑)。

 あれから約1年2カ月の時を経て、ついに! 映画『F1/エフワン』が日本公開! ということで待ちに待った初日に夫とふたり、映画館へと駆けつけてしまいました。ロケ帰りだったので時間が合うのが吹き替え版の4DXのみ。鑑賞してみると、思った以上に4DXの動きが激しくて、シートからずり落ちないようにするのに必死だったので、いつも海外作品はなんでも字幕版で観る派なんですが、結果的には吹き替えでよかったかもです(笑)。吹き替えの声優さんたちもすごくイメージ通りの素敵な声で、これなら小学生の娘も一緒に観られると思います。

ついに公開された映画『F1/エフワン』は、想像以上のリアルさで嬉しくなりました。ベテランvs若手ドライバーであるこのふたりのやりとりが変化していく様子も見どころのひとつ © 2025 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED.

 あらすじをご存知ない方のためにさわりだけご紹介すると、若かりし頃に天才ドライバーとしてF1に彗星のごとく現れ、チャンピオン獲得か! というところで大事故によって姿を消した、ブラッド・ピット演じるソニー・ヘイズが、ひょんなきっかけで約30年ぶりにF1に復帰するところから物語ははじまります。しかし所属先は、存続の危機に見舞われている最弱チーム。果たしてソニーはどう戦う? チームはどうなる? 地上版「トップガン」の結末はいかに!

まるで自分がドライバーとして走っているかのような視点のシーンも多く、心臓バクバクでした © 2025 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED.

 というところなんですが、戦いの中にかつての盟友との信頼関係や若手ドライバーとの対立、年齢を重ねたからこその苦悩、決意、葛藤……。さまざまな想いが渦巻き、ジーンときてしまいました。しかも、実際のF1グランプリのレースウィークに撮影が行われており、パドックにはこの劇中のチームのピットまでしっかり設置されていたという、リアルさ。製作にルイス・ハミルトンが加わっているし、F1ファンなら誰でも知っている人物がたっくさん登場するので、どこで出てきてどんなセリフを言うのか、そこも楽しみのひとつになっていると思います。個人的にはメルセデスのトトがカッコよかった〜(笑)。

 また、女性エンジニアやメカニックの苦労や活躍がしっかり描かれているのもよかったです。海外作品は字幕版で観る派としては、もう1回、今度はシートの動かない字幕版でしっかり鑑賞したいと思っています。

まるも亜希子

まるも亜希子/カーライフ・ジャーナリスト。 映画声優、自動車雑誌編集者を経て、2003年に独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、エコ&安全運転インストラクターなども務める。海外モーターショー、ドライブ取材も多数。2004年、2005年にはサハラ砂漠ラリーに参戦、完走。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。2006年より日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。ジャーナリストで結成したレーシングチーム「TOKYO NEXT SPEED」代表として、耐久レースにも参戦。また、女性視点でクルマを楽しみ、クルマ社会を元気にする「クルマ業界女子部」を吉田由美さんと共同主宰。現在YouTube「クルマ業界女子部チャンネル」でさまざまなカーライフ情報を発信中。過去に乗り継いだ愛車はVWビートル、フィアット・124スパイダー、三菱自動車ギャランVR4、フォード・マスタング、ポルシェ・968、ホンダ・CR-Z、メルセデス・ベンツVクラス、スズキ・ジムニーなど。現在はMINIクロスオーバー・クーパーSD。