東京オートサロン2013
ケンウッド、7V型静電タッチパネル搭載の新「彩速ナビ」発表
フリック、ピンチ、ドラッグ、マルチタッチ操作が可能
(2013/1/12 00:04)
毎年、1月に新製品を発表するJVCケンウッド。今年は「東京オートサロン 2013 with NAPAC」会場において、3世代目となる「彩速ナビ」およびカーオーディオ2013年モデル、スピーカーシステムの発表会を行った。
新彩速ナビは地デジチューナーをはじめCD/DVD/USB/SD、さらにBluetoothにも対応したタイプZ(MDV-Z700)、基本機能は同等ながらCD/DVD再生機能を持たないタイプR(MDV-R700)、唯一非光沢パネルを採用しBluetoothは未搭載となるタイプX(MDV-X500)の3モデル。価格はすべてオープンプライスだが、順に13万円前後、12万円前後、11万円前後を想定している。発売は2月上旬を予定。
冒頭で挨拶した阿部氏は同社が新中期計画において「ReDesign」をビジョンとして掲げたことを紹介し、スマートAV分野およびスマートセーフティ分野を中心に使い心地、デザイン、機能、性能のそれぞれで、感動と安心を提供する優れた商品とサービスを提供、新しい付加価値を創出していくと語った。
ナビゲーションにおいては市販市場がハードディスクナビからメモリーナビに移行している中で、いち早く2010年からメモリーナビに特化した商品構成に変更。2011年から発売を開始した「彩速ナビ」シリーズの好評を受け2012年にはシェア15%を獲得、さらに今年は今回発表する新製品でシェア20%以上を目指したいと、その意気込みを口にした。
その後、製品設計を担当する徳江氏が登壇。新モデルを開発するにあたり日本は世界最大のカーナビマーケットであるものの、基本機能はこの15年ほどあまり大きな成長をしていない。そこで同社のビジョンでもある「ReDesign」つまり再設計が必要になった、と語った。
新モデルではナビゲーションのあるべき姿とあるべき使い方を追求し、ハードウエアはもちろんソフトウエアもOSから一新。静電タッチパネルの採用やデュアルコアCPUを採用した「ジェットレスポンスエンジンIII」を搭載することで、スマートフォン感覚でスムーズに操作することが可能になったという。
操作面においても画面下のハードキーは従来モデルのようなナビ、AVボタンではなく「HOME」ボタンを中心に据え、ホーム画面からナビやAV系に移行するUI(ユーザーインターフェース)に変更。ただ、そのままではボタンを配置するスペースが足りなくなってしまうため、若いエンジニアの発想を活かしたという「引き出し」式のメニューを採用した。これは液晶の額縁部分に触れ、画面中心に向かってドラッグすることで地図やメニューの表示を引き出すというもの。これらの開発にあたっては常にスマートフォンをかたわらに用意し、それを超える操作性を常に意識していたそうだ。
また、スマートフォン連携も強化された。専用アプリ「KENWOOD Drive Info.」をスマホにインストールしナビと接続することで、「全道路対応スマートループ情報」を取得できるほか、ガソリンスタンド価格、駐車場満空などの情報が取得可能となった。従来どおり「NaviCon」にも対応しており、家庭で目的地を探してクルマに乗ってデータ転送と、便利に使っていただけると思うと語った。
最後に「カーナビゲーションのジャンルはまだ日本のメーカーが独占している残された市場。ただ、残念ながら10年ほど同じものを作り続けてしまった。現在、生産は海外で行っているが、このままではすべて開発まで持って行かれてしまう。生き残りをかけて“ReDesign”したのが今回のモデル。カーナビを初めて触った時のようなワクワクした感じを、お客様にもう1回味わってほしいという設計者の思いで第3世代の彩速ナビを提案したい」と締めくくった。