東京モーターショー2015

横浜ゴム、2016年からスーパーフォーミュラへ「ADVAN」レーシングタイヤをワンメイク供給

英「チェルシーFC」とのパートナーシップを記念した「BluEarth-A CHELSEA FC EDITION」公開

2015年10月29日発表

 横浜ゴムは10月29日、東京モーターショーのプレスカンファレンスで、2016年からスーパーフォーミュラへ「ADVAN」レーシングタイヤのワンメイク供給を開始すると発表。また、今シーズンからユニフォームスポンサーとなっている英サッカークラブ「チェルシーFC」とのパートナーシップを記念したタイヤ「BluEarth-A CHELSEA FC EDITION」の発表を行なった。

 プレスカンファレンスでスピーチした横浜ゴム代表取締役社長の野地彦旬氏は、「横浜ゴムのブースは『パワフルに挑む』をキーワードに2つの発表を行ないたい思います」と切り出した。

チェルシーFCのロゴ入り「BluEarth-A」を限定発売

プレスカンファレンスでスピーチを行なった横浜ゴムの野地彦旬社長

 まず、1つめがチェルシーFCとのパートナーシップについて。野地氏は「7月にYOKOHAMAのロゴが入った今シーズンのユニフォームを披露しました。8月からはイングランドプレミアリーグのシーズンが始まり、国内では東京モーターショーが、発表後の初めてのビッグイベントになります。我々は、2006年度からスタートしているGD100(グランドデザイン100)という中期経営計画の中で、グローバルに認知度と売り上げ、シェアを拡大していくと謳っています。チェルシーFCとのパートナーシップによって、これまでのクルマファン以外にもヨコハマタイヤを知ってもらい、GD100のビジョンを実現しようと思います」と語り、チェルシーFCとの契約は、さらなるグローバル展開の切っ掛けと考えているようだ。

 そのパートナーシップを記念して初公開されたのが「BluEarth-A CHELSEA FC EDITION」となる。タイヤサイズは225/45 R17 94W、205/55 R16 91V、195/65 R15 91Hの3サイズを用意。10月29日より日本や欧州、アジア、南米などで順次限定販売し、日本では10月29日~11月30日の期間限定で注文を受け付ける。

 この記念モデルについて、野地氏は「ご覧のようにチェルシーのロゴがタイヤサイドに入っています。世界に5億900万人いるチェルシーFCファンに対して、サポーターの仲間入りをしたという気持ちで作ったモデルです。多くのお客様にヨコハマタイヤの性能を実感してもらいたので、国内はもちろんファンの多い海外でも期間限定で発売します」と話して、パートナーシップ記念モデルの説明を行なった。

 ゲストとして招かれたチェルシーFCのマネージングディレクターを務めるクリスチャン・パースロー氏は、横浜ゴムとのパートナーシップについて「多くの人が横浜ゴムとの契約について訪ねてきますが、簡単な決定でした。チェルシーFCは2005年から10年の間、サムソンとパートナーシップを結んでいました。契約した当時は、素晴らしい技術を持っていましたがグローバル企業ではありませんでした。しかし、10年で見事にグローバル展開し、大きな企業に成長しました。同様のことが、横浜ゴムにも言えます。素晴らしい商品や技術を持っている企業のグローバル展開の手助けができるのは嬉しいことです。また日本は、チェルシーFCにとっても重要なマーケットなので、非常によいパートナーシップだと思っています」と、昨年まで契約していてサムソンを例にして横浜ゴムとのパートナーシップについて語った。

チェルシーFCのマネージングディレクターを務めるクリスチャン・パースロー氏(写真:右)
チェルシーFCとのパートナーシップを記念した限定発売される「BluEarth-A CHELSEA FC EDITION」
タイヤサイズは225/45 R17 94W、205/55 R16 91V、195/65 R15 91Hの3サイズ。10月29日より日本や欧州、アジア、南米などで順次限定販売。日本では10月29日~11月30日の期間限定で注文を受け付ける
タイヤのサイドウォールにはチェルシーのロゴが入る

 続くふたつ目は、噂されていたスーパーフォーミュラへのタイヤ供給になる。

スーパーフォーミュラを運営する日本レースプロモーションの中嶋悟氏は「ヨコハマファンとともにスーパーフォーミュラが益々盛んになり、見て喜んでもらえるレースを行ないたい」と語っていた

 野地氏は、「モータースポーツは極限域で技術を向上させられる重要な活動です。スーパーフォーミュラは、国内で参加できるトップフォーミュラであり、アジア最高峰のレースです。鈴鹿サーキットでの計測では、コーナリングスピードがF1を越える場合もあり、タイヤへの性能要求は非常に高いです。走りの性能はもちろん、省燃費、安全性、運動性能などここで培った技術を市販タイヤにも活かます。またトップフォーミュラにタイヤを供給することにより、今後どのようなカテゴリーにも対応できる技術力が手に入ると考えています」とコメントした。

プレスカンファレンスでは、ADVANカラーに塗られたスーパーフォーミュラに車両が公開された
スーパーフォーミュラに供給するモデルは、フロントが250/620 R13、リアが360/620 R13となる

 このように横浜ゴムのプレスカンファレンスは、グローバル展開の手がかりとなるチェルシーFCとのパートナーシップと、日本最高峰のモータースポーツへのタイヤ供給という重要な報告を行なう場となった。

横浜ゴムのブースには、市販品のラインアップ展示やタイヤのエアロダイナミックスを進化させたサイドフィンタイヤなども展示されている
ショータイムでは、チェルシーFCとのパートナーシップを記念してリフティングのパフォーマンスも行なわれている
横浜ゴムの野地社長(中央)と日本レースプロモーションの取締役会長を務める中嶋悟氏(左)、チェルシーFCのクリスチャン・パースロー氏(右)

真鍋裕行

1980年生まれ。大学在学中から自動車雑誌の編集に携わり、その後チューニングやカスタマイズ誌の編集者になる。2008年にフリーランスのライター・エディターとして独立。現在は、編集者時代に培ったアフターマーケットの情報から各国のモーターショーで得た最新事情まで、幅広くリポートしている。また、雑誌、Webサイトのプロデュースにも力を入れていて、誌面を通してクルマの「走る」「触れる」「イジる」楽しさをユーザーの側面から分かりやすく提供中。AJAJ・日本自動車ジャーナリスト協会会員。