人とくるまのテクノロジー展 2023
旭化成、2024年に製品化予定の「天然繊維を活用したフェルト」初公開
2023年5月25日 07:42
- 2023年5月24日~26日 開催
- 入場無料(登録制)
神奈川県横浜市のパシフィコ横浜で、自動車技術展「人とくるまのテクノロジー展 2023 YOKOHAMA」が5月24日~26日の会期で行なわれている。入場料は無料(登録制)。
#214にある旭化成ブースでは、同社グループが手がける自動車関連製品を「EV」「Sound Management」「Sustainability」の3テーマに分けて展示。各コーナーごとに多彩な同社製品が並べられ、Sustainabilityコーナーでは2024年の製品化を予定する「天然繊維を活用したフェルト」を初めて公開している。
Sustainabilityコーナー
持続可能なものづくりを目指して進めている各種取り組みを紹介するSustainabilityコーナーでは、カポックなどの植物を繊維化して使う「天然繊維を活用したフェルト」を初公開。
アオイ科の落葉樹であるカポックを繊維として自動車内装材に利用することで、これまで使われてきたポリプロピレンやポリエステルといった合成繊維と置き換えて省資源化が図れるほか、合成繊維と比較して大幅に軽量な素材であるため、車両の軽量化にも貢献する。
製品化は2024年を予定しており、ダッシュインシュレーターなどの吸音基材フェルトやドアトリム、ダッシュボード、トランクカバーなどの基材としても利用できるという。
摺動ギヤ部品などに使われる素材として開発が進められている「セルロースナノファイバー(CNF)コンポジット」は、綿花を採取したあとに残る「コットンリンター」をナノオーダーまで高度に微細化したバイオマス素材のセルロース原料をベースとして、ポリアセタール(POM)を10%ほど混ぜ込んで複合化したコンポジット素材。
独自開発のCNF分散技術が高い補強効果を生み、炭素繊維を混ぜ込んで強化したCFRPに並ぶほどの剛性を持ちつつ、低摩擦係数、低摩耗性、ノイズレスといった特性も備えている。ブースではCNFコンポジットで作られた2個のギヤを回転させて摺動性を確かめられるデモ展示も用意されており、スムーズなギヤの回転を体感できた。
Sound Managementコーナー
バッテリEV(電気自動車)にエンジン音を搭載することを目的に開発された「エンジンサウンドクリエイター(ESC)」の紹介でも効果を体感できるデモを用意。バケットシートの前方に設置されたレースゲーム用ペダルのアクセルを踏み込むと、足下に設置されたスピーカーからアクセル操作に応じたエンジン音が鳴り響く。アクセルを踏み続けていくと変速するようなエフェクトも掛けられ、この制御にはアクセル開度や操作速度などのパラメーターを使っているとのこと。
また、サウンドにはこれまで発売された過去の名車を模したエンジン音に加え、SF映画に登場する「未来の乗り物」をイメージした近未来を感じさせる音源も用意。ドライバーの気分によってさまざまな乗車体験を楽しめるようにしている。