イベントレポート CES 2020
ダイムラー、映画「アバター」と協業した新型コンセプトカー「メルセデス・ベンツ VISION AVTR」
バイオニックフラップ装備、ジェームズ・キャメロン氏登壇
2020年1月7日 22:21
- 2020年1月6日(現地時間) 発表
米国ネバダ州ラスベガスで行なわれる世界最大の技術見本市「CES 2020」の基調講演を担当したダイムラーは1月6日(現地時間)、映画「アバター」のコンセプトなどと協業した新型コンセプトカー「メルセデス・ベンツ VISION AVTR」を発表した。基調講演には、ダイムラーおよびメルセデス・ベンツのオラ・ケレニウス会長と、映画「アバター」で監督を務めたジェームズ・キャメロン氏らが登壇。映画「アバター」続編のコンセプトアートも紹介された。
メルセデス・ベンツ VISION AVTRは、自然に触発され生命体のような反応を示すコンセプトカー。基調講演でオラ・ケレニウス会長は、これまでのメルセデス・ベンツ車のコクピットを紹介。クルマのUX(User eXperience、ユーザー体験)が変わってきたことを説明するとともに、メルセデス・ベンツがMBUXといった新たな操作系をCESで提案してきたと語る。
そして、紹介されたのがメルセデス・ベンツ VISION AVTR。このVISION AVTRでは、クルマの操作をセンターコンソールに用意されたマルチファンクショナルエレメントで行なう。このマルチファンクショナルエレメントを前後左右に動かすことでクルマの移動をコントロール。斜めに移動することや、特徴的なホイールによって横移動、つまりカニ歩きもできるという。
VISION AVTRでは、インテリアデザイン、エクステリアデザインともに自然に触発されたもので描かれ、エクステリア全体を「one-bow」(一つの矢)のようにデザイン。リアゲート部には特徴的な33個の多方向に動く「バイオニックフラップ」を装備している。
今回のコンセプトカーは、新しいUXの提案を行なったもので、すぐに市販車に反映されていくものではない。ただ、このような自然に触発されたクルマのデザインやUXのデザインをコンセプトカーとして示すことで、メルセデス・ベンツのデザインが将来的に変化していくのかもしれない。メルセデス・ベンツはデュアルディスプレイのコクピット「MBUX」を2018年のCESで世界初公開しており、新たなUXを再びCESで世界へと提案した。