イベントレポート CES 2020

ダイムラー、映画「アバター」と協業した新型コンセプトカー「メルセデス・ベンツ VISION AVTR」

バイオニックフラップ装備、ジェームズ・キャメロン氏登壇

2020年1月6日(現地時間) 発表

CES 2020で世界初公開された新型コンセプトカー「メルセデス・ベンツ VISION AVTR」

 米国ネバダ州ラスベガスで行なわれる世界最大の技術見本市「CES 2020」の基調講演を担当したダイムラーは1月6日(現地時間)、映画「アバター」のコンセプトなどと協業した新型コンセプトカー「メルセデス・ベンツ VISION AVTR」を発表した。基調講演には、ダイムラーおよびメルセデス・ベンツのオラ・ケレニウス会長と、映画「アバター」で監督を務めたジェームズ・キャメロン氏らが登壇。映画「アバター」続編のコンセプトアートも紹介された。

 メルセデス・ベンツ VISION AVTRは、自然に触発され生命体のような反応を示すコンセプトカー。基調講演でオラ・ケレニウス会長は、これまでのメルセデス・ベンツ車のコクピットを紹介。クルマのUX(User eXperience、ユーザー体験)が変わってきたことを説明するとともに、メルセデス・ベンツがMBUXといった新たな操作系をCESで提案してきたと語る。

CESを主催する(Consumer Technology Association)のCEO ゲイリー・シャピロ氏(左)と語る、ダイムラーおよびメルセデス・ベンツのオラ・ケレニウス会長(右)
コクピット、とくにUXの変遷
コンセプトについて語り、映画「アバター」との協業を紹介

 そして、紹介されたのがメルセデス・ベンツ VISION AVTR。このVISION AVTRでは、クルマの操作をセンターコンソールに用意されたマルチファンクショナルエレメントで行なう。このマルチファンクショナルエレメントを前後左右に動かすことでクルマの移動をコントロール。斜めに移動することや、特徴的なホイールによって横移動、つまりカニ歩きもできるという。

 VISION AVTRでは、インテリアデザイン、エクステリアデザインともに自然に触発されたもので描かれ、エクステリア全体を「one-bow」(一つの矢)のようにデザイン。リアゲート部には特徴的な33個の多方向に動く「バイオニックフラップ」を装備している。

オラ・ケレニウス会長は一度下がった後、新型コンセプトカー「メルセデス・ベンツ VISION AVTR」に乗って登場
「one-bow」デザイン
有機的なデザインが美しいと感じられるコンセプトカー
VISION AVTRのカニ歩きは披露されなかったが、特徴的なタイヤまわり
ジェームズ・キャメロン氏登場(左)
VISION AVTRを各部から
33個の多方向に動く「バイオニックフラップ」
コンソール前面に広がるディスプレイエリア
映画「アバター」続編のコンセプトアート

 今回のコンセプトカーは、新しいUXの提案を行なったもので、すぐに市販車に反映されていくものではない。ただ、このような自然に触発されたクルマのデザインやUXのデザインをコンセプトカーとして示すことで、メルセデス・ベンツのデザインが将来的に変化していくのかもしれない。メルセデス・ベンツはデュアルディスプレイのコクピット「MBUX」を2018年のCESで世界初公開しており、新たなUXを再びCESで世界へと提案した。

編集部:谷川 潔