イベントレポート
豊田自動織機、開発中の水素エンジンを公開 「未来モビリティ」「水素」「電動」「宇宙」「バッテリ技術」の取り組みを紹介
2025年10月31日 22:17
- 2025年10月30日〜11月9日 開催
豊田自動織機は10月30日、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催されているジャパンモビリティショー2025(プレスデー:10月29日〜30日/一般公開日:10月31日〜11月9日)においてプレスカンファレンスを実施した。
豊田自動織機は、ジャパンモビリティショー2025において、「モノの移動の未来のために」をテーマに、「未来モビリティ」「水素」「電動」「宇宙」「バッテリ技術」といった同社が取り組む先進技術を紹介している。
プレゼンテーションに登壇した豊田自動織機 経営役員 技術統括 一条恒氏は「2026年、豊田自動織機は創立100周年を迎えます。同時にフォークリフトの販売も70周年を迎えます。モノの移動支え続けて70年、私たちはリーディングカンパニーとしてフォークリフトなどの物流機器の安全環境対応の自動化といった、さまざまな開発テーマに取り組んでまいりました」と前置き。「“モノの移動の未来のために”をテーマに私たちが取り組む先端技術からその一部をご覧いただき、これからのトヨタ自動織機にご期待いただきたいと思います」と述べ、同社が取り組んでいる先進技術について紹介した。
最初に触れたのはフォークリフト。現在、その動力はエンジンとバッテリの2タイプが主流で、中でも電動式フォークリフトは世界市場の7割を占めている。
そうした状況の中、次世代パワーユニットとして開発しているのが初出展となる水素エンジンで、「ガソリンエンジンをベースに燃焼機構を水素に対応させるなど小規模な改良、かつベースエンジンとほぼ同出力」であり、実証もスタートしていると述べた。
そのほか、燃料電池モジュール、アンモニアエンジン、バイオディーゼルエンジンなどの開発も進めており、「さまざまなパワーユニットで産業用途でのカーボンニュートラルに貢献してまいります」と述べた。
バッテリの面では2021年にトヨタ「アクア」向けにバイポーラ型ニッケル水素電池を供給開始。現在ではトヨタおよびレクサスの9車種に採用されており、この開発で培ったノウハウを活かし産業用途に最適化したリチウムイオンバッテリの開発をスタート。発電機や建設機械、農業機械など向けとして2030年ごろの市場投入を目指しているとアピールした。
ブースのテーマにもなっているモノの移動の未来については「物流センター、空港工場など、さまざまな現場においてロボティクス分野の研究開発を進めていく」とした。具体的な事例として全日本空輸株式会社との協業を挙げ、「フリートマネジメントシステム(Fleet Management System)により運行管理、搬送指示、現場、スタッフへの作業指示などの情報を一元化」し、「安全で効率的なオペレーションを実現」、今年中に羽田空港にてレベル4の無人搬送を開始する計画となっていることを明かした。
続けて人協調運搬ロボット「LEAN(リーン)」を紹介。このロボットは「物を持ち上げる時や、運ぶ時の重心の変化や倒れる力を推定し、均衡する力を車重にかけることで安定した姿勢を維持」「人が触れる際の軽い力も姿勢から検知し減速や停止操作を行なう」ことにより、人と強調して作業することが可能だと紹介。「製造現場における運搬から家事の運搬将来は宇宙ステーションとのものの移動など様々な場面での活動」を想定しているとした。
最後に宇宙での取り組みについて触れ、「最初の挑戦として、人工衛星が大気圏に再突入する際の熱防御システムに、当社のいわば祖業でもあります織物機械、3次元折り物技術を活用するべく取り組んでいます」と締めくくった。












