イベントレポート
カワサキ、W1から続く「伝統と革新」を受け継いだ「Z900RS SE」「Z900RS CAFE」世界初公開
2025年11月1日 09:44
- 2025年10月31日~11月9日 一般公開日
- 入場料:1500円~3500円(小学生以下は無料)
「ジャパンモビリティショー2025」(一般公開日:2025年10月31日~11月9日、会場:東京ビッグサイト)に出展しているカワサキモータースは、プレスデー初日となる10月29日に東展示棟1階 東4ホール・EM01の同社ブースでプレスブリーフィングを実施した。
カワサキブースでは「伝統と革新」をテーマに展示を行ない、レトロスポーツモデル「Z900RS CAFE」「Z900RS SE」の2モデルを世界初公開。さらにスーパーネイキッドバイクの「Z1100 SE」、カワサキ初のスーパーチャージドエンジン搭載オフロード4輪車「TERYX5 H2 DELUXE」、カワサキ初の電動4輪車「NAV 4e LIMITED」の3モデルを日本初公開している。
「Z900RS SE」(世界初公開)
2026年2月の国内販売開始を予定するレトロスポーツモデルのZ900RS SE。すでに価格も発表されており、183万7000円となっている。
2026年モデルとなるZ900RS SEでは、レトロスポーツのイメージを強調する新設計のメガホン型サイレンサーとエキゾーストヘッダーパイプを外観に採用。現代のコンポーネントとオーセンティックなスタイリングを融合させながら、エンジンに電子制御スロットルバルブを新たに搭載。低・中回転域でのコントロール性を高め、高回転域での出力が向上している。
また、IMU(慣性計測装置)を活用した「KCMF(カワサキ・コーナリング・マネジメント・ファンクション)」や最新の「KQS(カワサキ・クイック・シフター)」、クルーズコントロール、スマートフォン接続機能といったライダーサポート機能も拡充させ、走る楽しさと快適性をさらに高めている。
上級グレードとなる「Z900RS SE」ではゴールドのアウターチューブが際立つ「ファイヤーボールカラー」を車体色に採用。オーリンズ製リアサスペンションやブレンボ製ブレーキシステムに加え、日本仕様では前後ドライブレコーダーを標準装備している。
「Z900RS CAFE」(世界初公開)
Z900RS CAFEも2026年2月の国内販売開始を予定しており、車両価格は154万円。「Z900RS」をベースとして、往年の“スーパーバイクレーサー”を連想させるフロントカウルやドロップタイプのハンドルバー、専用の段付きシートを組み合わせたモデルとなっている。
車体では燃料タンクだけにグラフィックが施され、全体をシンプル&スポーティな雰囲気で演出。グラフィックはカワサキの歴史的名車「マッハ」シリーズで使用されていたレインボーラインから着想を得たものとなっている。
また、専用の「KAWASAKIヘリテイジロゴ」、ヘアライン仕上げによって上質感を強調したサイレンサー、ショートミラーといった装備を採用。よりレーシーなライディングポジションとクラシカルなスタイリングにより、スタンダードモデルとは異なるライディング体験と所有感をユーザーに提供する。
「Z1100 SE」(日本初公開)
カワサキのスーパーネイキッドバイク「Z1100 SE」は、2014年に発表された「Z」シリーズの最大排気量モデル「Z1000」で実現した“Sugomi(凄)”スタイリングを継承し、排気量アップなどによってパフォーマンスをさらに進化させたほか先進機能を多数装備した「Z1100」の上位グレードモデル。
Z1100と同じく低中回転域を強化した新型1099cm 3 並列4気筒エンジンを高剛性のアルミツインチューブフレームに搭載。野性味あふれるパワーを備えつつ、軽快でシャープなハンドリングを発揮。さらにZ1100 SEでは「オーリンズ製リアサスペンション」や「ブレンボ製ブレーキシステム」を装備して、走行性能を高めたパッケージとなっている。
国内導入に向けた準備もスタートしており、発売時期や価格などは決定次第アナウンスされるとのこと。
「TERYX5 H2 DELUXE」(日本初公開・参考出品)
8月に発表されたオフロード4輪車「TERYX5 H2 DELUXE」は、「Ninja H2」にも搭載する999cm 3 並列4気筒スーパーチャージドエンジンを搭載。車両に合わせた専用設計を行なって最高出力186.2kW(253PS)、最大トルク198.3Nmを発生し、ほかのTERYXシリーズと比較してより力強い加速とより高い速度域での走行を実現している。
「NAV 4e LIMITED」(日本初公開・参考出品)
カワサキ初の電動4輪車として2月に発表され、米国とカナダで販売されている「NAV 4e LIMITED」。軽量・長寿命なリチウムイオンバッテリを搭載し、モーターにはシンプルな構造で高い信頼性を持つインダクションモーターを採用。定格出力4.0kW(5.5PS)、最大出力10.7kW(14.5PS)を発生するモーターは、滑らかな加速性能と穏やかな出力特性を備え、速度を維持しやすくスムーズな運転が可能。リラックスして快適な走行が楽しめる。
Z900RS SEとZ900RS CAFEは伝統と革新を受け継ぐ新機種
プレスブリーフィングで登壇したカワサキモータース 代表取締役 社長執行役員 伊藤浩氏は、カワサキブースのテーマとしている「伝統と革新」という言葉を取り上げ、「私たちは、伝統と革新は相反するものではなく、表裏一体だと考えています」と述べ、川崎重工グループが歩んできた歴史について解説。
このなかで、1965年に開催された第12回東京モーターショーで登場した「650-W1」を紹介。「WがなければZもNinjaも生まれなかった」と語り、W1からカワサキの大型バイクシリーズが歩み始めたとしたほか、今年をWブランド60周年のアニバーサリーイヤーと位置付けて魅力の発信を行なっているという。
W1に続き、1972年には究極を意味するZを冠するモデルとして「900 Super4」が「Z1」の愛称でデビューを果たし、現代でも多くのライダーが憧れるモデルになっている。この伝統を受け継ぐモデルが「Z900 RS」であり、2018年のデビュー以降、伝統的な“Zスタイリング”と現代的なテクノロジーを融合させ、走る楽しさや操る喜びを備えて多くのユーザーを獲得するロングセラーとなっているとアピール。このような伝統と革新を受け継ぐ新機種として、Z900RS SEとZ900RS CAFEの2モデルを世界初公開した。
この2モデルについて、外観デザインはそれほど変わっていない一方、中身は大きく進化していると語り、この2026年モデルでは電子制御スロットルバルブ、クルーズコントロール、IMUを活用したABS、スマートフォン接続などの機能を備え、ライダーサポート機能を充実させている。
最後に伊藤社長は「明治から令和へ。それぞれの時代に描いた未来に向けてカワサキは革新的な取り組みを続け、その歩みが伝統となってきました。カワサキに関わる人すべての喜びと幸せのため、これからも皆さまとともに『伝統と革新』を作り続けていきます。『Let the good times roll』」とコメントしてプレゼンテーションを終えた。


































