イベントレポート

【東京モーターショー 2019】デンソーテンのブースでダブルツィーターの音の違いを体感

ディスプレイから音を鳴らす技術やドラレコ活用の提案も

2019年10月23日 開幕

2019年10月25日 プレビューデー

2019年10月25日~11月4日 一般公開日

西4ホール(W4115)にあるデンソーテンブース

 10月23日、東京ビッグサイト(東京都江東区有明)で「第46回 東京モーターショー 2019」が開幕した。10月25日はプレビューデー、10月25日~11月4日が一般公開日となる。

 イクリプスブランドを展開するデンソーテンは、東京ビッグサイト 西4ホール(W4115)にブースを出展。「The Fine Vehicle Experience」をテーマに、“サウンド”と“コネクテッド”にフォーカス。ブースの正面にはクルマを模した半円状の空間「サウンドクルージングポッド」を据え、その中で同社最新の製品や開発中の製品が体験できるようになっている。

 特に注目なのは「プレミアムダブルツィーターシステム」。左右のスピーカーから音が出るタイミングを調整することで、運転席などの特定の席で聞いたときに音が最適になるようにするタイムアライメントという技術があるが、このプレミアムダブルツィーターシステムは、その名称の通りツィーターが左右それぞれ2つあり、1つを運転席の人用に、もう1つを助手席の人用とすることで、それぞれの席で同時にタイムアライメント調整することを可能としている。つまり、より多くの乗員が快適で上質なサウンドを楽しめるというわけだ。

片側に2つずつのツィーターを持った「プレミアムダブルツィーターシステム」

 実際に「サウンドクルージングポッド」でその違いを体感してみたが、ON/OFFを連続して聞かせてくれるので、その差は明白。さらに同システムでは「フロントステージ」と「パノラマステージ」の2つのモードが選択可能。正面にステージがあるような環境の前者、コンサートホールで聴いているかのような包まれ感のある後者。このモードの違いも体験できるようになっていた。

 EVなど走行音が静かな車両も増えているので、この上質なサウンドを奏でるシステムを導入する価値はあるのではないだろうか。ちなみに運転席側だけでなく助手席側でも「プレミアムダブルツィーターシステム」を体感したが、まったく同様の臨場感溢れるサウンドを聴くことができた。

従来のタイムアライメントは運転席主体というケースがほとんどだが「プレミアムダブルツィーターシステム」では、運転席、助手席共に上質なサウンドを楽しむことができる。車種専用(20車種ほど)でチューニングしていて、緻密なコントロールを行なう8chのアンプも同梱。また、当製品はホームオーディオで開発した構造(カットモデルを展示していた)を、このコンパクトなサイズに凝縮。音に並々ならぬこだわりを注ぎ込んでいる

 ユニークなところでは、参考出品のディスプレイスピーカーを取り上げたい。画面を震わせて音を出すディスプレイで、映像との一体感がある音を聴かせるのが特徴だ。後席部向けモニターやフリップダウンモニターなどへの活用だけでなく、ナビのガイド音声(足下ではなく、よりドライバーに近い場所で音が出せるのは明確なメリットだ)やメーターのようなところからでも音が出せるため、さまざまな活用方法があると思われる。

「技術開発は進んでいる」とのことで、今後はまず自動車メーカーがどの段階で採用するか、そして次にアフター製品にこの技術が投入されるか……、といったところに期待がかかる。

ディスプレイスピーカーを参考出品。スピーカーが足下にあると決して聞きやすいとは言えないが、スピーカーを内蔵するこのディスプレイならその問題も解消。小型の振動デバイスを採用することで薄型化

 エンドユーザー向けの、2020年モデルのイクリプス「録ナビ」も展示されていた。ナビにドライブレコーダー機能が盛り込まれているのが特徴で、あとは小型のカメラをセットするだけで済むため、フロントウィンドウまわりがスッキリするのが同製品の美点。前後2カメラにも対応し、アプリをインストールしたスマホにドラレコで録画した映像を送ることも可能。月に1度のペースで地図自動更新を提供するなど(Wi-Fi接続が必要)、優れた使い勝手を持つ点もポイントだ。

イクリプスブランドの2020年モデル最新ナビ「録ナビ AVN-D10W」はドライブレコーダー内蔵で、前後2個のカメラにも対応している。大柄なユニットをフロントウィンドウに付ける必要がないので(小型のカメラのみで済む)、前方視界を妨げることがない。月に1回の地図の自動更新など、使い勝手も追及されている

 ほかにも、事故やあおり運転対策など、“万が一”の時ばかり取り上げられる傾向にあるドラレコを、もっとポジティブに活用する提案など、さまざまな“未来”を提示していたデンソーテン。上質なサウンド、安心なドライブなどを、さらにワンランク上に引き上げてくれそうな同社の活動には、今後も注目していく必要がありそうだ。

通信型ドラレコの新たな活用方法を提案、実証実験中だ。タクシーなどが録画した映像を編集し、観光向けに活用。駅にタッチ式のモニターを設置し、オススメの観光ルートの提案などをしている。例えば「桜が見えるポイントを中心に回りたい」といった場合にも頼りになる。ほかにも、利用者、ドライバー共にメリットが多いタクシー支援システムなども見ることができた
「サウンドクルージングポッド」のナビも担当

小松ひろ