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日産、燃費37.2km/Lを達成した新型ハイブリッド「ノート e-POWER」オフライン式

九州工場で生産していたノートはガソリン車を含め追浜工場に移管

2016年10月24日 開催

 日産自動車は10月24日、同社の追浜工場(神奈川県横須賀市夏島町)で新型ハイブリッド「ノート e-POWER」のオフライン式を開催した。オフライン式には追浜工場の従業員約1000名とともに、日産自動車 社長兼CEOのカルロス・ゴーン氏が参加して挨拶を行なった。

 今回のオフライン式開催に際し、事前案内では「新規生産車種オフライン式」と書いてあるだけで、具体的な車種は式の直前まで明かされなかった。これまで2015年度通期決算の席などでその存在がアピールされてきたノート e-POWERだが、今回のオフライン式でも詳細は伏せられたものの、ゴーンCEOからは燃費37.2km/Lを達成していることなど断片的な情報が説明された。

 なお、ノートはこれまで日産自動車九州(福岡県京都郡苅田町)で製造されてきたが、同工場がフル稼働であったこと、追浜工場の生産能力に余裕があったことなどから、9月から生産工場を追浜工場に移管している。

 オフライン式ではゴーンCEOがノート e-POWERに乗って登場し、「今日はゼロ・エミッションのリーダーである日産の新たな一歩となる。ノート e-POWERのオフラインを皆さんと祝うことができ、とても嬉しく思う。短期間で生産の立ち上げを実現した皆さんに感謝する。6年前に量産を始めた『リーフ』は、今や世界でもっとも売れているEV(電気自動車)となった。そして、追浜工場は多大なる成果につながる一歩を踏み出す。ノート e-POWERは、軽快な走りと燃費効率する革新的な新技術『e-POWER』を搭載することで、国内販売に大きく寄与するだろう。追浜工場がノートの生産を獲得できたのは、一重に新技術の投入によって競争力を強化した皆さんのたゆまぬ努力のたまもの。ノート e-POWERの生産はこれからが正念場。日産のモデル工場として、このクルマを最高の技術でお客様にお届けできるようこれからも取り組んでいくことを期待している」と日本語でコメントした。

ゴーンCEOがノート e-POWERに乗って登場
「今日はゼロ・エミッションのリーダーである日産の新たな一歩となる」と、力強くコメント
追浜工場 各部門の代表による決意表明も実施
ノート e-POWERがユーザーに愛される存在になることを願い、ゴーンCEOや取締役の松元史明氏、そして追浜工場全従業員らによる掛け声コールも行なわれた
囲み取材を受けるゴーンCEO

 オフライン式のあとにはゴーンCEOの囲み取材が行なわれた。まず追浜工場が担っているタスクについては、「追浜工場はマザー工場に位置付けられ、マザー工場では工程を常に進化させ、生産性を向上させることで品質を高めることが仕事。同じクルマを生産している世界中の工場とマザー工場がつながり、これらの変革を常に計画的に、短期間にほかの工場にも展開させている。そもそもノートを追浜工場に移管した理由としては、九州工場がフル稼働していることが挙げられる。九州工場は主に輸出向けのクルマを生産しており、従って追浜工場というのは国内でのものづくりの柱になる。日本向けのクルマもグローバル向けのクルマも作っているのがマザー工場の役割になる」と説明。

 また、三菱自動車の工場で軽自動車以外の生産を行なう可能性があるか問われたゴーンCEOは、「時期尚早の話なのでまだその話はできない。新しい取締役会の体制は12月に確定し、そのあとに作業を始めてどのくらいのシナジー効果があるのかが見えてくる。今のところは購買部門、開発部門、プラットフォーム、先行技術などの領域について申し上げてきたが、例えば生産のシナジー効果についてはまだ検討していない。ただ、通常は生産ラインを混同させない。日産工場は日産のもの、三菱工場は三菱自動車のもの」としつつ、「もしWin-Winの関係がありそうな案があれば相互生産も行なうことも考えられる」と含みを持たせた。

 そのほか日産のエコカー戦略については、「我々は電気自動車を一番促進しているし、今後もそうしていくが、だからといって我々がPHV(プラグインハイブリッド)を開発しないわけではない。すでに発表しているとおり、三菱自動車のPHVをアライアンスの主な技術として採用するし、ハイブリッドも開発していく」と述べるとともに、ノート e-POWERの燃費が37.2km/Lをマークしていることを明らかにした。

ノート e-POWERのフロントグリルにはブルーの加飾が与えられる
テール部には「e-POWER」のバッヂが備わる