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【SUPER GT最終戦もてぎ】第3戦決勝、優勝は24号車 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R

菅生戦続く2勝目、ヨコハマタイヤのお家芸"タイヤ無交換"が炸裂。GT300は21号車 Hitotsuyama Audi R8 LMSが初優勝

2016年11月12日 開催

タイヤ無交換作戦に成功した24号車 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R(佐々木大樹/柳田真孝組、YH)が優勝

 ツインリンクもてぎで11月12日、熊本地震の影響でキャンセルとなったオートポリス大会の代替戦「2016 AUTOBACS SUPER GT Round3」が開催された。13時10分にスタートした決勝は250km/53周のレースが展開され、24号車 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R(佐々木大樹/柳田真孝組、YH)がGT500クラス優勝。スポーツランドSUGOに続く2勝目、タイヤ無交換作戦を敢行して成功させた。

 2位は39号車 DENSO KOBELCO SARD RC F(ヘイキ・コバライネン/平手晃平組、BS)でポイントランキングでこれまでのトップだった1号車 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組、MI)を逆転し、ポイントリーダーになり明日の最終戦でチャンピオン獲得を目指すことになる。

 GT300クラスは、予選2位からスタートした21号車 Hitotsuyama Audi R8 LMS(リチャード・ライアン/藤井誠暢組、DL)が、こちらもタイヤ無交換作戦を決めて優勝した。

ヨコハマタイヤのお家芸となりつつあるタイヤ無交換作戦を駆使した24号車が優勝

13時10分に決勝レースがスタート

 決勝レースは各車無難なスタートを切ったと思われた。ところが、2周目にGT300の55号車 ARTA BMW M6 GT3(高木真一/小林崇志組、BS)がセカンドアンダーブリッジ下でクラッシュし、マシンのエンジンルームがほとんど無くなる大クラッシュが発生した。これで、セーフティーカーが導入された。マシンの前部がほとんど無くなるほどの大クラッシュだったため、ドライバーの安否も心配されたが、ドライブしていた高木真一選手は自分の足で降りており、とりあえずの無事は確認された。

GT500クラス2位、39号車 DENSO KOBELCO SARD RC F(ヘイキ・コバライネン/平手晃平組、BS)

 GT500はポールからスタートした39号車 DENSO KOBELCO SARD RC F(ヘイキ・コバライネン/平手晃平組、BS)が無難なスタートを切った。その後ろでは2位からスタートした24号車 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R(佐々木大樹/柳田真孝組、YH)を36号車 au TOM'S RC F(伊藤大輔/ニック・キャシディ組、BS)がオーバテイクして、2位に上がっていた。レースはこの3台を鍵となって進んでいった。

 レースが大きく動いたのは、ピットストップだった。レースの1/3を過ぎてすぐに36号車 au TOM'S RC Fがピットイン。それに続いてトップを走っていた39号車 DENSO KOBELCO SARD RC Fも次周にピットインしてピットアウトしてくると、36号車 au TOM'S RC Fが前にでていた。

36号車 au TOM'S RC Fと39号車 DENSO KOBELCO SARD RC Fのバトル

 この後、36号車 au TOM'S RC Fをドライブするニック・キャシディと、39号車 DENSO KOBELCO SARD RC Fをドライブするヘイキ・コバライネンの間でテールツーノーズの激しいバトルが展開された。ずっと行なわれていたテールツーノーズのバトルが決着したのは34周目。コバライネンがキャシディの36号車 au TOM'S RC Fをオーバーテイク。その後39号車は36号車を徐々に引き離していった。

ヨコハマタイヤを履く24号車 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R、19号車 WedsSport ADVAN RC F(関口雄飛/国本雄資組、YH)はピットインを遅らせる作戦をとった

 ブリヂストン、ミシュラン勢がいち早くピットインしたのに対して、ヨコハマタイヤを履く24号車 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R、19号車 WedsSport ADVAN RC F(関口雄飛/国本雄資組、YH)はピットインを遅らせる作戦。他のタイヤメーカーの車両が20-25周前後にピットインしたのに対して、19号車がピットインしたのは29周目、トップを走っていた24号車がピットインしたのは34周目とギリギリまで引っ張ってピットインした。両車とも、ヨコハマタイヤの特性を生かしてタイヤ無交換を選択し、ピットイン時のロスタイムを削減する戦略にでる。

24号車 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rと39号車 DENSO KOBELCO SARD RC Fのバトル、ファイナルラップに突入した段階で両車の差はコンマ2秒

 24号車 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rがピットアウトすると、2位を走っていた39号車 DENSO KOBELCO SARD RC Fとの差は約10秒。残り20周で、この差が徐々に縮まっていく。最終的には残り3周でトップ2台はテールツーノーズに。ファイナルラップに突入した段階で両車の差はコンマ2秒。どのコーナーでもコバライネンがドライブする39号車 DENSO KOBELCO SARD RC Fが柳田真孝がドライブする24号車 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rを追い回すが結局抜くには至らず、24号車 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rが追いすがる39号車を振り切って見事優勝した。2位は39号車 DENSO KOBELCO SARD RC F、3位は36号車 au TOM'S RC Fとなった。

3位の36号車 au TOM'S RC F(伊藤大輔/ニック・キャシディ組、BS)

 なお、ランキングトップの1号車 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組、MI)は予選12位から追い上げて9位となった。これで2点を獲得し58点となったが、ポールポジションの1点と2位の15点を獲得した39号車 DENSO KOBELCO SARD RC Fが16点を獲得して61点となり、1号車を抜いてポイントリーダーとなった。なお、3位は決勝レースで4位となった6号車 WAKO’S 4CR RC F(大嶋和也/アンドレア・カルダレッリ組、BS)が54点でつけている。

・GT500結果(暫定)

順位カーナンバーマシンドライバータイヤウェイトハンデ周回タイム
124フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R佐々木 大樹/柳田 真孝YH22531:40'10.155
239DENSO KOBELCO SARD RC Fヘイキ・コバライネン/平手 晃平BS45531:40'10.394
336au TOM'S RC F伊藤 大輔/ニック・キャシディBS35531:40'16.158
46WAKO’S 4CR RC F大嶋 和也/アンドレア・カルダレッリBS46531:40'16.482
519WedsSport ADVAN RC F関口 雄飛/国本 雄資YH41531:40'20.311
638ZENT CERUMO RC F立川 祐路/石浦 宏明BS45531:40'36.095
712カルソニック IMPUL GT-R安田 裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラBS36531:40'44.394
846S Road CRAFTSPORTS GT-R本山 哲/千代 勝正MI28531:40'44.703
91MOTUL AUTECH GT-R松田 次生/ロニー・クインタレッリMI56531:40'53.990
10100RAYBRIG NSX CONCEPT-GT山本 尚貴/伊沢 拓也BS19531:41'07.605
118ARTA NSX CONCEPT-GT松浦 孝亮/野尻 智紀BS16531:41'07.840
1215ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT武藤 英紀/牧野 任祐BS20531:41'12.301
1364Epson NSX CONCEPT-GT中嶋 大祐/ベルトラン・バゲットDL7521:40'36.275
R37KeePer TOM'S RC Fジェームス・ロシター/平川 亮BS322144'53.328
R17KEIHIN NSX CONCEPT-GT塚越 広大/小暮 卓史BS271838'41.814

・GT500ポイントスタンディング(筆者集計)

順位カーナンバードライバー第1戦第2戦第4戦第5戦第6戦第7戦第3戦合計
439ヘイキ・コバライネン/平手 晃平415153441661
11松田 次生/ロニー・クインタレッリぐみ2020286258
26大嶋 和也/A.カルダレッリ86921011854
338立川 祐路/石浦 宏明511425550
519関口 雄飛/国本 雄資2361821647
736伊藤 大輔/ニック・キャシディ386181146
1124佐々木 大樹/柳田 真孝2202042
612安田 裕信/J.P.デ・オリベイラ61218440
837ジェームス・ロシター/平川 亮16113232
946本山 哲11413331
1017塚越 広大/小暮 卓史5152527
1215武藤 英紀411520
13100山本 尚貴/伊沢 拓也111151120
1646千代 勝正114318
148松浦 孝亮/野尻 智紀553316
1515牧野 任祐1515
1746高星 明誠1313
1864中嶋 大祐/ベルトラン・バゲット167
1915オリバー・ターベイ415

こちらもタイヤ無交換作戦を成功させた21号車 Hitotsuyama Audi R8 LMSが初優勝

 GT300のレースも予選順位通りでスタートしたが、55号車のクラッシュによりセーフティカーが導入される。7周目にリスタートしたが、やはり予選順位通りでリスタートした。GT500の18周目前後に各車のピットインが始まるが、25周目にポールからスタートした11号車 GAINER TANAX AMG GT3(平中克幸/ビヨン・ビルドハイム組、DL)がピットイン。ここで、11号車はタイヤ無交換作戦を選択し、ピットでの時間を短縮する作戦にでる。

GT300クラス優勝の21号車 Hitotsuyama Audi R8 LMS(リチャード・ライアン/藤井誠暢組、DL)

 ところが、その2周後に予選2位からスタートした21号車 Hitotsuyama Audi R8 LMS(リチャード・ライアン/藤井誠暢組、DL)も同じくタイヤ無交換作戦を敢行し、ピットアウトすうと11号車の前にでることに成功した。結局、21号車はそのままトップを譲ることなくゴールし、チーム結成以来初めての優勝を実現した。

 ところが、2位を走っていた11号車 GAINER TANAX AMG GT3は、順位を守ることができず、追い上げてきた88号車 マネパ ランボルギーニ GT3(織戸学/平峰一貴組、YH)が11号車をオーバテイク、タイヤ無交換作戦を敢行した11号車だが、後半はタイヤがつらそうで順位を下げることになった。

GT300クラス2位、33号車 Excellence Porsche(山野直也/ヨルグ・ベルグマイスター組、YH)

 しかし、2位に上がった88号車 マネパ ランボルギーニ GT3もその順位を維持することができなかった。その88号車 マネパ ランボルギーニ GT3を抜いていったのが、予選10位からちょっとずつ追い上げてきた33号車 Excellence Porsche(山野直也/ヨルグ・ベルグマイスター組、YH)で、残り数周となったところで、88号車を見事にオーバテイクし、2位にあがった。同チームは今シーズン初めての表彰台獲得となった。

GT300クラス3位、88号車 マネパ ランボルギーニ GT3(織戸学/平峰一貴組、YH)

 GT300はこれで、ポイントトップは7位に入った25号車 VivaC 86 MC(土屋武士/松井孝允組、YH)が58点でトップを維持し、9点差で2位の3号車 B-MAX NDDP GT-R(星野一樹/ヤン・マーデンボロー組、YH)と3位の21号車 Hitotsuyama Audi R8 LMS(リチャード・ライアン/藤井誠暢組、DL)が追う展開で、数字上(フルスコアで21点を獲得できる)は7位の0号車 GAINER TANAX GT-Rまで可能性がある混戦模様となっている。

 明日は、最終戦として2016 AUTOBACS SUPER GT Round8 MOTEGI GT GRAND FINAL」の予選が午前中に、午後1時過ぎから決勝レースが行なわれる。泣いても笑ってもこの1レースを残すのみで、シリーズチャンピオンも含めて明日の午後にはすべてが決することになる。

・GT300結果(暫定)

順位カーナンバーマシンドライバータイヤウェイトハンデ周回タイム
121Hitotsuyama Audi R8 LMSリチャード・ライアン/藤井 誠暢DL29501:40'43.929
233Excellence Porsche山野 直也/ヨルグ・ベルグマイスターYH9501:40'46.233
388マネパ ランボルギーニ GT3織戸 学/平峰 一貴YH19501:40'48.217
411GAINER TANAX AMG GT3平中 克幸/ビヨン・ビルドハイムDL22501:41'05.099
50GAINER TANAX GT-Rアンドレ・クート/富田 竜一郎DL32501:41'19.392
626TAISAN SARD FJ AUDI R8元嶋 佑弥/近藤 翼YH6501:41'19.408
725VivaC 86 MC土屋 武士/松井 孝允YH54501:41'28.769
887triple a ランボルギーニ GT3細川 慎弥/佐藤 公哉YH3501:41'35.771
965LEON CVSTOS AMG-GT黒澤 治樹/蒲生 尚弥YH24501:41'36.007
1048DIJON Racing GT-R高星 明誠/青木 孝行YH2501:41'42.096
1151JMS LMcorsa 488 GT3都筑 晶裕/新田 守男YH13501:41'53.496
1218UPGARAGE BANDOH 86中山 友貴/山田 真之亮YH23501:41'53.870
133B-MAX NDDP GT-R星野 一樹/ヤン・マーデンボローYH49491:40'10.155
1463DIRECTION 108 HURACANエイドリアン・ザウグ/横溝 直輝YH491:40'10.394
157Studie BMW M6ヨルグ・ミューラー/荒 聖治YH17491:40'20.311
1630TOYOTA PRIUS apr GT永井 宏明/佐々木 孝太YH2491:40'24.304
17111エヴァRT初号機 Rn-s AMG GT植田 正幸/鶴田 和弥YH491:40'30.699
184グッドスマイル 初音ミク AMG谷口 信輝/片岡 龍也YH36491:40'31.470
192シンティアム・アップル・ロータス高橋 一穂/加藤 寛規YH491:40'51.660
2060SYNTIUM LMcorsa RC F GT3飯田 章/吉本 大樹YH491:41'16.077
2122アールキューズ SLS AMG GT3和田 久/城内 政樹YH491:41'24.617
229GULF NAC PORSCHE 911阪口 良平/吉田 広樹YH481:41'29.106
2361SUBARU BRZ R&D SPORT井口 卓人/山内 英輝DL47471:38'24.656
2431TOYOTA PRIUS apr GT嵯峨 宏紀/中山 雄一BS44441:30'50.726
25360RUNUP Group&DOES GT-R柴田 優作/田中 篤YH441:41'58.698
2650ODYSSEY SLS安岡 秀徒/久保 凜太郎YH421:40'36.095
27108DIRECTION 108 HURACAN峰尾 恭輔/竹内 浩典YH411:41'38.266
R55ARTA BMW M6 GT3高木 真一/小林 崇志BS4822'21.515
R5マッハ車検 MC86玉中 哲二/影山 正美YH22'27.082

・GT300ポイントスタンディング(筆者集計)

順位カーナンバードライバー第1戦第2戦第4戦第5戦第6戦第7戦第3戦合計
125土屋 武士/松井 孝允6111621458
23星野 一樹/ヤン・マーデンボロー1206521549
321リチャード・ライアン/藤井 誠暢441562049
455高木 真一/小林 崇志16211148
561井口 卓人/山内 英輝11112547
631嵯峨 宏紀/中山 雄一2018644
70アンドレ・クート/富田 竜一郎362138638
84谷口 信輝/片岡 龍也15468336
911平中 克幸/ビヨン・ビルドハイム8842931
1088織戸 学/平峰 一貴258311130
1165黒澤 治樹/蒲生 尚弥204226
1218中山 友貴/山田 真之亮8311123
1333山野 直也541524
1433ヨルグ・ベルグマイスター41519
157ヨルグ・ミューラー/荒 聖治111517
1651都筑 晶裕/新田 守男65213
1726密山 祥吾/元嶋 佑弥358
1887細川 慎弥/佐藤 公哉336
1951脇阪 薫一55
2033坂本 祐也55
2130永井 宏明/佐々木 孝太22
2248青木 孝行112
2348高森 博士/11
2448高星高明11

決勝後優勝車クルー会見

GT500で優勝した24号車のクルー(左)とGT300で優勝した21号車のクルー
佐々木大樹選手

佐々木大樹選手:優勝できてもちろん嬉しいのだけど、明日もレースがあるのでなんとも不思議な気持ち。最終戦までチャンピオンの可能性をギリギリ持ち越す事ができた。明日のレースもしっかり走って、チャンピオンに近いところまで行きたい。今日の勝因は予選。ヨコハマタイヤがしっかり作動してくれて、ウェットの予選で2位を獲得できたことだ。ドライのレースに関してはセッティングが煮詰まっており、自分たちとして最初から(タイヤ)無交換は頭にあった。自分のスティントでは前に何台かいたが、それを抜く必要はないと考えていて、タイヤをセーブしながら柳田さんに渡すことができた。ここに車で、2人でシミュレータに通ったりして練習してきたのでその成果がでたと考えている。チーム、そして柳田さんに感謝したい。

柳田真孝選手

柳田真孝選手:明日のレースがあるので、まだ嬉しさがわいてこない。勝因は大樹が、ああいうコンディションのなかで、ヨコハマタイヤ的には厳しい中で、しっかり走ってくれたとこと。タイミングを合わせれば、予選ポールいけると思っていたが、2位だったときは嬉しかった。ここは、ヨコハマタイヤの進化に対して素晴らしいと思った。大樹がスタートして、30周ぐらいしても全然タイムが落ちなかったので、お家芸の無交換作戦がしっかりできて……自分のスティントではタイヤをもたせるという自信があったので、苦しいながらもなんとか持たせることができてよかった。菅生で勝った後、最近ふがいないレースが続いていた中で、この1勝なので本当に嬉しい。明日はさらによいレースをしたい。

リチャード・ライアン選手

リチャード・ライアン選手:アウディとダンロップタイヤが素晴らしかった。非常に難しいレースで、金曜日もずっと雨でドライでは走っていなかったため、セットアップもタイヤ選択も適当に選んだものだった。ただ、このレースでは例年ダンロップはいい結果を出しているので、そのデータを元にして正しいタイヤを選択することができた。これまでずっとアウディジャパンがサポオートしてきてくれて、今シーズンは毎レース少しずつよくなってきた。今回に関してはポディウムぐらいはいけるかなと思っていたが、まさか勝てるとは思っていなかった。ポールだったビヨンとグリッドで話して、お互いお手柔らかに行きましょうという話しをしていたのだけど、プリウスもやってきてという状況の中でセーフティカーが入った。リスタートの時はプレッシャーを感じながら、エンジニアがタイヤの事を考えて走れというので、タイヤ交換なしでいけるようにタイヤをケアして走り、チームメイトに車を渡した。

藤井誠暢選手

藤井誠暢選手:アウディのプログラムでようやく優勝することができた。一ツ山さん、WRT、関わる全員に感謝している。アウディに来てずっと勝ちたいと思っていたのだけど、表彰台しか獲得できていなかった。特に今年の富士のレースでは後1秒というレースで、何が何でも勝ちたいと思っていた。これでシリーズ3位にも慣れたので、チャンピオンの可能性もあるので、明日のレースはしっかり頑張りたい。アウディに来てからの3年間は結構勝てそうで勝てないレースが続いていた。今回タイヤ無交換作戦はダンロップはあまり奨めていなかったのだが、優勝を狙っていたのでチャレンジした。中盤以降はリアタイヤがかなり厳しく、タイヤをいたわりながら走っていた。

Q:24号車は予選中にウェットからウェットに乗り変えたが、その状況を教えて欲しい。

佐々木選手:チームとはミーティングをしていて、スリックに変えるという状況があるかもしれないという話しもしていた。しかし、出て行って走ってみると、自分の経験上スリックにはならない、と判断した。そこで2回アタックしたいという話しをして、2つめのタイヤで内圧変更を行って、アジャストしてアタックした。自分としてはパーフェクトなアタックができた。

Q:柳田選手に明日の作戦は?

柳田選手:ご想像にお任せしたい、だいたいわかると思いますけど(笑)。明日はドライの予選になるので、どのくらいの順位からスタートするのか次第。明日も今日と同じぐらいからスタートしたいけど、タイヤの使い方などをチームと話し合って、決めて、今日のようではないかもしれないけど頑張りたい。明日はノーハンデなので、軽い状態でタイヤ無交換はしやすいと思うので頑張りたい、あ、言っちゃった(笑)。

Q:残りの3選手にも明日への意気込みを

佐々木選手:明日が本当の最終戦なので、今日勝ったけど、たぶん無交換だと思う(笑)ので、今日無交換して実績をつくったし、さらに改善点できる部分があると思うので、、もっといいパフォーマンスが出せるように頑張りたい。

ライアン選手:チャンピオンシップは考えてない。明日も同じようにポールを狙い、勝ちたい。残り10周でどこの順位でいるかがいろいろ計算することになると思う。

藤井選手:僕たちとしてはアウディの優勝を目指してきたので、ランキングトップと9点しか開いていないと聞いてびっくりしているが。これまでと同じように1戦1戦優勝を狙ってレースをするだけ。特にツインリンクもてぎはブレーキングサーキットで、アウディ R8はブレーキングマシンなので、優勝したのに次のレースでウェイトを積まないでいいというよいタイミングで優勝できたので明日も頑張りたい。僕たちにとっては予選はダンプ(ちょい濡れ)コンディションがいいので、夜中に水まきしておきます(笑)