TOYOTA GAZOO Racing FESTIVAL 2016にサプライズで「ヤリスWRCテストカー」が登場。乗っていたのは豊田章男氏とトミ・マキネン氏 11月27日、富士スピードウェイ(静岡県駿東郡小山町)においてシーズンオフ恒例イベントとなった「TOYOTA GAZOO Racing FESTIVAL 2016」が開催された。スタート時には曇り空だった天候が終盤には雨も降り出すという悪条件ながら、会場には4万人もの観客が訪れレースや展示を楽しんだ。
ウエルカムセレモニー
TOYOTA GAZOO Racing FESTIVAL 2016にドライバーや関係者が集結 会場となった富士スピードウェイでは、パドックをはじめイベント広場、ショートサーキットなど、サーキット全体を会場としてさまざまなイベントが開催された。早いところでは7時からイベントが動き出しているものの、午前中のウェルカムセレモニーで本格的なイベントスタートとなった。レーシングコースのメインスタンド前に、今シーズン活躍したドライバーや車両が集結、ファンに挨拶を行なった。
そんな中、2017年から世界ラリー選手権(WRC)に参戦するTOYOTA GAZOO Racingの「ヤリスWRCテストカー」がサプライズで登場した。激しいスピンターンで開場を沸かせたあと、モリゾー選手ことトヨタ自動車 社長の豊田章男氏とトミ・マキネン氏がクルマから姿を現わし、ガッチリと握手を交わした。
その後、2014年、2015年に引き続きAKB48 Team8が登場。レースクイーンとともに華を添えた。
オープニングセレモニーに華を添えたAKB48 Team8 TOYOTA GAZOO Racing FESTIVAL ラリー選手権
TOYOTA GAZOO Racing FESTIVAL ラリー選手権のスタート/ゴール地点 富士スピードウェイ全体をラリー会場に見立て、会場内の道路をリエゾン区間としながら3カ所のSS(スペシャルステージ)でデモ走行を実施。
TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジ優勝車両のほか、ヘイキ・コバライネン選手(TOYOTA 86 R3)、新井敏弘選手、鎌田卓麻選手、勝田範彦選手(ともにSUBARU WRX STI)、モリゾー選手(TOYOTA 86)に加え、藤本吉郎選手が0カーとしてセリカ GT-Fourで登場。会場を沸かせた。
午前中のステージを走行したモリゾー選手はゴール後、2017年からの参戦について訪ねられると「18年前のラリーを覚えていられる方が居る時に戻れるのは嬉しい」とコメント。日本からの応援にも期待しているとした。
ラリーといえばこの人、新井敏弘選手も激しい走りで観客を沸かせた 勝田範彦選手はコドライバーのまわりでドーナツターンを行なうパフォーマンス イベント広場
トークショーやAKB48 Team8のライブなどが行なわれるステージのほか、試乗などの体験コーナーやファミリー向けのブースなどが用意されていた。
ブリヂストンブース。自転車によるランフラットタイヤ エアフリーコンセプトの体験を実施 ブリヂストンブースにはリアルなレーシングシミュレーターも タイヤを使ったアトラクション。大人も子供も楽しんでいた 先着順で参加することができた「G'sアクアカート」を使ったTHE KART 子供たちに大人気だったバンダイの「ゲキドライブ」体験コーナー ランドクルーザーやFJクルーザーでオフロードコースを同乗体験できる「SUVオフロードチャレンジ」 カローラ生誕50周年ということで初代カローラの展示も AKB48 Team8メンバーのサインが入ったコンセプトカー 女性も楽しめるモータースポーツを目指す「TOYOTA GAZOO Racing WOMAN」のブース パドック
パドックエリアの中心に設けられたのが「TOYOTA GAZOO Racing EXHIBITION」。その名のとおりTOYOTA GAZOO Racingのマシンが一堂に集結。WECで活躍した「TS050 HYBRID」をはじめ、「ヤリスWRCテストカー」「LEXUS RC F」など、数多くのレーシングカーを展示。子供向けには運転席に座ることができる搭乗体験も行なわれていた。
一方、このパドックエリアにはイベント協賛各社のブースも数多く出展。レースチームのブースでは使用済みパーツが、パーツメーカーのブースではパーツやグッズなどがイベント限定価格で販売されていた。
数々のマシンが並ぶTOYOTA GAZOO Racing EXHIBITIONテント 豪州一周 モービルガス ラリー(1957年)に出場したトヨペット クラウン TOYOTA GAZOO Racing Vitz GRMN Turbo(2016年) TOYOTA TEAM TOM'S SPIRIT 86(2012、2013、2015年) P.MU/CERUMO INGING SF14(2016年) 世界耐久選手権(WEC)第7戦で見事優勝を果たしたTS050 HYBRID(2016年) 2012年からWECに参戦したTS030 HYBRIDの心臓部。3.4リッターガソリンエンジンとモーターの組み合わせ 2014年にスタートした五大陸走破プロジェクトに使用されたランドクルーザー70(豪州仕様) ユーザーから寄付されたトヨペット クラウンをレストア、展示していた神奈川トヨタ 2017年1月から同社ディーラーで展示される予定だという ブレーキまわりのパーツでおなじみのエンドレスはヨタハチとパブリカを展示 フジツボはトヨタ車用マフラーのアウトレットセールを実施していた ブリヂストンのモーターホームはお手頃価格のカフェに サイクルロードレースでニュートラルサービスを行なうマヴィックはサービスカーを展示 ピットエリア
当日、サーキットを走行する車両のピットエリアを開放。間近でピット作業を見ることができたほか、過去のラリー参戦車両も展示されていた。
オリジナルグッズが貰えるキャンペーンを行なっていた こちらはニュルブルクリンク24時間レースに出場したTOYOTA C-HR Racing(2016年) ニュルブルクリンク24時間レースに出場、SP-PROクラスで優勝したLEXUS RC F(2016年) ニュルブルクリンク24時間レースに出場したLEXUS LFA Code X(2015年)。こちらもSP-PROクラスで優勝している ニュルブルクリンク24時間レースに出場したLEXUS RC(2015年) ニュルブルクリンク24時間レースに出場したTOYOTA 86(2014年)。SP3クラス1位 ニュルブルクリンク24時間レースに出場、SP8クラスで優勝したLEXUS LFA(2014年) ニュルブルクリンク24時間レースに出場、SP8クラスで優勝したLEXUS LFA(2012年) 2011年のニュルブルクリンク24時間レースに出場したLEXUS LFA。参戦時のゼッケンは#87 ニュルブルクリンク24時間レースに出場したTOYOTA ALTEZZA RS200(2007年 2009年のニュルブルクリンク24時間レースに出場したLEXUS LF-A LEXUS LFAニュルブルクリンクパッケージ。ニュルブルクリンク24時間レースでは2008年のLF-Aから2014年のCode Xまで6回参戦し、SP8クラス優勝2回、SP-PROクラス優勝1回のリザルトを残した スーパー耐久シリーズST-4クラスに出場したTOYOTA Team TOM'S SPIRIT 86。2013年から3回のクラス優勝を果たしている カローラ WR-Carのプロトタイプ(1997年) 藤本吉郎選手がドライブし、サファリラリーで優勝したセリカGT-Four(ST185/1995年) セリカ GT-Four(ST165/1990年)。こちらもサファリラリー優勝車 2016年のスーパーフォーミュラでドライバータイトルを獲得した国本雄資選手がドライブしたP.MU/CERUMO・INGING SF1。壁のフロントウイングは参戦時のゼッケン「2」、車両に装着されているウイングはチャンピオンを示す「1」になっている VANTELIN KOWA TOM'S SF14(2016年) フジ・コーポレーション KONDO SF14(2016年) SUNOCO TEAM LEMANS SF14(2016年) ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14(2016年) 2016年SUPER GTのチャンピオンマシンとなったDENSO KOBELCO SARD RC F SYNTIUM LMcorsa RC F GT3(2016年) WedsSport ADVAN RC F(2016年) KeePer TOM'S RC Fとau TOM'S RC F(2016年) TOYOTA PRIUS apr GT(2016年) SUBARU BRZ(2016年)。搭乗体験ができるキッズライドを行なっていた TOYOTA 7 ターボ。1970年に開催された富士1000㎞でエキシビジョン走行を行なった インタープロト参戦のMS☆S Syn駆 Racingとララパルーザ(2016年) インタープロト参戦のJ-Gear7&とおる君とJ-Gear8&air-J(2016年) DAKAR EXPERIENCE
ヘアピン近くの駐車場「P20」で行なわれていたのが、このイベント。ダカールラリーに出場した「日野レンジャー」「トヨタ ランドクルーザー200ラリー車」が主役となり、デモランのほか同乗体験や搭乗体験が行なわれていた。TGRFラリーチャレンジのSS1の会場もここ。
過激な走りで観客を沸かせた日野レンジャーのデモ走行 オーナーズクラブパレードラン
レーシングコース最初のイベントとなったのが約50クラブ、300台の車両が参加して行なわれたパレードラン。現行のトヨタ車はもちろん、「トレノ」や「レビン(AE86)」「MR2(AW11)」「トヨタ 2000GT」、それにスバル車など多くの車両がコースを賑わせた。
トヨタ 2000GTなど300台あまりがサーキットを走行 86/BRZレース ラウンドTGRF
1年間を通じて行なわれたワンメイクのよる86/BRZレース。2016年のシーズンは終了しているが、エクストララウンドとしてTGRFでもレースが行なわれた。「GAZOO Racing 86/BRZ Race」奮闘記を連載中の橋本洋平氏も参加していた。
プロフェッショナルシリーズとクラブマンシリーズに参戦する車両37台が混走したレースは、♯97近藤翼選手が制した ニュルブルクリンクエキシビジョンレース
世界一過酷なレースと言われる「ニュルブルクリンク24時間レース」に参戦した車両が集結。今年度はもちろん過去の車両も参加、クラスごとにハンデを付けつつレースを繰り広げた。モリゾー選手も参加していたものの、トラブルによりなかなか走行できない、なんてひと幕も。
雨模様で薄暗いニュルを思わせる天候のなか、8台のマシンが走行 サーキットエクスペリエンス
気軽にサーキットを体験できるイベントとして、プロドライバーが運転する86やヴィッツの助手席でサーキットを体験できる「サーキットタクシー」、ホンモノのレーシングカーの助手席でサーキット走行が体験できる「レーシングカー同乗体験」、チーム監督らと一緒にバスに乗って解説を聞きながらレーシングカーの走行が楽しめる「サーキットサファリ」といったコンテンツを用意。すべて有料となっていたものの、いずれも人気が高かったようだ。
バスの中からレーシングカーの走りを間近で見ることができるサーキットサファリ さまざまなカテゴリーの車両が混走していたため、珍しいシーンが数多く見られた SUPER GT vs スーパーフォーミュラ スペシャルバトル
イベントのトリを務めるのは、2016年のSUPER GTとスーパーフォーミュラを戦った車両によるガチバトル。SUPER GTはDENSO KOBELCO SARD RC F、スーパーフォーミュラはP.MU/CERUMO・INGING SF1と、両カテゴリーのチャンピオンが参戦するだけに、盛り上がりは必死。会場を訪れたファンにはたまらない1戦となるはずだったが、この頃から雨が強くなりはじめたため、セーフティーカー先導でのスタート。ローリングスタートでレーススタートとなったものの、さらに雨が強くなったこともあり2周目で赤旗、そのまま中止となった。
スーパーフォーミュラ勢の後方はGT500クラスの車両 先頭を走る国本雄資選手のP.MU/CERUMO・INGING SF1