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シトロエン、クロスオーバースタイルに生まれ変わった新型「C3」発表会

シャッター操作だけで画像などをシェアできる「コネクテッドカム」世界初採用

2017年7月7日 開催

新型「C3」とプジョー・シトロエン・ジャポン株式会社 代表取締役社長 クリストフ・プレヴォ氏

 シトロエン(プジョー・シトロエン・ジャポン)は7月7日、5ドアハッチバック「C3」をフルモデルチェンジして発売し、都内でプレス発表会を開催した。

 新しいC3は「フィール」(216万円)、「シャイン」(239万円)の2グレード展開となり、パワートレーンには直列3気筒DOHC 1.2リッターターボエンジンと6速ATを用意。このほかの詳細は関連記事「シトロエン、ドライビング風景を撮影する世界初『コネクテッドカム』搭載の新型『C3』」を参照していただきたい。

7月7日に発売されたシトロエンの新型C3
C3 シャイン
発表会の会場には、新たらしいC3の発売を記念する200台限定の「シャイン DEBUT EDITION」も展示された
フロントアッパーグリルから左右に連続するLEDはデイタイムランプ。バンパー中段にあるオーバル形状の灯火がヘッドライトで、内側がハイビーム、外側がロービームとなる。下段にあるフォグランプも全車標準装備
奥行き感を演出する「3Dエフェクト」デザインのリアコンビネーションランプ
限定車専用となる17インチアロイホイール。タイヤサイズは205/50 R17
2015年~2017年の3年連続で「インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー」を獲得した「HN01」型の直列3気筒DOHC 1.2リッターターボエンジンを全車で採用
C4 カクタスでも採用している「エアバンプ」を新たに導入。前方側のアクセントカラーは、ルーフが赤い場合は赤、そのほかの場合は白となる
ルームミラー前方のオンボードHDカメラ「コネクテッドカム」を世界初採用
シャイン DEBUT EDITIONのインテリア
革巻ステアリングを標準装備
特徴的なデザインのメーターパネル。スピードメーターは220km/hスケールとなる
C3 シャインのシートには、肩口にレッドにラインをアクセントに使うファブリック表皮を採用。柔らかいインナーフォームを組み合わせることで快適性とサポート性を両立する
ラゲッジスペースの容量は300L。6:4分割可倒式リアシートを全車で採用する
メタル調のインナードアハンドルを前後のドアで採用。フロントドアのグリップは旅行用トランクのストラップがモチーフ。「握るたび、遠くまで旅行するようなわくわく感を演出する」という
プジョー・シトロエン・ジャポン株式会社 代表取締役社長 クリストフ・プレヴォ氏

 発表会では、最初にプジョー・シトロエン・ジャポン 代表取締役社長のクリストフ・プレヴォ氏が登壇。プレヴォ氏は1922年に日本市場での販売がスタートして100年近い歴史を重ねてきたシトロエンだが、現代において新たな章の幕開けを迎えていると語り、一方でこの新しい歴史にも、創始者であるアンドレ・シトロエンの魂がしっかりと宿っているとプレゼンテーションの口火を切った。

 プレヴォ氏はアンドレ・シトロエンの魂とは、自動車に対して「ユニーク」「創造的、かつオプティミスティック」といったもので、楽観的な見方を持ったブランドのあり方を追求していると解説。これを受け、自分たちはシトロエンブランドを「真のアイコン的ブランド」と位置付け、上昇志向の高いブランドにしたいとの野望を持っていると語った。

 この実現に向け、「製品」「販売ネットワーク」「シトロエンブランドとのつながりを意識したサービスの提供」という3点を基盤に積み重ねていくと市場戦略を紹介し、このなかで新たに「シトロエンアドバイザー」と呼ぶサービスの導入を間近に控えており、このシトロエンアドバイザーでは、ユーザーが自分たちのシトロエン車についてのほか、シトロエンディーラーでの体験などをインターネット上で評価できるという。

 また、シトロエンのプロダクト戦略は、世界の市場で適用できるデザインをクルマに与えることに加え、各地での要求やユーザーの期待に応えるプロダクトを用意することに重きを置いていると語り、とくに日本市場のユーザーは、デザインの創造性や技術面などに渡って要求レベルが高いと認識。そこで、新しいC3の導入などで今年のプロダクト戦略を構築していると述べた。

 新型C3が持つ特徴としては、どのクルマを見てもひと目でシトロエンのモデルと分かるユニークで強い特徴を持つ「一貫性」、PSAグループで開発されたプラットフォームやトランスミッションなどの最新技術を導入する「テクノロジー」を持っているとアピール。また、「テクノロジー」ではシトロエンモデルならではのポイントである「シトロエン・アドバンストコンフォート」を導入。近代的な心地よさをバランスよく追求するシートとサスペンションを採用しており、さらにシトロエンのDNA技術「プログレッシブ・ハイドロリッククッション」も搭載していると説明した。

 プレヴォ氏はこの新型C3を市場導入することで、日本市場でメジャーなセグメントに特徴のある製品を提供できること、日本市場での成長を目指していることなどが明らかになると語った。

「セグメントで類を見ない極上の足まわり」と関マネジャー

プジョー・シトロエン・ジャポン株式会社 マーケティング部 商品企画グループ マネジャー 関博幸氏

 新型C3のスペックなどについては、プジョー・シトロエン・ジャポン マーケティング部 商品企画グループ マネジャー 関博幸氏が解説を実施。

 関氏は、シトロエンのベストセラーカーであるC3が、2002年のデビューからこれまでに世界で累計350万台以上を販売していると紹介し、シトロエン全体での販売台数で5分の1を占めているほか、日本市場では販売比率が3分の1となっている非常に重要なモデルであると解説。3代目となる新しいC3も同様の位置を占めることを期待しているという。

 フルモデルチェンジに際して行なった市場調査では、「実用性」「快適な乗り心地」「価格」といった基本性能の部分がカスタマーから重視されるとしつつ、さらに「守られているという安心感」「個性を主張できるユニークさ」「いつでも仲間たちとつながっていたい」という要望も寄せられたという。このため、新型C3では「従来のセグメントの殻を破るなにか」が必要であるとされ、「デザイン」「カスタマイゼーション」「コンフォート」「テクノロジー」の4点をキーワードに開発を実施したと関氏は紹介。

C3シリーズはシトロエンのベストセラーカーであり、日本市場では販売比率の3分の1を占める重要度の高いモデルとなっている
キーワードは「5ドア」「5人乗り」「4.0mを切る全長」「300Lのラゲッジスペースによる高い実用性」の4点
市場調査ではクルマとしての基本性能に加え、「守られているという安心感」「個性を主張できるユニークさ」「いつでも仲間たちとつながっていたい」という要望も寄せられた
3代目C3では既存のユーザーに加え、新たにトレンドやスタイルに敏感でアクティブなファミリー層にアピールし、より多くの若いユーザーを獲得し、ブランドイメージをリフレッシュすることを目指したという

「デザイン」では、シトロエンの「C4 ピカソ」「C4 カクタス」から受け継がれたスタイリングコードにより、強烈な存在感を放つフロントマスクを与えてC3にユニークさを付与。2層に配置したデイタイムランプとヘッドライトが大きな特徴であり、サイドビューではウィンドウまわりやフェンダーアーチ、ホイールの一部などをブラックアウトしてたくましさを表現しているという。さらにC4 カクタスで初採用した、樹脂に空気を封入した「エアバンプ」を全車に装着。実際に外部からの軽微なショックを和らげる効果を持ち、乗員に「守られている」という安心感を与えてくれると解説した。

 また、「カスタマイゼーション」ではボディカラー7色に3種類のルーフカラーをそれぞれ組み合わせ可能としており、さらにグレーをベースにした内装でも「グリーン&ブラック」「アーバンレッド」という2種類のインパネ加飾を設定。ユーザーの多様なニーズに応えられるとしている。

「コンフォート」はシトロエンブランドがスタートした当時から一貫して追及しているDNAと言える部分だと関氏は語り、近年になって再定義した「シトロエン・アドバンストコンフォート」に沿って開発を実施。シトロエン独自のサスペンション設計により「セグメントで類を見ない極上の足まわり表現している」と位置付けるほか、パワーステアリングも低速時の滑らかな操作性にこだわって市街地での良好な取りまわしを実現しているとアピールした。

「テクノロジー」では先進安全装備である「アクティブセーフティブレーキ」をはじめ、「レーンデパーチャーウォーニング」「ドライバーアテンションアラート」などの各種運転支援機能を搭載。また、搭載する直列3気筒DOHC 1.2リッターターボエンジンは最高出力81Kw(110PS)/5500rpm、最大トルク205Nm/1500rpmを発生し、アイシンAWとPSAグループで共同開発した6速AT「EAT6」と組み合わせることでJC08モード燃費18.7km/Lを達成する。

 これに加え、新型C3では世界初の装備となる「コネクテッドカム」を採用。運転中にドライバーがソーシャルネットワークとつながることができる装備となっており、ドライブレコーダーとして安全にも寄与するほか、シャッター操作をするだけで、画像やムービーをシェアできるようになっている。

 最後に関氏は「ニューC3の登場によってコンパクトセグメントに新しい選択肢が増えました。より多くのみなさまに“シトロエンの考えるフレンチコンパクト”を選択していただけるよう、私どもも顧客満足度の向上を含めたすべての活動で努力してまいりますことをここにお約束します」とコメントしてプレゼンテーションを締めくくった。

新型C3ではボディカラー7色、ルーフカラー3種類、インパネ加飾2種類を用意。「ありきたりのクルマを買うのではなく、自分に合った1台をお選びください」と関氏
シトロエン独自のサスペンション設計で「セグメントで類を見ない極上の足まわり表現している」とアピール
ソファのような快適なシート、オプション設定のパノラミックガラスルーフで居心地のいい車内空間を演出する
リアシートのレッグスペースも先代から22mm拡大
旅行用トランクのストラップがモチーフというフロントドアグリップなどにより、シトロエン独自の遊び心を表現しているという
先進安全装備である「アクティブセーフティブレーキ」などを採用
直列3気筒DOHC 1.2リッターターボの「HN01」型は「インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー」を3年連続で獲得したPSAグループの自信作
ドライブレコーダーとしても機能する「コネクテッドカム」を世界初採用
グレード体系と主な装備品
シトロエン 2CV
1948年にデビューしてシトロエンの代表的なモデルとなった2CVも会場内に展示された