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【F1日本グランプリ 2017】ベッテル選手がコースレコードにコンマ2秒まで迫るタイムでフリー走行1回目トップ

2位はメルセデスのハミルトン選手で選手権トップ2がガチンコ勝負に

2017年10月6日 開催

F1日本GPのFP1で最速タイムをマークしたセバスチャン・ベッテル選手(5号車 フェラーリ)

「2017 FIA F1世界選手権シリーズ 第16戦 日本グランプリレース」(F1日本GP)が、10月6日~8日の3日間に渡って三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキットにおいて開催されている。全20戦で行なわれている2017年シーズンもいよいよ残り5戦を残すのみになり、現在ランキングトップのメルセデスのルイス・ハミルトン選手と、2位のフェラーリ セバスチャン・ベッテル選手のランキング争いは、ここ数戦でフェラーリに数々の不運が起きたことによりハミルトン選手有利な状況に傾きつつある。

 そうした状況で迎えたF1日本GPだが、10月6日には翌日の予選を見据えた練習走行の1回目(FP1)と2回目(FP2)が行なわれた。金曜日の鈴鹿市の天気予報は曇りのち雨で、午前中のFP1の途中で降雨との予報が出ており、午後に行なわれるFP2に関してはウェットコンディションになることが予想されていたため、多数のチームが通常よりも多くFP1を走る状況になり、5号車フェラーリを駆るベッテル選手が1分29秒166というタイムでトップタイムをマークした。

 このタイムは2006年に同じくフェラーリのミハエル・シューマッハ選手がマークした、現在の鈴鹿サーキットのコースレコードである1分28秒954に約0.2秒差まで迫ったもので、明日の予選が予報どおり晴れれば、約11年ぶりにコースレコードが更新されることになりそうだ。

コースレコードまで約0.2秒まで迫ったフェラーリのベッテル選手がトップに

 10月16日の三重県の海側は、朝からどんよりとした雲が垂れ込める不穏な天候。予報では、FP1が始まる10時~11時ごろにかけて雨が降ってくるということで、確かに空を見上げると黒い雲があり、いつ降ってきてもおかしくない状況でFP1は始まった。

 通常のグランプリであれば、FP1は多くのクルマが走ってタイヤのゴムがコースにつく状態(ラバーイン)を待ってから上位チームが走り出すことが多いのだが、今回は下位チームだけでなく上位チームも、FP1開始早々から本気で走り込んでいるチームが多かった。というのも、FP1の途中で本格的に雨が降り出して路面が濡れてしまうと、FP2は仮に雨が上がってもドライでは走れないことが予想されるため、ドライコンディションでいろいろなことを試すには「FP1で雨が降り出すまでに」というのが各チームの共通した認識だからだ。

 ただし、予報に反して雨はパラパラと降り始めているものの、コースを濡らすまでには至らず、FP1はほとんどの時間をドライで走ることができた。ただし、途中でカルロス・サインツ選手(55号車 トロロッソ)がヘアピンを立ち上がったところでクラッシュ。コースを塞いだために赤旗で中断したほか、残り5分にはコース全域で雨となったため、事実上そこでセッションが終了となった。

 こうしたなかで、選手権上位の3チーム(メルセデス、フェラーリ、レッドブル)は順調に走行を重ね、今回持ち込まれているミディアム、ソフト、スーパーソフトという3種類のタイヤのうち、ソフトとスーパーソフトを主に利用して走り込んだ。トップタイムをマークしたのはベッテル選手(5号車 フェラーリ)で、ベッテル選手のタイムは1分29秒166。2006年に同じくフェラーリのミハエル・シューマッハ選手がマークした1分28秒954に約0.2秒差まで迫るタイムとなった。

 2位はハミルトン選手(44号車 メルセデス)の1分29秒377、3位はダニエル・リカルド選手(3号車 レッドブル・レーシング・タグホイヤー)で1分29秒541が続いた。以下4位キミ・ライコネン選手(7号車 フェラーリ)、5位バルテリ・ボッタス選手(77号車 メルセデス)、6位マックス・フェルスタッペン選手(33号車 レッドブル・レーシング・タグホイヤー)と続いた。

FP1で2位となったルイス・ハミルトン選手(44号車 メルセデス)
FP1で3位となったダニエル・リカルド選手(3号車 レッドブル・レーシング・タグホイヤー)

 トップ3チームに続く7位以下の争いでは、7位エステバン・オコン選手(31号車 フォースインディア・メルセデス)、8位ニコ・ヒュルケンブルグ選手(27号車 ルノー)、9位ロマン・グロージャン選手(8号車 ハース・フェラーリ)、10位 ストフェル・バンドーン選手(2号車 マクラーレン・ホンダ)と続いており、熾烈な4番手チーム争いが、フォースインディア・メルセデス、ルノー、ハース・フェラーリ、マクラーレン・ホンダと4チームが入り乱れての争いとなっている。ここのところ2戦連続7位入賞と調子が上向きのマクラーレン・ホンダも引き続き好調を維持しているようだ。

FP1で7位になったエステバン・オコン選手(31号車 フォースインディア・メルセデス)
FP1で8位になったニコ・ヒュルケンブルグ選手(27号車 ルノー)
FP1で9位になったロマン・グロージャン選手(8号車 ハース・フェラーリ)
FP1で10位になったストフェル・バンドーン選手(2号車 マクラーレン・ホンダ)
フリー走行1回目結果
順位カーナンバードライバー車両タイム周回数
15セバスチャン・ベッテルフェラーリ1分29秒166-23
244ルイス・ハミルトンメルセデス1分29秒377+0.211秒29
33ダニエル・リカルドレッドブル・レーシング・タグホイヤー1分29秒541+0.375秒27
47キミ・ライコネンフェラーリ1分29秒638+0.472秒22
577バルテリ・ボッタスメルセデス1分30秒151+0.985秒30
633マックス・フェルスタッペンレッドブル・レーシング・タグホイヤー1分30秒762+1.596秒26
731エステバン・オコンフォースインディア・メルセデス1分30秒899+1.733秒22
827ニコ・ヒュルケンブルグルノー1分30秒974+1.808秒24
98ロマン・グロージャンハース・フェラーリ1分31秒032+1.866秒22
102ストフェル・バンドーンマクラーレン・ホンダ1分31秒202+2.036秒24
1120ケビン・マグネッセンハース・フェラーリ1分31秒216+2.050秒15
1214フェルナンド・アロンソマクラーレン・ホンダ1分31秒235+2.069秒19
1311セルジオ・ペレスフォースインディア・メルセデス1分31秒530+2.364秒23
1418ランス・ストロールウィリアムズ・メルセデス1分31秒602+2.436秒22
1530ジョリオン・パーマールノー1分31秒757+2.591秒22
1619フィリペ・マッサウィリアムズ・メルセデス1分31秒912+2.746秒20
1755カルロス・サインツトロロッソ1分32秒252+3.086秒14
1810ピエール・ガスリートロロッソ1分32秒501+3.335秒18
1994パスカル・ウェレインザウバー・フェラーリ1分32秒897+3.731秒29
209マーカス・エリクソンザウバー・フェラーリ1分33秒397+4.231秒28

FP2は土砂降りでスタートが45分間遅れ、ほとんどの車両が走らず

 FP2は14時からスタート予定になっていたが、鈴鹿サーキットでは午前中から降り続いた雨がFP2直前から強くなり、13時53分にスタートディレイが発表された。その後も雨は強くなる一方で、マーシャルカーのチェック走行がスタート前と14時15分に行なわれたが、いずれもマーシャルカーですらアクアプレーニングが発生してしまうような状況で、スタートできない状況が続いた。

ヘビーウェット路面となったFP2を走るフェルナンド・アロンソ選手(14号車 マクラーレン・ホンダ)

 その後、14時30分にも同じようにマーシャルカーがチェック走行を行ない、雨が徐々に弱まる傾向になったこともあり、14時45分にFP2のセッションがスタートすることになった。ただし、それでも路面はヘビーウェットのままで、出て行く車両はフルウェットタイヤを装着している状況。このため、ピットを出た車両も1周を走り終えるとストレートは通過せずにピットに戻ってしまうような状況だった。セッションの終盤は再び雨が強くなり、セッションは事実上そのまま終了ということになった。

 FP2のトップタイムはハミルトン選手、2位はオコン選手、3位はセルジオ・ペレス選手(11号車 フォースインディア・メルセデス)となったが、順位にはほぼ意味がないセッションとなった。

 明日10月7日は12時からフリー走行3回目(FP3)が、そして15時から予選が行なわれ、10月8日の14時スタートが予定されている決勝レースに向けてスターティンググリッドが決定されることになる。

フリー走行2回目結果
順位カーナンバードライバー車両タイム周回数
144ルイス・ハミルトンメルセデス1分48秒719-4
231エステバン・オコンフォースインディア・メルセデス1分49秒518+0.799秒3
311セルジオ・ペレスフォースインディア・メルセデス1分51秒345+2.626秒3
419フィリペ・マッサウィリアムズ・メルセデス1分52秒146+3.427秒3
518ランス・ストロールウィリアムズ・メルセデス1分52秒343+3.624秒4
67キミ・ライコネンフェラーリ--1
727ニコ・ヒュルケンブルグルノー--1
830ジョリオン・パーマールノー--1
99マーカス・エリクソンザウバー・フェラーリ--3
105セバスチャン・ベッテルフェラーリ--1
1114フェルナンド・アロンソマクラーレン・ホンダ--2
1294パスカル・ウェレインザウバー・フェラーリ--2
1355カルロス・サインツトロロッソ--1
142ストフェル・バンドーンマクラーレン・ホンダ--1