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レッドブル エアレース 世界チャンピオンの室屋義秀選手、将来構想「ビジョン2025」で福島でのエアレース開催への思いを話す
福島の「ふくしまスカイパーク」に凱旋
2017年10月20日 19:59
- 2017年10月20日 開催
2017年のレッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンとなった室屋義秀選手(No.31 チーム ファルケン)が10月20日、地元の福島県にある「ふくしまスカイパーク」で会見を実施。会見で室屋選手は将来構想「ビジョン2025」を示し、将来の航空産業発展に向け、子供たちを対象とした航空教室の開催や地元の福島でのエアレース開催実現への思いなどを話した。
同会見では、室屋選手が2017年シーズンのレッドブル・エアレースを振り返るとともに、室屋選手の今後2025年までの活動や構想を示した「ビジョン2025」が紹介された。
ビジョン2025を示すことについて、室屋選手は「トロフィを獲りにいくという活動は続けるとして、世界の頂点に近づいている実感もあったので、そろそろ皆さんからいただいたものを返さないといけないと考えていたのです。しかし、返そうとしてもたいていの人から“いらない”と言われるので、どうしたらいいのかを考えていました。そうしたら“次の世代に送っていけばいいんですよ”と言われて、福島のため、子供のため、航空業界を本気で大きくするにはと考えて、もっと幅広い人に航空の世界を知ってもらうことだろうと。10年くらいかけて子供たちが大きくなったときに、航空産業に職業として就いてもらう、人間を作るところの入り口を我々が担えたら面白い」とその狙いを明かした。
航空教室を開催するための新しい施設の準備も進んでいると言い、室屋選手は「教育は本業ではないのですが、派手なことをして注目を浴びるのは得意なので、航空教室とかを定期的に開催できたらいいなと。来夏には新しい施設もできますので航空教室を開催して、そのなかから飛び抜けて興味を持ってくれる子も出てきたくれたらもうけもの。そういう子たちがいろんな仲間を連れてきてけん引してくれて、新しい世界を作ってくれる」との考えを示した。
航空教室の開催は航空の世界を知ってもらうことが狙いと言い、室屋選手は「パイロットは目立つのでメインに見えますが、たくさんいるチームのピースの1つでしかない。整備や準備をしてくれる人がいなければ飛行機は飛びません。いろいろな世界があることを知ってもらって、整備に興味があったら整備の専門学校もありますし、どういう世界があるのかを大人が見せてあげられたら、子供が選択できると思う」と語った。
また、室屋選手は「航空教室では年間20講座ぐらいを用意して、ほとんど遊びながら、科学の実験のような感じで、航空機の世界がどのような仕組みになっているのか学んでもらう。中学2年生ぐらいまでを対象にして、中学3年生になれば進路を選択するときに、高校はどうしようか、大学はどこにするのか、専門学校に行くのか、いろんなことを選択する余地が出てくると思います。そういった定期的な活動をしていきたい」と話した。
また、将来ビジョンのビジョン2025には地元の福島でエアレース開催を実現させたいという室屋選手の思いが込められている。
室屋選手は「福島でエアレースをすれば、世界中に配信されて福島の現状が映ると思います。開催されれば10万人が集まるでしょうから、福島に泊ってもらい、食事をして、人と触れ合ってもらえば、福島の現状を知ってもらうにはいいのかな。自分はレースの世界しか知らないのですが、エアレースが少しでも役立つのではと思いついた」と、その思いを語った。
将来のビジョンを実現させることについて、室屋選手は「(チャンピオンを獲得したことで)自分自身は変わらないが、まわりの皆さんが変わっていくと思う。総合優勝したことで皆さんに知ってもらえる力は少しは積み増しになったと思うので、そういった意味で(ビジョンを実現させる)環境は皆さんの力で変わっていくのではないか」と述べた。