トヨタ、都内500台のタクシーの走行画像データをAIで解析して「レーン別渋滞情報」をスマホに配信

レーン別渋滞情報のスマートフォン表示イメージ。情報を表示可能な場所に近づくと、渋滞しているレーンを色で表示し、同時に音声で知らせる。タップすると映像がポップアップする

　トヨタ自動車は10月23日、全国ハイヤー・タクシー連合会と4月に開始した実証実験の成果として、車線ごとの混雑情報を提供する「レーン別渋滞情報」を、スマートフォン向けナビゲーションアプリ「TCスマホナビ」に配信するサービスを2018年春より開始すると発表した。

　今回、同社が開発したレーン別渋滞情報は、東京都で走行する500台のタクシー車両に搭載した通信型ドライブレコーダー「TransLog」から収集された「走行画像データ」を、AI（人工知能）を用いて解析することにより、車線ごとの混雑情報を提供するもの。

　従来の交通情報では、道路の区間単位でしか認識できなかった渋滞状況が、車線単位に認識でき、さらにその状態を画像でも確認できるようになるとしている。

　同社によると、今回の実証サービスは情報の提供範囲が東京都心部となり、TCスマホナビのみでの利用となるが、ユーザーの利用状況や各種の技術的評価を行ない、提供地域や利用できる情報端末を拡大することも検討していくとしている。

　また、タクシーの走行画像データからは、工事規制や事故車両の情報、路上の障害物、さらには駐車場の満空状況や道路沿いの店舗の混雑状況などさまざまな情報が得られ、同社ではそれらの情報をリアルタイムに抽出し、新たな交通情報サービスとして提供する開発を進めていく。

　なお、10月25日～11月5日（プレスデー：10月25日～26日、一般公開日：10月27日～11月5日）に東京ビッグサイト（東京都 江東区 有明）で開催される「第45回東京モーターショー2017」の主催者テーマ展示「TOKYO CONNECTED LAB 2017」で、レーン別渋滞情報の表示を紹介する。

工事規制レーン情報のスマートフォン表示イメージ。情報を表示可能な場所に工事中を示すマークが表示され、タップすると映像がポップアップする