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【鈴鹿ファン感 2018】全7戦で2スペックタイヤ導入など2018年のスーパーフォーミュラ開催概要発表
新型車「SF19」の開発状況など報告、シェイクダウンは7月に
2018年3月12日 15:29
- 2018年3月10日 開催
日本レースプロモーションは3月10日、鈴鹿サーキットで開催された「2018 モータースポーツファン感謝デー」において2018年のSUPER FORMULA(全日本スーパーフォーミュラ選手権)シリーズ開催概要のプレスカンファレンスを開催した。
2018年シリーズの開幕を控え、会見には日本レースプロモーション 代表取締役社長 倉下明氏、日本レースプロモーション 技術顧問 白井裕氏、横浜ゴム タイヤ消費財開発本部 MST 開発部 部長 秋山一郎氏が登壇して、今シーズンのレースフォーマットや2スペックタイヤの全戦導入、2019年シーズンから導入される新型車両「SF19」の開発状況などについて説明した。
記者会見の冒頭、倉下氏は「2019年のSF19投入により、2018年はSF14の最後の年。SFのファンに魅力を聞いたところ、上位4つが“マシンの魅力”に関するもので、SF14というマシンの魅力にスーパーフォミュラが支えられていることは間違いない。また2つめの見どころとして、2スペックタイヤの全戦導入は、今年の大きなセールスポイントになる。3つめは、松下選手、福住選手という魅力的なルーキードライバーが参戦して、石浦選手を筆頭にベテランドライバーが“そう簡単には勝たせないぞ”と、ルーキーとベテラン勢の戦いが2018年の戦いの魅力」と、今年の見どころを紹介した。
2018年 全日本スーパフォーミュラ選手権 シリーズ開催概要
スケジュール
・Rd.1:4月21日〜22日 鈴鹿サーキット(三重県) 決勝300km
・Rd.2:5月12日〜13日 オートポリス(大分県) 決勝250km
・Rd.3:5月26日〜27日 スポーツランドSUGO(宮城県) 決勝250km
・Rd.4:7月7日〜8日 富士スピードウェイ(静岡県) 決勝250km
・Rd.5:8月18日〜19日 ツインリンクもてぎ(栃木県) 決勝250km
・Rd.6:9月8日〜9日 岡山国際サーキット(岡山県) 決勝未定
・Rd.7:10月27日〜28日 鈴鹿サーキット(三重県) 決勝300km
エントリーリスト
1:石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)TOYOTA RI4A
2:国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)TOYOTA RI4A
3:ニック・キャシディ(KONDO RACING)TOYOTA RI4A
4:山下健太(KONDO RACING)TOYOTA RI4A
5:野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)HONDA HR-417E
6:松下信治(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)HONDA HR-417E
7:TBA(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS) TOYOTA RI4A
8:大嶋和也(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS) TOYOTA RI4A
15:福住仁嶺(TEAM MUGEN) HONDA HR-417E
16:山本尚貴(TEAM MUGEN) HONDA HR-417E
17:塚越広大(REAL RACING) HONDA HR-417E
18:小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG) TOYOTA RI4A
19:関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL) TOYOTA RI4A
20:平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL) TOYOTA RI4A
36:中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S) TOYOTA RI4A
37:ジェームス・ロシター(VANTELIN TEAM TOM’S) TOYOTA RI4A
50:TBA(B-Max Racing team) HONDA HR-417E
64:ナレイン・カーティケヤン(TCS NAKAJIMA RACING) HONDA HR-417E
65:伊沢拓也(TCS NAKAJIMA RACING) HONDA HR-417E
全7戦で2スペックタイヤ制を導入
また、2018年シーズンの全日本スーパーフォーミュラ選手権は全7戦で2スペックタイヤ制を導入する。今シーズンで3年目となる2スペックタイヤは、2ストップなどチーム戦略に幅をもたらし、エキサイティングなレース展開に大きく寄与したとし、2種類のタイヤについてはオフィシャルタイヤサプライヤーである横浜ゴムが供給する。
横浜ゴムの秋山氏は「2017年に実績のあるタイヤをそのまま投入ということも考えたが、SF14最後の年ということで“よりアグレッシブなタイヤを”との要望もあり、さらなるソフトタイヤの導入に踏み切った。テスト結果では車両やコースによって違いはあるが、タイムで1秒~2秒のゲインを確認しており、場合によっては十数ラップで摩耗する可能性も十分あるタイヤ。新しいタイヤを実戦でチームやドライバーに上手く使っていただき、今シーズンを盛り上げる1つのファクターになればと思う」とコメントした。
SUPER FORMULA 次期車両「SF19」
2019年の全日本スーパーフォーミュラ選手権に導入される新型車両「SF19」については、現在順調に開発が進んでいるとし、2017年10月の「SF19」導入発表からこれまでに設計・製作担当のダラーラアウトモビリによる風洞 空力テストが無事終了したことが報告された。
SF19はこれまで同様、同レベルのエンジンパワーを有するシングルシーターカーの中で世界的に最も軽量な車両の1つであるといい、車両ダイナミクスの観点では、ホイールベースが短くなってこれまで以上の敏捷性、反応性を発揮。ダウンフォース、ドラッグ、空力バランス、冷却力、オーバーテイク機能といった空力面では、大いに期待できるデータが得られたとしている。
開発スケジュール(予定)
2017年11月~2018年3月:風洞空力テスト
2018年3月:モノコック、パーツ製造開始
6月:プロトタイプ完成
7月:プロトタイプ走行テスト(シェイクダウン・富士スピードウェイ)
10月:最終仕様の確定・量産開始
2019年1月:各チームへのデリバリー
日本レースプロモーションの技術顧問である白井氏は「クイック&ライドという基本コンセプトを踏襲しつつ、F1の2016年安全基準を満たそうとするとやはり重たくなるところで苦労していた。先週には風洞実験も終わり軽量化のめどもついた、5月ぐらいにはモデルカーができ、エンジンを組み込んで、7月ぐらいにはシェイクダウンとなる」との見通しをしめすとともに、「F1との違いはオーバーテイクのしやすいクルマづくりをしていること。(先行するマシンの後に付きやすくするため)空力面では整流を目的としていて、ダウンフォースについてはアンダーフロア側で生み出している。実車ができてからの楽しみではあるが非常にオーバーテイクのしやすいところがこのクルマの基本。7月のシェイクダウンをお楽しみにしていだきたい」とコメントした。