ニュース

ウラカンのワンメイクレース、「ランボルギーニ スーパートロフェオ アジア 第4戦」レポート

舗装の剥がれでコースレイアウト変更も、迫力の高速バトルを展開

2018年7月21日~22日 開催

 イタリアのスポーツカーメーカー、ランボルギーニでは同社が製造するコンペティションマシン「ウラカン スーパートロフェオ EVO」を使用するワンメイクレース「ランボルギーニ スーパートロフェオ」を開催している。

 このレースはヨーロッパ、アメリカ、アジアの3グループに分かれて開催されているが、最終戦では各地の上位ランカーによるワールドファイナルレースが行なわる仕組みで、開催場所はランボルギーニの地元、イタリアのバレルンガ・サーキットだ。

 日本はランボルギーニ スーパートロフェオ アジアシリーズに組み込まれていて、第3戦を鈴鹿サーキット、第4戦を富士スピードウェイで開催。ランボルギーニ ジャパン カントリー・マネージャーのフランチェスコ・クレシ氏と、アウトモビリ ランボルギーニ モータースポーツ部門の責任者であるジョルジオ・サンナ氏がカンファレンスを行なったので、本稿では第4戦のレース結果と合わせてその内容をお伝えする。

 なお、鈴鹿サーキットでの第3戦の模様は別記事で紹介しているので合わせてご覧いただきたい。

ランボルギーニ スーパートロフェオ アジアシリーズは日本では鈴鹿サーキットと富士スピードウェイで開催。海外のドライバーが多いレースだが、これらのコースを走ることを楽しみにしている選手が多いとのこと
レース前にはランボルギーニ車オーナーによるパレードランが行なわれた
パドックには最新モデルも展示
ランボルギーニ ウラカン ペルフォルマンテ スパイダー
ランボルギーニ アヴェンタドールS ロードスター
ランボルギーニ ウラカン ペルフォルマンテ クーペ

本国モータースポーツ責任者のジョルジオ・サンナ氏がプレゼン

ランボルギーニ ジャパン カントリー・マネージャーのフランチェスコ・クレシ氏

 フランチェスコ・クレシ氏は、「ランボルギーニは創立者のフェルッチオ・ランボルギーニが完璧なクルマを作り出そうとしたところから歴史が始まりました。そして2017年のことですが、これまでの新記録となる3815台を販売しました。これは前年と比較して10%の伸びとなります。そして日本はとても重要なマーケットで、ランボルギーニの販売では世界第2位のポジションとなります」と、ランボルギーニ車の販売が世界でも好調であり、なかでも日本は重要なマーケットに位置付けられていると解説。

 また、この成長を続けるために生産工場への投資を行なっていて、1963年では1万m2だった敷地が現在は16万m2まで拡大しているという。さらに生産工場だけではなく、研究開発に関しても積極的な投資を行なっている。「これには売り上げの10%を回しているほどの規模」とクレシ氏は語った。

フランチェスコ・クレシ氏のプレゼン資料
今後のブランド展開について。ランボルギーニは“ラグジュアリースポーツカーブランド”を目指すとのこと
ユーザーにランボルギーニを楽しんでもらうことも重要とのことで、世界の重要な都市において「ランボルギーニ・ラウンジ」といったものを展開しているという
ユーザーが実際に生産工場へ行って製造工程を見ることができる「ミュージアム&ファクトリーエクスペリエンス」も行なっているとのこと
アウトモビリ ランボルギーニ モータースポーツ責任者のジョルジオ・サンナ氏

 続いてはアウトモビリ ランボルギーニ モータースポーツ責任者であるジョルジオ・サンナ氏から、ランボルギーニのモータースポーツについての紹介が行なわれた。

 サンナ氏によると、スーパートロフェオは2009年にヨーロッパからスタートし、その後、開催地区を広げてスーパートロフェオ アジアシリーズも始まった。そして2018年に10周年を迎えるとのことで、10年間で18カ国、42カ所のサーキットで279回のレースを行ない、レースでの総走行距離は3万2000kmに及ぶと説明した。

ジョルジオ・サンナ氏のプレゼン資料

 2017年9月に発表し、2018年から使用されているウラカン スーパートロフェオ EVOは、従来のウラカン スーパートロフェオにEVOキットを組み込むことでアップグレードされるもので、今回の富士スピードウェイではGT3車両よりも速いタイムで走行しているとのこと。なお、今回のレースで走った車両は全てアップグレードされたものとのことだ。

2017年9月に発表したウラカン スーパートロフェオ EVO。空力面での進化が目立ち、速いだけでなく運転しやすく安全に走行できるようになっている
グローバルで開催しているレースで、最新のカレンダーには新シリーズとして中東が加わっていた
最終戦はイタリアのバレルンガ・サーキットで行なう。ここでは各地の上位ランカーによるワールドファイナルレースも行なわれる
ウラカン スーパートロフェオのスポンサーも紹介。中国の電子機器メーカー「OPPO」が新しいパートナーに
ランボルギーニのモータースポーツ部門「スクアドラ・コルセ」のGTカスタマーレーシングは2017年に8タイトルを獲得
2018年のデイトナ24時間とセブリング12時間でウィナーに。自動車メーカーとしてこの2つのレースで勝利したのはランボルギーニだけだという
2018年は60台のウラカン GT3が世界で11のチャンピオンシップを戦っているとのこと

レース1、レース2の結果

レース前のピットの様子

 さて、最後にレースの紹介をしよう。富士スピードウェイで開催されたランボルギーニ スーパートロフェオ アジアシリーズ 第4戦は、7月21日にレース1が、7月22日にレース2が行なわれた。

こちらは日本人チーム。 Car Guy Racingの99号車
こちらも日本人チーム。Hojust Racingの38号車

 このレースはPROクラス、PRO-AM(プロアマ)クラス、AMクラス、そして入門用のLCクラスに分かれているが、レースは同時スタートとなる。50分間のスプリントで、ドライバーは2人1組でチームを組み、スタート後20分~30分の間にドライバー交代を行なうのが特徴的なルール。

 なお、このピットインではタイヤ交換やガスチャージは行なわない。また、LCクラスのみドライバーは1人でもOK。ただ、その際も定められた時間内にピットへ入り、規定時間、ピットレーンでの停車が必要になる。

レース1スタート前のグリッドの様子
ポールポジションは63号車
2位は11号車。2位までがPROクラスで、3位はPRO-AMクラスの68号車

 今回の第4戦には15台のウラカン スーパートロフェオ EVOが参加。高速サーキットということで、ハイパワーで空力に優れたウラカン スーパートロフェオ EVOとの相性もよく、快晴だった土日の両日とも迫力の高速バトルが繰り広げられた。

 なお、今回はダンロップコーナーで舗装の剥がれが見つかったため、S字は通過ぜず外側を通るコースレイアウトに変更されている。レース1及びレース2のリザルトは下記のとおりだ。

ランボルギーニ スーパートロフェオ アジア 第4戦エントリー車紹介
レース1、トップ走行の63号車だったがピットスルーペナルティを受けて後退
最後にトップに立ったのは11号車。翌日のレース2でも優勝して2連勝を飾った
レース1、PROクラスの表彰式
2018 ランボルギーニ スーパートロフェオ アジア 第4戦 富士スピードウェイ レース1結果
順位NOクラスチームドライバー
111PROClazzio Racing Teamアファク・ヤジッド/ケイ・コッツォリーノ
219PROFFF Racing Team By ACMジャック・パーソロミン/ジェームス・プル
333PRO-AMLeipert Motorsportミッコ・エスケリネン/ユッソ・ブハッカ
42PROLeipert Motorsportリチャード・マスカット/ベン・ゲルセコウスキー
568PRO-AMGama Racingエバン・チャン/浅井亮博
659AMTrue Visions Motorsports Thailandスティラック・ブンチャローン
763PROFFF Racing Team By ACMアンドレア・アミーチ/アルトゥール・ヤノス
844LC852 Challengersポール・ワン/クレメント・リー
955AMFPC Racing浦田健/松永大祐
1098PRO-AMAylezo Motorsportクマール・ブラバカラン/マッシミリアーノ・ウィザー
2018 ランボルギーニ スーパートロフェオ アジア 第4戦 富士スピードウェイ レース2結果
順位NOクラスチームドライバー
111PROClazzio Racing Teamアファク・ヤジッド/ケイ・コッツォリーノ
263PROFFF Racing Team By ACMアンドレア・アミーチ/アルトゥール・ヤノス
368PRO-AMGama Racingエバン・チャン/浅井亮博
433PRO-AMLeipert Motorsportミッコ・エスケリネン/ユッソ・ブハッカ
52PROLeipert Motorsportリチャード・マスカット/ベン・ゲルセコウスキー
638PRO-AMHojust Racing落合俊之/松本武士
799AMCar Guy Racingたしろじゅん/古田聡
859AMTrue Visions Motorsports Thailandスティラック・ブンチャローン
955AMFPC Racing浦田健/松永大祐
1098PRO-AMAylezo Motorsportクマール・ブラバカラン/マッシミリアーノ・ウィザー
1188LCGDL Racingガブリエーレ・ムローニ
1230LCyh Racing Team松田貴道
1344LC852 Challengersポール・ワン/クレメント・リー