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【WEC 第4戦 富士】WEC 富士が開幕。金曜日のフリー走行はル・マン24時間レース優勝凱旋のトヨタが1-2を独占

ジェンソン・バトン選手が最も愛する寿司のネタとは?

2018年10月12日~14日 開催

FP1、FP2共にトップの8号車 TOYOTA TS050 HYBRID(セバスチャン・ブエミ/中嶋一貴/フェルナンド・アロンソ組、MI)

「2018-2019 FIA 世界耐久選手権 第4戦 富士6時間耐久レース(2018-2019 FIA World Endurance Championship Round 4 6 Hours of Fuji)」が、10月12日~14日に静岡県駿東郡小山町の富士スピードウェイで開催されている。

 初日となった10月12日には、1時間30分の練習走行が2回(FP1、FP2)行なわれ、6月に行なわれたル・マン24時間レースで初優勝を実現した、TOYOTA GAZOO Racingの「TOYOTA TS050 HYBRID」の2台がどちらのセッションでも1-2となり、2017年に続く2連覇に向けて順調なスタートを切った。

 また、FP1の終了後には、注目のドライバーなどが参加して行なわれるWEC恒例の金曜日記者会見が行なわれ、F1 モナコグランプリに引き続き、2018年のル・マン24時間レースに勝ったことで世界三大レース(F1 モナコグランプリ、インディ500、ル・マン24時間レース)のトリプルクラウン(三冠王)の二冠までを達成しているフェルナンド・アロンソ選手や、2009年のF1世界王者ジェンソン・バトン選手、そしてF1グランプリ通算3勝で日本でも人気のドライバーだったジャンカルロ・フィジケラ選手といった日本のファンにもなじみの深いドライバーたちが参加した。この会見には近隣にある御殿場市立高根小学校の小学生も参加しており、世界のトップアスリートをタジタジにしてしまう厳しい質問が浴びせかけられた。

「スーパーシーズン」の第4戦になるWEC 富士。ル・マンを制覇したトヨタの2台が練習走行でトップタイム

FP1、FP2ともに2位となった7号車 TOYOTA TS050 HYBRID(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ・マリア・ロペス組、MI)

 富士スピードウェイで開幕したWEC 富士は、WEC(FIA 世界耐久選手権)の第4戦に相当する。しかし、そのシーズン名が2018ではなく2018-2019となっていることからも分かるように、現在行なわれているシーズンは、2018年~2019年にまたがる「スーパーシーズン」と呼ばれる特別なシリーズとなっている。

 従来のWECが4月の開幕戦から始まり、11月の最終戦で終わっていたのに対して、このスーパーシーズン以降は、WECの中で抜群の知名度を誇るル・マン24時間レースを最終戦とすることになったのがその理由。切り替わりとなる今シーズンだけ、6月にシーズン第2戦として行なわれた2018年のル・マン24時間レースに加え、2019年6月に予定されている最終戦としてもル・マン24時間レースが行なわれるという、史上初めて1つのシーズンに2回のル・マン24時間レースが開催される形になっているのだ。

両セッションでトップタイムとなった8号車
FP1で3位だった11号車 BR Engineering BR1 - AER(ミカエル・アレシン/ヴィタリー・ペトロフ/ジェンソン・バトン組、MI)
FP2で3位だった3号車 Rebellion R13 - Gibson(マシアス・ベシェ/トーマス・ローラン/グスターボ・メネーゼス組、MI)

 今回のWEC 富士はそのスーパーシーズンの第4戦となる。会場の富士スピードウェイはトヨタ自動車の子会社が運営するサーキットで、まさにトヨタのホームグラウンドと言っていいだろう。その富士スピードウェイに凱旋するのが、6月のル・マン24時間レースでついに初優勝を遂げたTOYOTA GAZOO RacingのTOYOTA TS050 HYBRIDだ。優勝した8号車(セバスチャン・ブエミ選手/中嶋一貴選手/フェルナンド・アロンソ選手)、2位に入った7号車(マイク・コンウェイ選手/小林可夢偉選手/ホセ・マリア・ロペス選手)が、優勝の後初めて日本のファンの前で走るのがこのレースになる。

 2回行なわれた練習走行は、天候はギリギリもって雨は降っていなかったのだが、FP1、FP2共に長時間の赤旗中断となった。というのも、コーナーに設置されていた縁石のパーツが壊れてしまい、それを撤去、修復するために長時間かかってしまったからだ。このため、FP1は30分延長されたが、FP2は10分の延長で終了し、実質的に走れたのは最後の40分程度となってしまった。

FP1でLMP2の1位となった28号車 Oreca 07 - Gibson(フランソワ・ベロード/マテュー・ヴァクシヴィエール/ジャン・エリック・ベルニュ組、DL)
FP2でLMP2の1位となった36号車 Alpine A470 - Gibson(ニコラ・ラピエール/アンドレ・ネグラフォン/ピエール・ティリエ組、DL)

 両セッションでトップをとったのはトヨタの2台。両セッション共にトップに立ったのは8号車、2位も7号車だが、FP1で3位になった11号車 BR Engineering BR1 - AER(ミカエル・アレシン/ヴィタリー・ペトロフ/ジェンソン・バトン組、MI)はトップと約1秒差、2位とは約0.5秒差、FP2で3位となった3号車 Rebellion R13 - Gibson(マシアス・ベシェ/トーマス・ローラン/グスターボ・メネーゼス組、MI)のトップとの差は1.7秒程度、2位とは0.6秒程度と、前のシルバーストンのレースのように2秒以上の大差がついている状況ではなくなっている。このレースの前にEoT(性能調整)が改訂されてトヨタ勢のウェイトが増やされており、それがある程度は効いていると考えられる状況だ。

FP1でLMGTE Proの1位となった66号車 Ford GT(ステファン・ミュッケ/オリビエ・プラ組、MI)
FP2でLMGTE Proの1位となった95号車 Aston Martin Vantage AMR(マルコ・ソーレンセン/ニッキ・ティーム組、MI)
FP1でLMGTE Amの1位となった98号車 Aston Martin Vantage(ポール・ダラ・ラナ/ペドロ・ラミー/マシアス・ラウダ組、MI)
FP2でLMGTE Amの1位となった88号車 Porsche 911 RSR(星野敏/ジョルジオ・ローダ/マッテオ・カイローリ組、MI)

 翌10月13日には午前中に練習走行3回目(FP3)、14時からは予選が行なわれる予定だ。決勝レースは10月14日の11時にスタート予定で、17時に6時間レースのゴールを迎える予定となっている。

フリー走行1回目(FP1の結果)
順位クラスカーナンバー車両タイヤ第一ドライバー第2ドライバー第3ドライバータイムギャップ周回数
1LMP18Toyota TS050 - HybridMSebastien BUEMI中嶋一貴Fernando ALONSO1:25.847-43
2LMP17Toyota TS050 - HybridMMike CONWAY小林可夢偉Jose Maria LOPEZ1:26.3810.53444
3LMP111BR Engineering BR1 - AERMMikhail ALESHINVitaly PETROVJenson BUTTON1:26.8901.04323
4LMP11Rebellion R13 - GibsonMNeel JANIAndre LOTTERERBruno SENNA1:27.1511.30444
5LMP117BR Engineering BR1 - AERMStephane SARRAZINEgor ORUDZHEVMatevos ISAAKYAN1:27.6351.78836
6LMP13Rebellion R13 - GibsonMMathias BECHEThomas LAURENTGustavo MENEZES1:27.9162.06937
7LMP110BR Engineering BR1 - GibsonMJames ALLENBen HANLEY-1:29.0883.24140
8LMP14Enso CLM P1/01 - NismoMOliver WEBBTom DILLMANNJames ROSSITER1:29.2503.40326
9LMP228Oreca 07 - GibsonDFrancois PERRODOMatthieu VAXIVIEREJean-Eric VERGNE1:30.3604.51345
10LMP238Oreca 07 - GibsonDHo-Pin TUNGGabriel AUBRYStephane RICHELMI1:31.6055.75839
11LMP231Oreca 07 - GibsonMRoberto GONZALEZPastor MALDONADOAnthony DAVIDSON1:31.7055.85845
12LMP229Dallara P217 - GibsonMFrits VAN EERDGiedo VAN DER GARDENyck DE VRIES1:31.7085.86140
13LMP236Alpine A470 - GibsonDNicolas LAPIERREAndre NEGRAOPierre THIRIET1:31.9266.07944
14LMP237Oreca 07 - GibsonDJazeman JAAFARWeiron TANNabil JEFFRI1:31.9656.11842
15LMP250Ligier JSP217 - GibsonMErwin CREEDRomano RICCI井原慶子1:34.3428.49538
16LMGTE Pro66Ford GTMStefan MUCKEOlivier PLA-1:38.55512.70833
17LMGTE Pro91Porsche 911 RSRMRichard LIETZGianmaria BRUNI-1:38.81912.97242
18LMGTE Pro92Porsche 911 RSRMMichael CHRISTENSENKevin ESTRE-1:38.99613.14929
19LMGTE Pro67Ford GTMAndy PRIAULXHarry TINCKNELL-1:39.38713.5433
20LMGTE Pro51Ferrari 488 GTE EVOMAlessandro PIER GUIDIJames CALADO-1:39.42013.57331
21LMGTE Pro95Aston Martin Vantage AMRMMarco SORENSENNicki THIIM-1:39.42213.57538
22LMGTE Pro82BMW M8 GTEMTom BLOMQVISTAntonio Felix DA COSTA-1:39.62613.77936
23LMGTE Pro71Ferrari 488 GTE EVOMDavide RIGONSam BIRD-1:39.66013.81338
24LMGTE Pro81BMW M8 GTEMMartin TOMCZYKNicky CATSBURG-1:39.71513.86830
25LMGTE Am98Aston Martin VantageMPaul DALLA LANAPedro LAMYMathias LAUDA1:39.76313.91643
26LMGTE Am77Porsche 911 RSRMChristian RIEDJulien ANDLAUERMatt CAMPBELL1:39.92514.07838
27LMGTE Pro97Aston Martin Vantage AMRMAlexander LYNNMaxime MARTIN-1:40.12514.27844
28LMGTE Am90Aston Martin VantageMSalih YOLUCJonathan ADAMCharles EASTWOOD1:40.13914.29243
29LMGTE Am88Porsche 911 RSRM星野敏Giorgio RODA JRMatteo CAIROLI1:40.23214.38539
30LMGTE Am86Porsche 911 RSRMMichael WAINWRIGHTBenjamin BARKERThomas PREINING1:40.46914.62237
31LMGTE Am61Ferrari F488 GTEMWeng Sun MOK澤圭太Matthew GRIFFIN1:40.69414.84739
32LMGTE Am56Porsche 911 RSRMJorg BERGMEISTERPatrick LINDSEYEgidio PERFETTI1:40.78714.948
33LMGTE Am70Ferrari F488 GTEM石川資章Olivier BERETTAEdward CHEEVER1:40.87015.02339
34LMGTE Am54Ferrari F488 GTEMThomas FLOHRFrancesco CASTELLACCIGiancarlo FISICHELLA1:40.98015.13342
フリー走行2回目(FP2の結果)
順位クラスカーナンバー車両タイヤ第一ドライバー第2ドライバー第3ドライバータイムギャップ周回数
1LMP18Toyota TS050 - HybridMSebastien BUEMI中嶋一貴Fernando ALONSO1:23.973-30
2LMP17Toyota TS050 - HybridMMike CONWAY小林可夢偉Jose Maria LOPEZ1:25.0681.09529
3LMP13Rebellion R13 - GibsonMMathias BECHEThomas LAURENTGustavo MENEZES1:25.6971.72422
4LMP111BR Engineering BR1 - AERMMikhail ALESHINVitaly PETROVJenson BUTTON1:25.8011.82827
5LMP11Rebellion R13 - GibsonMNeel JANIAndre LOTTERERBruno SENNA1:25.9311.95829
6LMP117BR Engineering BR1 - AERMStephane SARRAZINEgor ORUDZHEVMatevos ISAAKYAN1:27.6643.69127
7LMP14Enso CLM P1/01 - NismoMOliver WEBBTom DILLMANNJames ROSSITER1:28.2094.23626
8LMP110BR Engineering BR1 - GibsonMJames ALLENBen HANLEY-1:28.9144.94116
9LMP236Alpine A470 - GibsonDNicolas LAPIERREAndre NEGRAOPierre THIRIET1:30.4106.43728
10LMP238Oreca 07 - GibsonDHo-Pin TUNGGabriel AUBRYStephane RICHELMI1:30.8426.86924
11LMP237Oreca 07 - GibsonDJazeman JAAFARWeiron TANNabil JEFFRI1:30.9907.01728
12LMP228Oreca 07 - GibsonDFrancois PERRODOMatthieu VAXIVIEREJean-Eric VERGNE1:31.0407.06729
13LMP229Dallara P217 - GibsonMFrits VAN EERDGiedo VAN DER GARDENyck DE VRIES1:31.2597.28628
14LMP231Oreca 07 - GibsonMRoberto GONZALEZPastor MALDONADOAnthony DAVIDSON1:31.9958.02221
15LMP250Ligier JSP217 - GibsonMErwin CREEDRomano RICCI井原慶子1:32.7368.76327
16LMGTE Pro95Aston Martin Vantage AMRMMarco SORENSENNicki THIIM-1:37.65913.68621
17LMGTE Pro67Ford GTMAndy PRIAULXHarry TINCKNELL-1:37.82113.84825
18LMGTE Pro71Ferrari 488 GTE EVOMDavide RIGONSam BIRD-1:38.04114.06826
19LMGTE Pro91Porsche 911 RSRMRichard LIETZGianmaria BRUNI-1:38.05314.0824
20LMGTE Pro92Porsche 911 RSRMMichael CHRISTENSENKevin ESTRE-1:38.08114.10826
21LMGTE Pro66Ford GTMStefan MUCKEOlivier PLA-1:38.17914.20628
22LMGTE Pro51Ferrari 488 GTE EVOMAlessandro PIER GUIDIJames CALADO-1:38.24814.27526
23LMGTE Pro81BMW M8 GTEMMartin TOMCZYKNicky CATSBURG-1:38.38814.41527
24LMGTE Pro97Aston Martin Vantage AMRMAlexander LYNNMaxime MARTIN-1:38.47714.50424
25LMGTE Pro82BMW M8 GTEMTom BLOMQVISTAntonio Felix DA COSTA-1:38.50414.53128
26LMGTE Am88Porsche 911 RSRM星野敏Giorgio RODA JRMatteo CAIROLI1:38.98915.01626
27LMGTE Am77Porsche 911 RSRMChristian RIEDJulien ANDLAUERMatt CAMPBELL1:39.15215.17923
28LMGTE Am61Ferrari F488 GTEMWeng Sun MOK澤圭太Matthew GRIFFIN1:39.29515.32223
29LMGTE Am54Ferrari F488 GTEMThomas FLOHRFrancesco CASTELLACCIGiancarlo FISICHELLA1:39.41015.43725
30LMGTE Am70Ferrari F488 GTEM石川資章Olivier BERETTAEdward CHEEVER1:39.55915.58624
31LMGTE Am56Porsche 911 RSRMJorg BERGMEISTERPatrick LINDSEYEgidio PERFETTI1:39.71215.73927
32LMGTE Am86Porsche 911 RSRMMichael WAINWRIGHTBenjamin BARKERThomas PREINING1:39.93015.95725
33LMGTE Am90Aston Martin VantageMSalih YOLUCJonathan ADAMCharles EASTWOOD1:40.18116.20826
34LMGTE Am98Aston Martin VantageMPaul DALLA LANAPedro LAMYMathias LAUDA1:40.42916.45625

近隣小学校の小学5年生の質問に笑顔で答えるドライバーたち。バトン選手が一番好きな寿司のネタは?

記者会見に登場した6人のドライバー。左からジャンカルロ・フィジケラ選手、アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ選手、フェルナンド・アロンソ選手、ジェンソン・バトン選手、ニック・デ・フリーズ選手、ブルーノ・セナ選手

 14時から行なわれたWEC恒例の金曜日記者会見では、通例では日本人ドライバーが呼ばれることが多いのだが、今回は日本人ドライバーではないが、日本になじみが深い選手などを中心に開催された。

 6月に行なわれたル・マン24時間レースでトヨタ初優勝に貢献したフェルナンド・アロンソ選手(8号車 TOYOTA TS050 HYBRID/MI)、2018年は日本のSUPER GTにフル参戦しているジェンソン・バトン選手(11号車 BR Engineering BR1 - AER/MI)、そしてF1グランプリ通算3勝で日本でも高い人気を誇ったジャンカルロ・フィジケラ選手(54号車 Ferrari F488 GTE/MI)、故アイルトン・セナの甥でウィリアムズからF1に出走していたブルーノ・セナ選手(1号車 Rebellion R13 - Gibson/MI)などF1出身のドライバー(アロンソ選手は現役だが、2019年はF1には乗らないことがすでに決定している)、さらには2018年のF2フロントランナー(3勝を挙げて現在ランキング4位)で、マクラーレンF1の育成ドライバーの1人でもあるニック・デ・フリーズ選手(29号車 Dallara P217 - Gibson/MI)、今シーズンからLMGTE-Proクラスに参戦しているBMWのドライバーで、2012年と2016年にマカオグランプリで優勝しているアントニオ・フェリックス・ダ・コスタ選手(82号車 BMW M8 GTE)が登壇した。

旧交を温めるアロンソ選手とフィジケラ選手。かつて2人はルノーF1チームでチームメイトだった

 質問の最後には、富士スピードウェイの近隣にある御殿場市立高根小学校の小学生が、そんな世界の名だたるドライバーがタジタジになってしまうような鋭い質問を繰り出して会場を大いに沸かせた。

フェルナンド・アロンソ選手

――フェルナンド、前にここでレースをしたのは優勝した2008年の日本グランプリだったと思うけど、今回のレースに向けての準備はどうか?

アロンソ選手:フリー走行は計画通りに進み、ドライタイヤを試して、セットアップもハイブリッドシステムも問題ないことを確認した。今のところサプライズは何もない。ここでは非常にいい記憶があるので、その時と同じように勝ちたいね。この週末は天気がどうなるか分からないけど、日曜日に向けて天候には回復してもらって、ファンのためにいいレースがしたい。

――EoP(性能調整)が見直されて重量が増えたけど、その影響はどうか?

アロンソ選手:もちろんマージンは減っている。だが、率直にいって前のレースでの差は大きすぎた。競争は必要だと思うし、調整は受け入れないといけない。それでもまだ最高のクルマだと信じている。

ジェンソン・バトン選手

――ジェンソン、今年はここ日本でレースをしているけど?

バトン選手:今年は日本でのレースをエンジョイしているよ。ここにはすでにSUPER GTのレースで2回来ていて、これで3回目なんだ。すでに経験もあって、天気の変化にも慣れている。SUPER GTのクルマとLMP1のクルマは全然違うクルマだし、それぞれ楽しんでいるよ!

――前のシルバーストンのレースでは運転しにくそうだったけど。

バトン選手:クルマの運転に関しては確かに難しい。特にS1とS2でクルマはとてもナーバス。ここではいい結果を望んでいるので頑張りたいけど、LMP1にとっては特にS1が難しい。正直、トヨタはS3でとても速くて追いつくのは難しいし、レースは厳しいと思っている。だが、予選では彼らに迫れる可能性があると考えている。

楽しそうに話すアロンソ選手とバトン選手。2016年まで2人はマクラーレンでチームメイトだった

ブルーノ・セナ選手

――ブルーノ、シルバーストンではアクシデントで大変だったけど、体の方はもういいのか?

セナ選手:クルマに戻ってこれたのは嬉しい。クルマはシルバーストンからそのまま持ってきたので、大きな変化はないけど、P1は性能調整が少し入ったので状況が変わる可能性がある。

――トヨタとレースできるか?

セナ選手:どうだろう。ジェンソンが言ったように特にS3でトヨタは大きなアドバンテージがある。その中でもしっかりテストして、トヨタとの差を詰めていきたい。

アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ選手

――アントニオ、日本はどうだい?

ダ・コスタ選手:日本で走るのは、鈴鹿のカートの世界選手権で2007年に来て以来だけど、ここは熱心なモータースポーツのファンが多いので、今日ここで走ることができて本当に嬉しい。

――BMWにとって厳しい前半戦だったけど、これからどうだろうか?

ダ・コスタ選手:この週末に向けてはバランスに課題があり、やることはいっぱいあるが、今日と明日でしっかりレースに向けて準備をしていきたい。BMWはポテンシャルがあると考えており、この週末と残りのレースに向けて頑張っていきたい。

ニック・デ・フリーズ選手

――ニック、初めての日本はどうだい? ダラーラにはもう慣れた?

フリーズ選手:日本に来られて嬉しい。ファンは情熱的だし、サーキットも素晴らしい。WECはここにいる顔ぶれを見れば分かるように、ドライバーのレベルも高く競争が激しい。自分のできることをしっかりやっていきたい。ダラーラには前のレースで乗っただけなので、もちろん大変だ。予選と決勝に向けて頑張りたい。

ジャンカルロ・フィジケラ選手

――ジャンカルロ、ここではF1時代にも走っていると思うが?

フィジケラ選手:ここに戻ってこれて本当に嬉しい。富士では2007年のF1グランプリで入賞しているし、いい思い出があるサーキットだ。今日はまだ少しのラップしかしていないけど、クルマのバランスはいい。アストンマーティンに負けている部分があるのでしっかりセットアップしていきたい。

――レースに向けての見通しは?

フィジケラ選手:6時間は何でも起きる、去年も雨やレッドフラッグがあった。できれば日曜日はドライコンディションでやりたいけど、いいセットアップがあればどんなコンディションでも大丈夫。ル・マンの2位のようないい結果を出せるように、前向きに頑張りたい。

――(高根小学校の小学生5年生からの質問)フェルナンドとブルーノに、夏休みにトヨタの工場に見学に行って、クルマの歴史を見て感動した。100年後のクルマはどうなっていると思うか?

アロンソ選手:(微笑みながら)電気で動いてないかもしれないね(笑)。小さい飛行機みたいに空を飛んでるかもしれないし(笑)。

セナ選手:僕たちの仕事はなくなってるかもしれないね(笑)。

――(高根小学校の小学生5年生からの質問)私はお寿司が大好きで、特にマグロとサーモン。ジャンカルロとジェンソンに、好きなネタは何ですか?

フィジケラ選手:同じくマグロとサーモンだ(笑)。

バトン選手:その質問はどこのレースに行っても聞かれるんだけど、実は一番大好きなのはウニだ、とてもおいしい(笑)。

――(高根小学校の小学生5年生からの質問)アントニオとニックに、小学5年生のころにはまっていたのは何か? 私は今はサッカーにはまっているが……。

ダ・コスタ選手:レースだね。

フリーズ選手:いろいろ選択肢はあったんだけど、やっぱりレースだな。

ダ・コスタ選手:ニックは1歳半から運転してたんじゃないかな、だって彼は今でも12歳なんだ!(フリーズ選手が童顔であることのジョーク。ちなみにフリーズ選手は現在23歳)。

高根小学校の生徒さんと記念撮影