日立、クラリオンの全株式売却を発表。仏フォルシアの傘下に

クラリオンが公開した先行技術デモカー「ClarionCar2nd」

　日立製作所は10月26日、同社連結子会社クラリオンの全株式について、フランスの自動車部品会社「Faurecia S.A（フォルシア）」とその子会社「Hennape Six SAS」との間で公開買付応募契約を締結したと発表した。

　日立はHennape Six SASが行なう公開買付けに応募。公開買付けの成立後、クラリオンは日立の連結子会社から外れる予定。

　これにより、日立は2019年3月期（2018年4月1日～2019年3月31日）の個別決算における特別利益として、関係会社株式売却益約780億円を計上予定。また、2019年3月期の連結決算におけるその他の収益として事業再編等利益約650億円を計上予定。

　今後、クラリオンはフォルシアの傘下となり、フォルシアはクラリオンのコックピットエレクトロニクス領域における競争力を活かして発展を目指す。

「ClarionCar2nd」

　日立は「電力・エネルギー」「産業・流通・水」「アーバン」「金融・社会・ヘルスケア」を注力分野としており、「アーバン」分野においては完全子会社日立オートモティブシステムズを中核に自動車機器・関連システム事業を展開している。

　今後、日立と日立オートモティブシステムズは、自動運転など注力分野の成長に向けて今後もクラリオンとの協力関係を継続。同公開買付けで獲得する資金を活用することで、自動運転などモビリティ分野を含む社会イノベーション事業の強化を目指すとしている。