クラリオン、自動遠隔出庫システム「ロング レンジ サモン」を開発

　クラリオンは1月8日、自動駐車システムを発展させた自動車の自動遠隔出庫システム「Long Range Summon（ロング レンジ サモン）」を開発したと発表した。

　これまでクラリオンは、日立オートモティブシステムズとともに、自動駐車システムとして、車両の脇でスマートフォンを用いて自動車の駐車を自動で行なう「リモートパーキングシステム」、自宅などの駐車場の周辺環境と経路を記憶&再生して自動駐車する「Park by Memory」を開発してきた。今回、これまでの自動駐車技術をベースに、長距離の自動遠隔出庫を実現する自動出庫技術を開発した。

　今回開発したLong Range Summonのシステムは、Park by Memoryで実現した低速自動運転技術のセンサー機能を強化した「センサーフュージョン技術」、TCU（Telematics Control Unit）とSmart Accessサーバーを活用した「コネクテッド技術」とナビゲーションシステムの「位置情報制御技術」の統合技術で構成される。

　主な使用場面としては海外の大規模駐車場などを想定しており、入庫時に記憶させた駐車環境をベースに、ユーザー位置までスマホで自動で呼び寄せる事ができる。建物の出入り口など人目に付く場所での乗車は防犯面で有効となり、低温時や荒天時などでも寒さや濡れることを回避して、ドライバーに快適な環境を提供するという。

　同社が開発した自動遠隔出庫の流れは、以下の通り。

1：入庫時に駐車に至る場内の周辺環境や経路、外界情報を記憶

2：出庫時ドライバーが、スマートフォン上の車両呼び出しボタンを押下すると、スマートフォンの位置情報と車両の記憶情報を元に自動出庫を開始

3：センサーフュージョン技術を基に走行可能領域を特定し、ユーザーの待機位置まで駐車場内を自動走行

　なお、センサーフュージョン技術により走行経路上に障害物がある場合はこれを回避。また、今回導入したサーバーは、認証と出庫要求通知機能のみで構成しており、他車両の監視や車両運行制御を行なう管理機能の追加も可能という。

　クラリオンでは、今後も実用化に向けてさらなる技術向上に取り組むとしている。