日立オートモティブシステムズとクラリオン、記憶した駐車場で自動駐車を可能にする「Park by Memory」開発

低速自動走行中の車載ディスプレイ表示

　日立オートモティブシステムズとクラリオンは1月9日、自宅駐車場などの周辺環境を記憶する自動駐車技術「Park by Memory（パーク・バイ・メモリー）」を開発。今後、自動車メーカーなどに提案し、Park by Memoryの早期実用化を目指すと発表した。

　このPark by Memoryでは、駐車場で発生する事故が社会問題となっていることを受け、クラリオンの外界認識技術と日立オートモティブシステムズのステアリング、ブレーキなどのアクチュエーター、車両統合制御技術を連携させてシステム化。利用頻度が高い自宅や職場などの駐車場で人為的な操作によらない安全な自動駐車を実現する技術として開発されている。

　具体的な技術としては、車両の前後左右に装着したカメラで俯瞰映像を撮影するクラリオンの「SurroundEye」とソナー信号による周囲構造物の検知情報、GPSによる位置情報を統合。駐車スペースの周辺環境や駐車パターンを記憶して、搭載車両が情報を記憶した駐車場に近づくと、自動駐車が可能であることをドライバーに通知する。これにより、ドライバーは車載機器やスマートフォンのアプリなどのボタンを押すといった操作だけで自動駐車ができるようになる。

低速自動走行中のスマートフォン画面表示

　Park by MemoryはSurroundEyeによる高精度な画像認識情報を活用するため、白線で区切られただけの駐車スペースなどさまざまな形状の駐車スペースで自動駐車が実現可能。また、専用の位置情報システムではなく、一般的なカーナビのGPS情報を利用できることから早期導入が容易だとしている。

　両社では今後も先進的な外界認識や車両統合制御技術による運転支援技術の開発を強化し、自動車メーカーが加速させている自動運転車両や自動駐車技術の開発を支え、早期の実用化に貢献していくとしている。