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損保ジャパン日本興亜、ジェネクストとドラレコの映像を活用した交通事故の責任割合自動算定システム共同開発に合意

AIを活用して、衝突時の映像やGPS位置情報から事故状況を分析

2019年2月8日 発表

損害保険ジャパン日本興亜とジェネクストが共同開発するドライブレコーダーによって撮影・取得された衝突時の映像とGPS位置情報から事故状況を正確に分析することにより、自動車交通事故における責任割合を自動算定するシステムの映像分析のイメージ

 損害保険ジャパン日本興亜は2月8日、ジェネクストとドライブレコーダーによって撮影・取得された衝突時の映像とGPS位置情報から事故状況を正確に分析することにより、自動車交通事故における責任割合を自動算定するシステムを共同開発することに合意した。1月~8月を共同開発期間とし、2019年内のリリース(ローンチ)を想定している。

 システムの概要は、ドラレコの広角レンズで撮影したゆがんだ映像からでも正確な速度、相対的な距離、位置情報を分析できるジェネクストが保有する特許技術と、映像における車両挙動・道路形態を認識して判定するAI(人工知能)技術を組み合わせ、衝突時の映像から事故に至る双方の車両の動きや道路状況といった多岐にわたる情報を正確に読み取り、その情報と損保ジャパン日本興亜が蓄積してきた事故に関する知見などをもとに、確度の高い責任割合の判定を自動かつ迅速に行なえるというもの。

 これまでは人が画像を見て測量などの解析をしていたが、今回共同開発するシステムでは、ドラレコの画像から道路上の標識情報や横断歩道などの表示情報を読み取って判定するプロセスでAIを活用。道路路面の表示をAIで自動認識する点は国内初となる。なお、AIを活用することによる理論上の精度は95%以上を想定している。

 今後は、解析した事故の分析結果を過去の自動車事故に関する判例を基盤としたデータベースとパターンマッチングして、判定結果を自動算出するプロセスにもAIの活用を検討。完成するシステムでは、あらかじめ決められた一定の法則を機械学習しつつ、適切な判断結果をAIが自動判断するため判断の根拠はあらかじめロジカルに定めておき、どのロジックを活用するかを精度向上のために搭載されたAIが選定するという。

 現在はドラレコの普及に伴い、事故の責任割合を判断するうえで交通事故発生時の映像を活用するケースが増えている一方で、撮影された映像から事故原因の究明と事故の責任割合の判断につながる情報を正確に分析するには専門の知識と技術が必要で多くの時間を要している。

 そのため、ドライブレコーダーの映像を自動的に分析するシステムを開発することにより、これまでユーザーが負担していた事故状況の確認、事故原因の調査といった手順をデジタル技術によって効率化し、迅速な事故解決が可能になるとしている。