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アウディ、2019年のレース体制発表会。SUPER GTやスーパー耐久などに参戦

「Audi Sport conference 2019」開催

2019年3月19日 開催

Audi RS 3 LMS

 アウディ ジャパンは3月19日、東京・六本木のEX THEATER ROPPONGIで「Audi Sport conference 2019」を開催し、2019年度のAudi Sport customer racingのチーム体制を発表したほか、アウディオーナー向けのプログラムを発表。女性ドライバー向けの「Audi Women's experience」の開催も発表された。

2019年度のAudi Sport customer racingのチーム体制が発表された

サーキットで培ったさまざまな技術、経験を市販車に転用する

アウディ ジャパン株式会社 代表取締役社長 フィリップ・ノアック氏

 アウディ ジャパン 代表取締役社長のフィリップ・ノアック氏が登壇し、アウディ スポーツのスローガン「Born on the track, Built for the road」を紹介。「サーキットで培ったさまざまな技術、経験を市販車に転用し、皆さんに乗っていただくクルマに反映しています。今後も継続していきます」と説明した。

 そして、アウディが取り組んでいるモータースポーツ活動の歴史を解説。オーストリアのアルペンラリーの優勝からフェルディナント・ポルシェ博士が図面を持ち込んだシルバーアローの活躍、さらにノアック氏が幼少期を過ごした1982年から活躍したアウディ・クワトロを紹介した。

 ル・マン24時間レースでも初参戦で3位、翌年には1、2、3位の表彰台独占となり、2004年の日本人チーム優勝、2006年のディーゼルエンジン搭載車の優勝、2012年のハイブリッドパワートレーン搭載車の初優勝など、ル・マンにおける数々の実績を紹介し、これがモータースポーツにかける意欲だとした。

アウディ スポーツのスローガン「Born on the track, Built for the road」
アウディのモータースポーツ参戦の歴史
1982年から活躍したアウディ・クワトロ
1999年のAudi R8R
2004年に優勝したAudi Sport Japan Team Goh
2006年にディーゼルエンジンで優勝した Audi R10 TDI
2012年にハイブリッドパワートレーンで優勝した Audi R18 e-tron quattro
ル・マンでは1999年から2016年までに13回優勝している

 そして、現在のアウディ スポーツは5つの柱を中心に活動。1つめはハイパフォーマンスモデルの「R8」や「RSモデル」、2本目の柱はカスタマーレーシング、3本目の柱がファクトリーレーシング。4本目がカスタマイゼーション、5本目がアウディ スポーツ コレクションだとした。

現在のアウディ スポーツは5つの柱を中心に活動
アウディ スポーツのラインアップモデルは11車種

 現在、アウディ スポーツのラインアップは11車種となっている。ノアック氏は「2018年は日本市場で1000台以上を販売し、日本はアジア最大のアウディ スポーツ市場となった。今後も継続する」とし、「2019年はRS 4 アバントを発表。通常モデルだけでなく、アウディ スポーツモデル、R8、RSモデルを本社に増産を要請しているところ」と話した。なお、2018年に日本で好調だったのは「RS 3」と「RS 3 スポーツバック」とのこと。

 さらに今後の予定について触れ、「今年の第4四半期にR8の市販車を導入する予定。さらにR8の限定車として、V10エンジンの成功を祝し、また、R8の10周年を祝う『R8 V10 Decennium』を世界限定222台で発売するが、日本市場には10台を確保した。10人のエクスクルーシブなお客さまにお届けする」と国内導入予定を明らかにした。そのほかにRS5 スポーツバックも導入予定という。

新型「R8」
R8の限定車「R8 V10 Decennium」
RS 4 アバント
RS 5 スポーツバック

 一方、顧客向けのプログラムでは、アウディ車オーナーがレースへの参戦権を得られるプログラム「Audi Race experience」を継続。新たに女性ドライバー専用の運転トレーニングプログラム「Audi Women's driving experience」を、ハイパフォーマンスモデルを使用したプログラムとして実施する。さらにユーザーをレースに招いてブランドロイヤリティを向上するプログラムも提供する。

女性ドライバー専用の運転トレーニングプログラム「Audi Women's driving experience」
Audi Race experience
レースに招待するプログラムも実施

 さらにノアック氏は、世界中で展開するレース活動を紹介。DTMとフォーミュラ Eに参戦しており、DTMでは新たな「クラス1規定」が導入されて4気筒ターボエンジンの時代になるため、ここにはRS 5 DTMで参戦する。

フォーミュラ Eに参戦
DTMに参戦するRS 5 DTM
クラス1規定に対応する

 カスタマーレーシング活動については、これまでFIA GT3の国際レースでも積極的に活動しており、200台以上の「R8 LMS」を生産してきたことを紹介。256回のレースで優勝、634回の表彰台、21のドライバータイトル、31のクラスタイトルを獲得したとした。日本市場でもカスタマーレーシング車両を積極的に導入し、スーパー耐久シリーズやWTCRのほか、5月からはじまるTCR ジャパン シリーズにも参戦するという。

Audi R8 LMS
Audi RS 3 LMS
日本でも開催されるWTCRに参戦

 また、サーキットにパーツトレーラーを配備する施策についても強調。「トレーラーには2500アイテム、1万点以上の部品を取りそろえております。レーシングチームの要望に迅速に対応できる体制を整えました」と自信を見せた。

パーツを1万点以上備えたトレーラーを配備する

2019年度Audi Sport customer racingのチーム体制発表

 アウディの車両を使ってレース参戦するチームと選手や監督の紹介も行なわれた。参戦はSUPER GT GT300クラス、スーパー耐久シリーズ ST-Xクラス、ST-TCRクラスのほか、TCR ジャパン シリーズの各クラス。

 SUPER GT GT300クラスには、Audi R8 LMSで「Audi Team Hitotsuyama」が参戦。ドライバーはチーム在籍8年目のリチャード・ライアン選手と2018年シーズン加入の富田竜一郎選手の2人。なお、タイヤは今シーズンから横浜タイヤと契約した。

SUPER GT GT300クラスに参戦する「Audi Team Hitotsuyama」

 スーパー耐久シリーズのST-Xクラスには、「X Works」が1台のAudi R8 LMSで参戦。同ST-TCRクラスには、Audi RS3 LMSで「Birth Racing Project」「Team Dream Drive」「Audi Team Mars」「WAIMARAMA KIZUNA Racing Team」の4チーム4台が参戦する。

 また、TCR ジャパン シリーズは2015年に欧州でTCRシリーズとして創設され、今シーズンから日本でも年間全5戦で開催される。Audi RS3 LMSで「Birth Racing Project」「Purple Racing」「Nilzz Racing」が参戦し、Purple Racingは2台体制で挑む。

スーパー耐久シリーズ ST-Xクラスに参戦するX Worksの監督とチーム関係者
スーパー耐久シリーズ ST-TCRクラスに参戦するTeam DreamDrive
スーパー耐久シリーズ ST-TCRクラスに参戦するBirth Racing Project
スーパー耐久シリーズ ST-TCRクラスに参戦するAudi Team Mars
スーパー耐久シリーズ ST-TCRクラスに参戦するWAIMARAMA KIZUNA Racing Team。このほかに覆面レーサーのKIZUNA氏も参戦するという
TCR ジャパン シリーズに参戦するドライバーなど

 会場にはAudi R8 LMSとAudi RS3 LMSが展示された。

Audi R8 LMS
Audi RS 3 LMS