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アウディ、「TT」誕生20周年を記念する限定車「TT 20 years」発表会

「TT RS」は2019年第4四半期に日本導入予定

2019年4月24日 開催

 アウディ ジャパンは4月24日、コンパクトスポーツカー「TT」シリーズの改良モデルとシリーズ誕生20周年を記念する世界限定モデル「TT 20 years」を発表。東京都世田谷区にある「Audi世田谷」で記者発表会を開催した。

 TTシリーズの大幅改良では、FFのエントリーモデル「TT クーペ 40 TFSI」の搭載エンジンを1.8リッターから2.0リッターにスイッチ。このほか内外装のスポーティさを高め、ボディカラーに新色3種類を追加。レザーパッケージ選択時にセンターコンソールやドアトリムなどにもレザー素材が使用されるなど魅力を高めている。

 限定車のTT 20 yearsは、世界限定999台で日本に20台が導入され、230PS/370Nmを発生する直列4気筒DOHC 2.0リッター直噴ターボエンジンを搭載する「TT クーペ 45 TFSI quattro」をベースとするモデル。ボディカラーに専用色「アローグレー パールエフェクト」が与えられ、同じく専用カラーの19インチホイールや「マトリクスLEDヘッドライト」を標準装着。インテリアでもイエローステッチが施されたモカシンレザーの専用シートなどを採用し、通常はTTS クーペのみで標準装備する「マグネティックライド」を特別装着。Bang&Olufsenサウンドシステムなども採用して、TTシリーズの誕生20周年を祝う限定車となっている。

 それぞれの詳細は、関連記事の「アウディ、『TT』シリーズ大幅改良。エントリーモデルの出力を197PS/320Nmに向上」「アウディ、初代『TT』の丸みを帯びたデザインを彷彿とさせる限定モデル『TT 20 years』」などを参照していただきたい。

「TT 20 years」
TT 20 yearsは世界限定999台のモデルで、日本導入は20台。価格は759万円
ボディカラーは限定車専用の「アローグレー パールエフェクト」。ボディサイズは4190mm×1830mm×1370mm(全長×全幅×全高)
フロントマスクでは3Dハニカムメッシュのラジエターグリルがハイグロスブラックに塗装されており、「マトリクスLEDヘッドライト」を標準装着
ガンメタルエフェクトペイントの19インチアルミホイールを標準装備。タイヤサイズは245/35R19
フロントフェンダーの後方に専用エンブレムを装着
直列4気筒DOHC 2.0リッター直噴ターボガソリンエンジン「CHH」型は最高出力169kW(230PS)/4500-6200rpm、最大トルク370Nm(37.7kgfm)/1600-4300rpmを発生
TT 20 yearsのインテリア
ステアリングの下側スポークに専用エンブレムを装着
TTシリーズでは「アウディバーチャルコックピット」を全車で標準装備する
センターコンソールにもブラウンのモカシンレザーが使用される
シフトセレクターの前方にシリアルナンバーが刻まれたプレートを装着
リアシートを備え、乗車定員は4名
ヘッドレスト一体型でスポーティな形状のフロントシート。フロントシートヒーターも標準装備する
肩口に設定されたベルトを引いて前席のシートバックを前に倒し、リアシートに乗り込む
技巧を凝らしたイエローステッチがシートやステアリング、トリム類に施される
Bang&Olufsenサウンドシステムを標準装備

「TT RS」は2019年の第4四半期に日本導入

アウディ ジャパン株式会社 代表取締役社長 フィリップ・ノアック氏

 発表会では、アウディ ジャパン 代表取締役社長 フィリップ・ノアック氏がプレゼンテーションを実施。ノアック社長は、アウディやTTシリーズが「アートやデザインと密接に関係がある」と語り、世界的建築家である安藤忠雄氏が設計を手がけたAudi世田谷は、アウディの「デザインアイコン」であるTTシリーズの20周年を祝う場としてふさわしいと述べた。

 また、2019年はアウディの前進である「ホルヒ」が120年前に創業し、110年前にアウディが創業。そして20年前に初代TTが日本で発売され、日本市場でも絶賛を持って迎えられたと当時を振り返った。この1999年は、アウディ ジャパンがフォルクスワーゲン グループ ジャパンから独立した年で、独立直後のタイミングで日本導入を開始したモデルの1つであるTTは、アウディ ジャパンにとって大切な位置付けのモデルであるとしている。

 さらにノアック社長はTTの車名が、アウディの前身の1社であるDKWのモーターサイクル「ULD 250」を使い、エドワルド・クリューガー選手が1938年に英国 マン島で行なわれた「TT(Tourist Trophy)レース」で優勝したことから、スポーティなモデルにTTの名称を使うことになったと解説。その後も同じくアウディの前身の1社であるNSUのモデルなどでTTの車名を持つスポーツモデルが登場し、スポーツモデルとしてのイメージを定着してきたとした。

 TTは1995年のフランクフルトショーで最初のデザインスタディモデルが公開され、同年秋の東京モーターショーにオープントップのロードスターモデル「TTS スタディ」を出品。「TTが日本市場といかに密接な関係を持っているかお分かりいただけるかと思います」とノアック社長はコメントし、初代モデルは発売前の段階から高い評価を得たことも付け加えた。TTシリーズは発売からの20年間で累計65万台を販売しているという。

「TT RS」は2019年の第4四半期に日本導入であるとノアック社長は明らかにした

 同日発表の新しいTTシリーズについて、ノアック社長は「前輪駆動車の排気量を1.8リッターから2.0リッターに高めたこと」「デザインをアップグレードしたこと」がポイントになると説明。さらにエントリーモデルに位置付けられるTT クーペ 40 TFSIでは480万円を切る戦略的な価格設定を用意していることもアピールした。

 このほかにノアック社長はTTシリーズの20周年を記念する限定車 TT 20 yearsの内容解説を行ない、スポーツパフォーマンスモデルの「TT RS」は2019年の第4四半期に日本市場に導入する予定であると明らかにした。

TTは「バウハウス的な形態、理念をなぞらえている」と柏木氏

武蔵野美術大学 名誉教授 柏木博氏

 このほかにノアック社長は、2019年がTTシリーズの誕生20周年となることに加え、ドイツの造形学校「バウハウス」の設立100周年にあたることを説明。デザインを重視しているアウディ ジャパンとして2020年まで実施される「bauhaus100 japan」プロジェクトに協賛することを明らかにし、プロジェクトの代表として武蔵野美術大学 名誉教授 柏木博氏が来場していることを紹介し、柏木氏からもゲストプレゼンテーションが行なわれることになった。

 柏木氏はアウディ ジャパンがプロジェクトに協賛することに対して感謝を述べ、バウハウスの概要について解説を実施。わずか十数年の活動で終わったにもかかわらず、その後のデザインに関する基礎を築き上げたことを紹介し、100周年を記念して実施する巡回展にぜひ注目してほしいと語った。

 プロダクトデザインの視点からは、昨今のクルマは装飾に意識がいきすぎて全体のフォルムを把握しにくい傾向にあると語り、一方でTTシリーズはバウハウスが構築したデザイン哲学と類似性を持っており、見てすぐにフォルムを掴めるデザインになっていると解説。「バウハウス的な形態、バウハウス的な理念をなぞらえていると言ってかまわないと思います」とTTシリーズについて表現した。

柏木氏はTTシリーズについて「バウハウス的な形態、バウハウス的な理念をなぞらえている」と表現
新しい「TTS クーペ」とノアック社長
TTS クーペは799万円。大幅改良で前後バンパーやサイドスカートなどにシルバー加飾が追加され、フロントバンパーの両サイドに縦型のエアアウトレットを追加。デュアルタイプのマフラーエンドを左右にレイアウトしている
タイヤサイズは245/40R18だが、展示車ではオプションの19インチホイールを装着し、タイヤも245/35R19となっていた。レッド塗装のブレーキキャリパーはTTS クーペ向けのスペシャルオプション
リアバンパーではリアコンビネーションランプ下にエアアウトレットを模したデザインエレメントを追加
TTS クーペではアルミニウムルックのドアミラーハウジングを採用
直列4気筒DOHC 2.0リッター直噴ターボガソリンエンジン「CJX」型は最高出力210kW(286PS)/5300-6200rpm、最大トルク380Nm(38.8kgfm)/1800-5200rpmを発生
アルカンターラ/レザーの「S スポーツシート」を標準装備。シートカラーは写真のブラックのほか、エクスプレスレッドをオプション設定
パドルシフト付きの本革巻ステアリングを標準装備
滑り止めのラバーを備えるアルミペダル
発表会の会場となった「Audi世田谷」は安藤忠雄氏が設計を手がけている
初代アウディ TT
初代アウディ TT ロードスター
2代目アウディ TT