ニュース

マクラーレン、620PS/630Nmの新型グランドツアラー「マクラーレン GT」公開

計570Lの収納スペース確保

2019年5月15日(現地時間)発表

新型グランドツアラー「マクラーレン GT」

 英マクラーレン・オートモーティブは5月15日(現地時間)、新型グランドツアラー「マクラーレン GT」を公開した。現在注文を受け付けており、納車は2019年末からの予定。

 新たなシリーズとなるこのマクラーレン GTは、2018年に発表されたビジネスプラン「Track25」に基づいて投入される第4車種目のニューモデル。リリース内では「美しいデザイン、高品質でイノベーティブな素材、スーパーカーの性能、ならびにマクラーレンならではのドライビング・ダイナミクスと、ドライバーとクルマとの一体感が精緻に組み合わされており、これまでのグランドツアラーのあり方に一石を投じるもの」としている。

 マクラーレン GTはすべてのマクラーレンのモデルと同様に、カーボン・ファイバー構造を核として、強度と剛性を持ちながらドライビング・ダイナミクスとクラス最軽量の車両重量を実現。ビスポークとなる“モノセル II-T”モノコック(Tは「Touring」の意味)にはカーボン・ファイバー製のリアアッパー構造が組み込まれ、車両重量は1530kg(オイル類+ガソリン90%)を達成した。

マクラーレン GT。ボディサイズは4683×2095×1213mm(全長×全幅[ミラー展開時]×全高)で、ホイールベースは2675mm。カーボンファイバーを用いることで乾燥重量は1466kg、オイル類とガソリンを90%まで給油した車両重量は1530kg

 パワートレーンは最高出力456kW(620PS)/7500rpm、最大トルク630Nm/5500-6500rpmを発生するV型8気筒 4.0リッターツインターボ「M840TE」エンジンをミッドシップに搭載。トランスミッションには7速SSGを組み合わせ、3000rpm-7250rpmまででエンジントルクの95%を得ることが可能となる。駆動方式は後輪駆動。パワー・ウェイト・レシオは405PS/tという数値で、0-200km/h加速は9.0秒、最高速は326km/hの性能を誇る。

マクラーレン GTの走行イメージ

 サスペンションには軽量のアルミニウム製ダブルウィッシュボーンを採用。油圧式のダンパーと組み合わせてプロアクティブ・ダンピング・コントロールを可能とした。サスペンションの制御には「720S」用に開発された最適制御理論ソフトウェア・アルゴリズムを受け継ぎ、センサーからのインプットを通じて路面を「読み」、次に起こりそうなことを解釈し、2ミリ秒で予測して適切な対応を行なうことができる。

 また、新しくマクラーレン GT用に開発されたピレリ製「P ZERO」タイヤを装着。リアの21インチアロイホイールはマクラーレンのクルマにこれまで取り付けられたホイールのなかで最も大きく、20インチのフロントホイールと組み合わせられる。

ホイールデザインは7本スポークまたは15本スポークの2種類を用意。専用開発されたピレリ製「P ZERO」タイヤを装着する。タイヤサイズはフロントが225/35R20、リアが295/30R21

 インテリアでは、標準装備されているナッパ・レザーのトリムを、選択するスペックに応じて上質なソフトグレイン・レザーかアルカンターラのいずれかにアップグレード可能。さらに、2019年末ごろにはカシミアもオプションに追加される予定で、カシミアが量産車で使用されるのは世界初となるという。

 また、“マクラーレン史上最も洗練された”というインフォテインメント・システムを採用。マクラーレン GTのために開発された10クアッド・コア・チップとHEREによるナビゲーション・マッピング、リアルタイム交通情報も含まれ、中央にある7インチのタッチスクリーンを使って、衛星ナビゲーションやBluetoothでの通話、メディア・ストリーミング、音声操作といった車内機能を選択できる。

 ドライバー前方の12.3インチTFTスクリーンは、走行速度、ギヤの選択およびエンジンの回転数だけでなく、インストルメント・クラスターを通じて、簡易ナビゲーションや電話の着信、指定されたオーディオ・アウトプット、タイヤの温度と空気圧も表示させることが可能。加えて、バックカメラを指定してリバースギヤが選択されると車両後方の画像を表示することもできる。

 オーディオシステムは、カーボン・ファイバー製サブバス・ウーファーとケブラーのミッドレンジ・ドライバーを配した、12スピーカーのBowers&Wilkins製プレミアム・オーディオ・システムも用意した。

マクラーレン GTのインテリア。オプションの「エレクトロクロミック・ガラスパネル」は、ボタン操作によってガラスの透明度を変更できる

 なお、縦開きで全体がガラス張りのリアテールゲートの下には420Lの収容スペースを設定。ゴルフバッグまたは185cmのスキー板2セットとブーツ、手荷物を積載可能とした。さらに、フロントにも150Lの収納スペースを設け、マクラーレン GTの収容容量は計570Lとなる。

収納スペースはフロントに150L、リアに420Lの計570Lを確保