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【MOVIN'ON 2019】エアレスでパンクレスな乗用車向けタイヤ「アプティス・プロトタイプ」の狙い
研究開発部門 執行副社長 ヴィネス氏「VISION コンセプトを具現化する第一歩」
2019年6月12日 12:54
- 2019年6月4日(現地時間)発表
仏ミシュランは6月4日(現地時間)、カナダ・モントリオールで開催したサミット「Movin'On 2019」で乗用車用エアレスタイヤ「ミシュラン アプティス・プロトタイプ」を公開した。
公開されたアプティス・プロトタイプを見ると、車両に取り付けるアルミホイール、複合材を使用したクッション層、路面と接地するトレッド面で構成されている。
同社は小型建設機械用エアレスタイヤとして「TWEEL」を製品化しているが、アプティス・プロトタイプは乗用車用に再設計されたもの。
1番の特徴はエアレスでパンクレスとなることによる信頼性。将来的にトレッド面については、すでに商用車で導入されているリトレッド技術のように、トレッド面を再生しながら使用することが検討されており、経済性の高さも狙っている。また、最終的にタイヤ全体を廃棄する際のリサイクル性についても研究を進めているという。
ミシュラン 研究開発部門 執行副社長 エリック フィリップ・ヴィネス(Eric Philippe Vinesse)氏によると、アプティス・プロトタイプは自動運転車、EV(電気自動車)、シェアサービスを運用するモビリティサービスプロバイダーに求められる運用効率の最大化といったニーズに合わせて、パンクレスによるタイヤメンテナンスを限りなくゼロにすることなどを目指したタイヤとのこと。
ミシュランは、2017年のMovin'Onにおいて100%持続可能な素材を使用したエアレスタイヤ「VISION コンセプト」を発表している。これは3Dプリントでトレッドを再生し、コネクテッド機能を備えるといった同社のビジョンを示したタイヤとなる。アプティス・プロトタイプは、このVISION コンセプトを達成するための進歩を示したものとなり、ヴィネス氏は「ミシュランのVISION コンセプトを具現化するための大切な第一歩」と強調した。
Movin'Onの会場で行なわれたプレゼンテーションでは、ミシュランとGM(ゼネラルモーターズ)がアプティス・プロトタイプの検証を続けて、2024年に乗用車へ導入することを目指して共同研究していくことが明らかにされた。
GMとの共同開発について、ヴィネス氏は「ミシュランとGMの密接な共同作業による開発アプローチで、革新のロードマップとしての当社のVISION コンセプトを検証します。アプティスは、明日のモビリティに対するミシュランのビジョンへの進歩を表しており、またすべての人にとってよりよい、持続可能なモビリティへの私たちの取り組みを体現しています」とコメントしている。