ニュース

ランボルギーニ、V12エンジン+48V eモーターハイブリッドの新型「シアン」フランクフルトショーに出展

システム出力819HPで0-100km/h加速2.8秒以内、最高速350km/hを実現

2019年9月3日(現地時間)発表

フランクフルトモーターショーで公開されるランボルギーニの新型ハイブリッド・スーパースポーツカー「Sian(シアン)」

 伊アウトモビリ・ランボルギーニは9月3日(現地時間)、世界初のスーパーキャパシタを採用する新型ハイブリッド・スーパースポーツカー「Sian(シアン)」をフランクフルトモーターショーで公開すると発表した。なお、シアンはアウトモビリ・ランボルギーニの創業年にちなんで63台が限定生産され、すでに完売となっている。

 イタリア ボローニャ地方の方言で「稲妻の閃光」を意味する車名が与えられたシアンは、チタン製インテークバルブを組み込んで最高出力577kW(785HP)/8500rpmを発生する自然吸気のV型12気筒エンジンを搭載し、ギヤボックスに34HPを発生する48Vの「eモーター」を設定。

 エネルギー蓄積技術には、一般的となったリチウムイオンバッテリーでなく世界初となるスーパーキャパシタを採用。元々は「アヴェンタドール」向けに開発された技術だが、10倍の出力に対応するため大幅な進化を遂げているという。これにより、“同重量のバッテリーの3倍パワフル”でありながら“同出力を生み出すバッテリーの3倍軽量”という性能を実現。また、キャビンスペースとミッドシップマウントするエンジンの間にあるバルクヘッドにスーパーキャパシタを位置して、完璧な重量配分に寄与する。

 スーパーキャパシタとeモーターを装備した電子システムの重量はわずか34kgに抑えられ、このほかにも軽量素材の多用で車両重量を軽減。エンジンとeモーターによって得られるシステム出力の602kW(819HP)により、パワーウェイトレシオは「アヴェンタドール SVJ」(1.98kg/HP)よりも優秀な1.0kg/HPとなり、0-100km/h加速は2.8秒以内、最高速は350km/hを達成している。

 これに加え、タイヤ&ホイールに直接リンクするeモーターにより、ギヤチェンジの瞬間に発生する減速感やトルク低下などをカバー。不快な衝撃をなくしてドライビングコンフォートを向上させる。

ランボルギーニ シアン
V型12気筒エンジンとeモーター、スーパーキャパシタといったハイブリッドソリューションにより、システム出力602kW(819HP)を発生。0-100km/h加速2.8秒以内、最高速350km/hを達成する

 外観ではランボルギーニの伝説的モデル「カウンタック」から“未来のインスピレーションを得た”という「ガンディーニライン」を採用。Y字型ヘッドライトが特徴的なフロントマスクでは、カウンタックを思わせる斜めのラインをフロントフードに与えている。リアでもランボルギーニとの結び付きを強める六角形のデザインが取り入れられ、左右計6個の六角形のテールランプもカウンタックにインスパイアされたデザインモチーフとなっている。

 この発表内で伊アウトモビリ・ランボルギーニ CEOのステファノ・ドメニカリ氏は「Sianは、可能性を秘めた最高傑作です。ハイパーカーのデザインおよび高度な技術を実現しながら、ハイブリッド化が必然的に不可欠になるとしても、この先何十年にわたるスーパースポーツカーブランドとしてのランボルギーニの可能性を高めるものです。EV化へ向けたランボルギーニの最初の1歩であり、次世代V12エンジンを推進するものです。Sianはボローニャの方言で『稲妻の閃光』を意味し、ランボルギーニ初のEV化をイメージすると同時に、ランボルギーニの本社がある土地との強いつながりを再認識した名称になっています。Sianによって、アウトモビリ・ランボルギーニは、未来への伝説的なスーパースポーツカーブランドとして強さを示します」とコメントしている。

車名のシアンはイタリア ボローニャ地方の方言で「稲妻の閃光」を意味する言葉
ランボルギーニ シアンのインテリア