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【F1日本GP 2019】ボッタス選手が優勝。ハミルトン選手は3位となり、メルセデスは6年連続コンストラクターズチャンピオンに

ホンダ勢はアルボン選手の4位が最上位、ガスリー選手は8位入賞

2019年10月13日 開催

マックス・フェルスタッペン選手(右後方、33号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)がスタート後の2コーナーで、2位から4位に下がっていたシャルル・ルクレール選手(手前、16号車 フェラーリ)と接触。ランオフエリアに飛び出した

 10月11日~13日の3日間にわたり、鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)で「2019 FIA F1世界選手権 シリーズ第17戦 日本グランプリレース」が開催された。

 14時10分から行なわれた決勝レースでは、予選3位からスタートしたバルテリ・ボッタス選手(77号車 メルセデス)が優勝。ポールポジションを獲得したセバスチャン・ベッテル選手(5号車 フェラーリ)は、ルイス・ハミルトン選手(44号車 メルセデス)の最終ラップまでの激しい追い上げをなんとかかわして2位を獲得。ルイス・ハミルトン選手は3位となり、これによりメルセデスは6年連続となるコンストラクターズ選手権のタイトルを獲得した。

 ホンダ勢は予選5位からスタートしたマックス・フェルスタッペン選手がスタート後すぐに、2位から4位に下がっていたシャルル・ルクレール選手(16号車 フェラーリ)と接触。ランオフエリアに飛び出して最後尾に下がってしまった。

 その影響でフェルスタッペン選手はクルマをガレージに入れてリタイヤ。ホンダ勢の最上位は、6位からスタートしたアレクサンダー・アルボン選手(23号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)の4位。トロロッソ・ホンダのピエール・ガスリー選手(10号車 スクーデリア・トロロッソ・ホンダ)も8位に入賞してポイントを獲得した。

優勝したバルテリ・ボッタス選手(77号車 メルセデス)

トップ10はすべてソフトタイヤスタート、タイヤが鍵を握るレースになるとの予想

 台風一過の晴天に恵まれた鈴鹿サーキットでは、台風19号襲来の影響で土曜日の予定がすべてキャンセルされた影響を受けて午前10時から予選が行なわれた。フェラーリ勢は苦戦し、メルセデスとレッドブル・ホンダの争いになるかと思われていた予選だが、予想外にフェラーリが巻き返し、セバスチャン・ベッテル選手(5号車 フェラーリ)が、2017年にルイス・ハミルトン選手(44号車 メルセデス)がマークしたコースレコードを破るタイムでポールポジションを獲得した。2位はベッテル選手のチームメイトとなるシャルル・ルクレール選手(16号車 フェラーリ)で、フェラーリが1-2という絶好のポジションからスタートすることになった。

 練習走行の結果から優勢と考えられていたメルセデス勢は、バルテリ・ボッタス選手(77号車 メルセデス)が3位、ルイス・ハミルトン選手が4位となっており、レースでフェラーリとの争いがどうなるかは、抜きにくい鈴鹿サーキットだけに1コーナーでの先陣争いが勝負を分けることになりそうだ。

 ホンダのお膝元である鈴鹿サーキットで地元レースを迎えたホンダ勢は、マックス・フェルスタッペン選手(33号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)とアレクサンダー・アルボン選手(23号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)が1/1000秒まで同タイムと同等のタイムをマークして注目された(先にタイムを出したフェルスタッペン選手が5位、アルボン選手が6位となる)。このほか、トロッロソ・ホンダのピエール・ガスリー選手(10号車 スクーデリア・トロロッソ・ホンダ)が9位に入り、ホンダは3台がトップ10となり、目標となる4台ポイント圏内に向けて悪くないスタートを切った。

 気温は21℃、寒くはないが暑くもないという絶好の温度で、日陰に入ると涼しいというような状況だ。これに対して路面温度は38℃と午前中よりも上昇しており、それがタイヤの持ちに影響を与えそうだ。ピレリの発表によれば、3つあるタイヤ(ソフト=赤、ミディアム=黄色、ハード=白)の差は、金曜日の練習走行の結果から、ソフトとミディアムが0.6~0.7秒、ミディアムとハードが0.8~0.9秒と発表されている。

 トップ10の上位勢はQ2においてソフトタイヤでタイムをマークしているため、いずれもソフトタイヤでスタートする必要がある。それに対して11位以下は自由にタイヤを選べるため、上位勢とは反対に始めにミディアムないしはハードで走って、最後に残っている新品ソフトに切り替えるという作戦が可能だ。逆にトップ勢は1回ストップにするならできるだけソフトタイヤで長く走り、ミディアムないしはハードへ切り替えるという作戦が考えられる。

 いずれにせよ、昨日の台風でラバー(タイヤが溶けて路面についたゴムのこと)などがきれいに洗い流されているので、それが決勝レースでのタイヤの持ちにどういう影響を与えるか、そうしたチームのシミュレーション結果なども結果に影響を与えそうだ。

スタートしてすぐに、レッドブルのフェルスタッペン選手とフェラーリのルクレール選手が接触

 12時半から恒例のパレードラップが行なわれた。その後、各車レコンノサンス・ラップでグリッドにクルマを停め、国歌独唱などのセレモニーが行なわれた。14時10分からはフォーメーションラップが開始され、各車がグリッドについてレースはスタートした。午前中の予選でクラッシュしたロバート・クビサ選手(88号車 ウィリアムズ・メルセデス)はピットスタートとなり、グリッドにはついていない。

 11位以下のチームでミディアムタイヤを選んだのは11位のアントニオ・ジョヴィナッツィ選手(99号車 アルファロメオ・レーシング・フェラーリ)、13位のキミ・ライコネン選手(7号車 アルファロメオ・レーシング・フェラーリ)、16位 ダニエル・リカルド選手(3号車 ルノー)、18位ジョージ・ラッセル選手(63号車 ウィリアムズ・メルセデス)、19位ケビン・マグヌッセン選手(20号車 ハース・フェラーリ)、そしてピットスタートのクビサ選手だ。それ以外はソフトタイヤを選択している。

 14時13分にクビサ車を除く全車がメインストレートに整列し、レースはスタート。ポールからスタートしたベッテル選手は自分でもゴール後に「とてつもなく情けないスタート」と表現したとおりスタートに失敗し、同じく2位のルクレール選手も出遅れる。

 その中で大外からリードを奪ったのはボッタス選手だ。5位スタートのフェルスタッペン選手もいいスタートを切って、4位を行くルクレール選手と並んで1-2コーナーへ入っていくが、2コーナーで接触して、スピンしてランオフエリアに飛び出し、ほぼ最後尾まで順位を落とす、最終的にフェルスタッペン選手は14周目にピットガーレジに頭から車を入れてリタイヤとなった。なお、この接触は一度はレーシングアクシデントと判断されたが、その後審議を行なうということがレースコントロールより出されることになり、最終的にはレース後に審議ということになった。

スタート後、2コーナーでアクシデント。ホンダ期待のフェルスタッペン選手がコースアウト

 これでルクレール選手もフロントウイングを破損し、2周目のバックストレートではフロントウイングのエンドプレートが砕け散る。そして後ろからハミルトン選手が激しく迫る展開になる。するとハミルトン選手のミラーに当たってミラーが砕け散るという状況に。それにより、ルクレール選手は緊急ピットインし、こちらも最後尾まで落ちる展開となった。

 レースはスタートでリードを奪ったボッタス選手がリードし、それをベッテル選手が追いかける展開になった。そこから少し離れてハミルトン選手が3位を走る。

 3周目の終わりのシケインでレッドブル・ホンダのアルボン選手が前を行くランド・ノリス選手(4号車 マクラーレン・ルノー)を抜こうとして両者は接触。アルボン選手はそのままレースを続けることができたが、ノリス選手は接触の影響でピットインせざるを得ず、最後尾まで順位を下げた。アルボン選手は5位に上がり、アルボン選手の後ろを走っていたトロロッソ・ホンダのピエール・ガスリー選手も6位に上がった。アルボン選手はその後さらに前の4位を走るカルロス・サインツ選手(55号車 マクラーレン・ルノー)にせまり、オーバーテイクを狙って追いかける展開となった。

アルボン選手が2台のマクラーレン・ルノーを抜き4位を確保

 最初にルーティーンのピットインをしたのは、レッドブルのアルボン選手で15周目。前のサインツ選手に詰まっていたため、アンダーカットを狙ったものだと考えられる。そしてそれは成功し、サインツ選手が最初で最後のピットストップを行なったときには、アルボン選手が前に出て、その差を維持したまま34周目に行なった2回目のストップでもサインツ選手の前に戻ることに成功した。これによりアルボン選手の4位は確定して、今回のホンダ勢のトップとなった。

 その翌周には2位を走っていたベッテル選手もピットインする。3位を走っているハミルトン選手にアンダーカットされないのを狙ったものだと考えることができるが、ソフトからソフトへの交換を選んだため、この時点でベッテル選手は2ストップが確定した。その翌周にはベッテル選手にアンダーカットされないために、トップを走っていたメルセデスのボッタス選手もピットに入る。ボッタス選手はミディアムに替えたため1ストップが可能だが、タイヤのライフを考えると、こちらも2ストップになると考えられる。それに対して、その2台がピットインしたことでトップに立ったハミルトン選手はピットインする気配を見せないので、1ストップ作戦だと推測された。

 ところが、タイヤを変えたボッタス選手とベッテル選手はハミルトン選手との差を見る見る詰める。これを見たハミルトン選手は21周目にピットストップを行ない、ボッタス選手、ベッテル選手の後ろ3位でレースに戻った。この時点でハミルトン選手も2ストップへと変更したとものと考えられた。

2回のルーティンストップを終えると、2位ベッテル選手にハミルトン選手が激しく迫る

 31周目にベッテル選手が最後のピットストップを行ない、ミディアムタイヤに交換した。これでハミルトン選手が2位に上がり、トップのボッタス選手と1-2フォーメーションを構成した。その後ボッタス選手が36周目にタイヤ交換し、ベッテル選手の前の2位で戻る。そして、ハミルトン選手も42周目にもう最後のピットに入る。

 これでトップはボッタス選手、2位ベッテル選手、3位はハミルトン選手となった。しかし、ベッテル選手がこの時点で11周使ったミディアムタイヤであるのに対して、ハミルトン選手は新しいソフトタイヤ。このため、ハミルトン選手がファステストラップを出しながらベッテル選手を追いかけ始めた。

終盤の2位争い

 2台の差は見る見る詰まっていき、47周目には1.1秒差に、その翌周には0.630秒差に。50周目の1コーナーでは周回遅れに詰まったベッテル選手をハミルトン選手が追い越そうと迫るが、ベッテル選手ががっちりとインをキープし、順位を譲らない。両陣営ともパワーユニットのパフォーマンスを発揮できるモードへ変更し、ベッテル選手は逃げを、ハミルトン選手は前にプレッシャーをかける。接近戦は結局最終ラップまで続いたが、最終的にベッテル選手が逃げ切って2位を確保した。

2位になったセバスチャン・ベッテル選手(5号車 フェラーリ)
3位になったルイス・ハミルトン選手(44号車 メルセデス)。接触により右のミラーがなくなっている
ホンダ勢最上位、4位になったアレクサンダー・アルボン選手(23号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)
8位に入賞したピエール・ガスリー選手(10号車 スクーデリア・トロロッソ・ホンダ)

 結局レースはスタートで3位から飛び出してトップに上がったバルテリ・ボッタス選手が優勝、ベッテル選手が2位、ハミルトン選手が3位となり、この1位と3位のポイントでメルセデスは6年連続となる2019年のコンストラクターズ選手権のタイトルを獲得した。

 ホンダ勢は果敢なオーバーテイクを見せたアルボン選手が4位になったのが最上位。5位はサインツ選手、6位は1周目の接触でフロントウイングを交換する緊急ピットインをしたため最後尾まで落ちたところから追い上げたルクレール選手。7位はダニエル・リカルド選手(3号車 ルノー)で、8位はトロロッソのガスリー選手でホンダ勢の2台目のポイント獲得となった。

 なお、ガスリー選手は最終ラップ(53周目)で9位を走っていたセルジオ・ペレス選手(11号車 レーシング・ポイント・BWT・メルセデス)と接触。ペレス選手は2コーナーの外側のにクラッシュしたが、ITシステムのトラブルで52周終わりでレース終了という表示を出したため、その時点でレースは終了(今シーズンのレギュレーションでチェッカーよりもITシステムが優先とされている)ため、暫定結果ではペレス選手が9位となった。

※ ルクレール選手は、レース終了後ペナルティとなり、6位から7位に。リカルド選手が6位となった。

表彰台
決勝レース終了後、記者会見を行なう3選手
優勝したバルテリ・ボッタス選手
2位になったセバスチャン・ベッテル選手
3位になったルイス・ハミルトン選手
F1日本グランプリ 決勝結果
順位カーナンバードライバー車両周回数時間
177バルテリ・ボッタスメルセデス521時間21分46秒755
25セバスチャン・ベッテルフェラーリ52+13.343秒
344ルイス・ハミルトンメルセデス52+13.858秒
423アレクサンダー・アルボンレッドブル・レーシング・ホンダ52+59.537秒
555カルロス・サインツマクラーレン・ルノー52+69.101秒
63ダニエル・リカルドルノー51+1周
716シャルル・ルクレールフェラーリ51+1周
810ピエール・ガスリースクーデリア・トロロッソ・ホンダ51+1周
911セルジオ・ペレスレーシング・ポイント・BWT・メルセデス51+1周
1027ニコ・ヒュルケンブルグルノー51+1周
1118ランス・ストロールレーシング・ポイント・BWT・メルセデス51+1周
1226ダニール・クビアトスクーデリア・トロロッソ・ホンダ51+1周
134ランド・ノリスマクラーレン・ルノー51+1周
147キミ・ライコネンアルファロメオ・レーシング・フェラーリ51+1周
158ロマン・グロージャンハース・フェラーリ51+1周
1699アントニオ・ジョヴィナッツィアルファロメオ・レーシング・フェラーリ51+1周
1720ケビン・マグヌッセンハース・フェラーリ51+1周
1863ジョージ・ラッセルウィリアムズ・メルセデス50DNF
1988ロバート・クビサウィリアムズ・メルセデス50+2周
R33マックス・フェルスタッペンレッドブル・レーシング・ホンダ14DNF