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【F1日本GP 2019】1分27秒064、フェラーリのセバスチャン・ベッテル選手がコースレコードでポールポジション
ホンダ勢はフェルスタッペン選手が5位、アルボン選手が6位、ガスリー選手が9位
2019年10月13日 11:57
- 2019年10月13日 開催
10月11日~13日の3日間にわたり、鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)で「2019 FIA F1世界選手権 シリーズ第17戦 日本グランプリレース」が開催されている。大型の台風19号の影響で10月12日(土)のスケジュールはすべて中止された影響で、12日の午前中に予定されていたFP3(練習走行3)は中止となり、午後に予定されていた予選は、本日10月13日(日)の10時からに延期された。
台風による猛烈な雨と風となった土曜日の天気とは打って変わり、2010年以来の予選、決勝ワンデー開催となる日曜日の鈴鹿サーキットの天候は快晴で、山側に雲は見えるものの、海側は雲一つ無い絶好なレース日和となった。
10時からの予選は、フェラーリのセバスチャン・ベッテル選手(5号車 フェラーリ)が1分27秒064というコースレコードとなるスーパーラップでポールポジションを獲得した。2位はチームメイトのシャルル・ルクレール選手(16号車 フェラーリ)。3位はバルテリ・ボッタス選手(77号車 メルセデス)で、ポイントリーダーのルイス・ハミルトン選手(44号車 メルセデス)は4位。
ホンダ勢はマックス・フェルスタッペン選手(33号車 レッドブル・レーシング・フェラーリ)とアレクサンダー・アルボン選手が1/1000秒まで同タイムとなり、先にタイムを出したフェルスタッペン選手が5位、アルボン選手が6位となった。トロロッソ・ホンダのピエール・ガスリー選手(10号車 スクーデリア・トロロッソ・ホンダ)が大健闘の9位、ダニール・クビアト選手(26号車 スクーデリア・トロロッソ・ホンダ)は14位となった
Q1では2度のクラッシュで2度の赤旗中断、4台のホンダ勢はそろってQ2へ進む
台風一過となった日曜日の鈴鹿サーキットは、朝から快晴でまさにレース日和といった天候。朝方は20℃を切っており風が冷たいなと感じるような天候だったが、予選が始まる10時には気温は22℃に。路面温度は33℃まで上がり、降水確率は0%と雨の心配がないドライセッションとして行なわれた。
10時から20分間行なわれたQ1(予選1回目)では、20台のうち5台が脱落する。セッションが開始されると、シャルル・ルクレール選手(16号車 フェラーリ)、セバスチャン・ベッテル選手(5号車 フェラーリ)などはハードタイヤで、中盤勢はソフトタイヤでコースに入っていった。ところが、各車がタイムアタックに入ろうとした瞬間に、ロバート・クビサ選手(88号車 ウィリアムズ・メルセデス)が最終コーナーでスピンしながらメインストレートのウォールにクラッシュ。メインストレートのランオフエリアに停止してしまった。それによりQ1は赤旗中断となった。なお、クビサ選手に怪我はなく、そのままクルマを降りて自分で歩いてピットへ戻った。
クビサ選手の車が排除された後、予選は10時10分から残り15分51秒から再開された。今度はクラッシュしたクビサ選手を除く全車がソフトタイヤを履いてコースに出た。全車がタイムアタックに入ってしばらくしてから、ケビン・マグヌッセン選手(20号車 ハース・フェラーリ)がシケインの立ち上がり、最終コーナーに向かうところでアクセルを踏んだところでリアが滑りスピン。そのまま回りながらリアとフロントを当てて最終コーナー外側にクラッシュ。セッション2度目の赤旗になってしまった。マグヌッセン選手は、フロントとリアのウィングを壊し、リアのほかの部品も壊したが、サスペンションやギアボックスなどは無事だったようで、そのまま走り続けピットへ戻ることができた。予選のすぐ後、14時10分に決勝レースが始まることを考えると、この後走り続けられるかはともかくとして、決勝レースに向けて修復できる時間は稼ぐことができたと言える。
10時21分に予選再開。この時点で残り時間は11分42秒で、各車とも急いでコースに出て行った。このため、コース上は大渋滞となり、事実上の最終コーナーになるシケインでは多くのクルマが極端にスローダウンすることになり、F1カーによる渋滞待機列ができていた。
このQ1でトップタイムをマークしたのは、金曜日の2つのセッションではメルセデスとは戦えないとみられていたフェラーリのルクレール選手で1分28秒405。続いたのはメルセデスのルイス・ハミルトン選手(44号車 メルセデス)で、3位にはレッドブルのマックスフェルスタッペン選手(33号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)で、フェラーリ、メルセデス、レッドブルのエースがそれぞれ1-2-3となった。
レッドブル・ホンダのもう一台アレクサンダー・アルボン選手(23号車 レッドブル・レーシング・ホンダ)は8位、トロロッソ・ホンダ勢はピエール・ガスリー選手(10号車 スクーデリア・トロロッソ・ホンダ)が9位、ダニール・クビアト選手(26号車 スクーデリア・トロロッソ・ホンダ)が15位とギリギリでQ2へ進んだ。
Q1落ちはクラッシュしたクビサ選手、マグヌッセン選手のほか、16位のダニエル・リカルド選手(3号車 ルノー)、17位のセルジオ・ペレス選手(11号車 レーシング・ポイント・BWT・メルセデス)、18位のジョージ・ラッセル選手(63号車 ウィリアムズ・メルセデス)となった。
Q2ではメルセデス勢が1-2、ホンダ最上位はアルボン選手の3位、ホンダは3台がQ3へ
10時40分から始まったQ2(予選2回目)は、15分で行なわれた。ここではQ2へ進んだ15台から5台が脱落して、10台がQ3(予選3回目)へ進むことになる。路面温度は徐々に上がっており、37℃になっていた。
Q1の終盤にも下位のクルマが急速にタイムを縮めるという状況を確認することができ、路面のコンディションが急速によくなっていることが見て取れる。昨日の台風で路面のラバー(車が走ることでタイヤが溶けて路面についているゴムのこと)が洗い流されてしまったが、周回を重ねるごとにそれが着いている状況で、このセッションからは最後の方のラップでタイムを出すのが主流になると考えることができる。
そうして始まったQ2だが、全車がソフトタイヤをつけてコースインした。Q3に進んだ車両はQ2で利用したタイヤを履いてスタートしないといけないため、どのタイヤを選ぶかに注目が集まったが、全車ソフトタイヤでのタイムアタックとなった。
この中で最初に脱落したのは、ニコ・ヒュルケンブルグ選手(27号車 ルノー)で、ハイドロリック系のトラブルが発生し、パワーステアリングもギアも変えられないという状況で残り2分でピットに戻り、15位が確定した。ヒュルケンブルグ選手はそのままピットに戻ることができたので、イエローなどは出ずセッションは続けられた。
Q2でトップタイムをマークしたのは、メルセデスのボッタス選手で1分27秒688、2位はチームメイトのハミルトン選手で1分27秒826。それに続いたのはホンダ勢の最上位となるアルボン選手で1分28秒156。それに続いたのは2台のフェラーリで、ベッテル選手、ハミルトン選手の順で続き、6位がフェルスタッペン選手となった。
このQ2のヒーローは、7位ランド・ノリス選手(4号車 マクラーレン・ルノー)と8位カルロス・サインツ選手(55号車 マクラーレン・ルノー)に続いて9位となったトロロッソ・ホンダのガスリー選手だ。それにより、ホンダは4台中3台がQ3へ進むことになった。10位はロマン・グロージャン選手(8号車 ハース・フェラーリ)。ここまでがQ3へ進んだ。
Q2で脱落したのはアントニオ・ジョヴィナッツィ選手(99号車 アルファロメオ・レーシング・フェラーリ)、ランス・ストロール選手(18号車 レーシング・ポイント・BWT・メルセデス)、キミ・ライコネン選手(7号車 アルファロメオ・レーシング・フェラーリ)、クビアト選手、フェルスタッペン選手となった。
ベッテル選手が1分27秒064というコースレコードのスーパーラップでポールポジションを獲得
11時3分から10分の予定で始まったQ3は、引き続き路面温度37℃、気温22℃と変わっていない。メインストレートおよびバックストレートは追い風で、タイムを出すには非常によい環境が整っている。2017年にルイス・ハミルトン選手がマークした1分27秒319を破ることができるかが注目ポイントとなりそうだ。
1回目のランではフェラーリのベッテル選手がいきなりスーパーラップで1分27秒212をマーク。2年ぶりに新しいコースレコードが更新された。2位のチームメイトのルクレール選手に0.323秒の差をつけている。3位と4位にはボッタス選手とハミルトン選手というメルセデス勢がつけており、その後ろにフェルスタッペン選手とアルボン選手というレッドブル・ホンダ勢がつけている。
最後のタイムアタックは、ルクレール選手、フェルスタッペン選手、ベッテル選手、アルボン選手、ボッタス選手、ハミルトン選手の順でタイムアタックに向かっていた。
セクター1でベストタイムをマークしたのはルクレール選手、だが、その2台後を走るベッテル選手がそれを塗り替える。その逆にセクター2でルクレール選手がベストタイムをマーク。その後はセクター3での戦いになったが、結局ベッテル選手が1分27秒064という驚くべきコースレコードタイムをマークしてポールポジションを獲得した。2位はチームメイトのルクレール選手。3位、4位はメルセデスのボッタス選手、ハミルトン選手。5位、6位はレッドブル・ホンダのフェルスタッペン選手とアルボン選手だが、1/1000秒まで同タイムとなり先にタイムを出したフェルスタッペン選手が5位となった。今シーズンフェルスタッペン選手が、チームメイトにここまで迫られたのは初めてのことだ。
7位、8位はマクラーレンの2台でサインツ選手、ノリス選手の順で、トロロッソ・ホンダのガスリー選手は9位、ハースのグロージャン選手が10位となった。
予選結果(暫定)
順位 | カーナンバー | ドライバー | 車両 | Q1 | Q2 | Q3 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 5 | セバスチャン・ベッテル | フェラーリ | 1分28秒988 | 1分28秒174 | 1分27秒064 |
2 | 16 | シャルル・ルクレール | フェラーリ | 1分28秒405 | 1分28秒179 | 1分27秒253 |
3 | 77 | バルテリ・ボッタス | メルセデス | 1分28秒896 | 1分27秒688 | 1分27秒293 |
4 | 44 | ルイス・ハミルトン | メルセデス | 1分28秒735 | 1分27秒826 | 1分27秒302 |
5 | 33 | マックス・フェルスタッペン | レッドブル・レーシング・ホンダ | 1分28秒754 | 1分28秒499 | 1分27秒851 |
6 | 23 | アレクサンダー・アルボン | レッドブル・レーシング・ホンダ | 1分29秒351 | 1分28秒156 | 1分27秒851 |
7 | 55 | カルロス・サインツ | マクラーレン・ルノー | 1分29秒018 | 1分28秒577 | 1分28秒304 |
8 | 4 | ランド・ノリス | マクラーレン・ルノー | 1分28秒873 | 1分28秒571 | 1分28秒464 |
9 | 10 | ピエール・ガスリー | スクーデリア・トロロッソ・ホンダ | 1分29秒411 | 1分28秒779 | 1分28秒836 |
10 | 8 | ロマン・グロージャン | ハース・フェラーリ | 1分29秒572 | 1分29秒144 | 1分29秒341 |
11 | 99 | アントニオ・ジョヴィナッツィ | アルファロメオ・レーシング・フェラーリ | 1分29秒604 | 1分29秒254 | - |
12 | 18 | ランス・ストロール | レーシング・ポイント・BWT・メルセデス | 1分29秒594 | 1分29秒345 | - |
13 | 7 | キミ・ライコネン | アルファロメオ・レーシング・フェラーリ | 1分29秒636 | 1分29秒358 | - |
14 | 26 | ダニール・クビアト | スクーデリア・トロロッソ・ホンダ | 1分29秒723 | 1分29秒563 | - |
15 | 27 | ニコ・ヒュルケンブルグ | ルノー | 1分29秒619 | 1分30秒112 | - |
16 | 3 | ダニエル・リカルド | ルノー | 1分29秒822 | - | - |
17 | 11 | セルジオ・ペレス | レーシング・ポイント・BWT・メルセデス | 1分30秒344 | - | - |
18 | 63 | ジョージ・ラッセル | ウィリアムズ・メルセデス | 1分30秒363 | - | - |
19 | 20 | ケビン・マグヌッセン | ハース・フェラーリ | タイムなし | - | - |
20 | 88 | ロバート・クビサ | ウィリアムズ・メルセデス | タイムなし | - | - |