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Intel、AV(自動運転車)の安全走行確保のため、IEEEによる標準規格策定に協力。IEEE 2846 WGの責任者にIntelのジャック・ウィースト氏就任

2019年12月19日(現地時間) 発表

IEEE 2846 WGの責任者に就任するJack Weast(ジャック・ウィースト)氏(senior principal engineer at Intel and vice president of Automated Vehicle Standards at Mobileye)

 Intelは12月19日(現地時間)、AV(自動運転車)が安全な走行を確保するのためのスタンダード(標準規格)策定の提案がIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers、米国電気電子技術者協会)による承認を受け、同社のsenior principal engineer(上級主席エンジニア)であるJack Weast(ジャック・ウィースト)氏がワークグループ(IEEE 2846 WG)を率いる責任者として指名されたことを発表した。IEEE 2846 WGは2020年第1四半期に第1回目のミーティングを開催する予定。

 IEEE 2846 WGでは、AVが安全な走行を確保するためのフォーマル・ルールベースの数理モデルを確立することを目指す。これらは、検証が可能で、組織/団体を問わず利用できるという点においてテクノロジに中立であり、さらに各政府機関が国や地域に合わせてカスタマイズすることが可能としている。AVが標準規格に準拠しているかどうかの検証方法とテストツールも組み込まれる予定。

 Intelは、Responsibility-Sensitive Safety(RSS:責任感知型安全論)のフレームワークを、AVの安全運転について業界の認識を一致させるためのスタートポイントとして提供。RSSでは、論理的に証明可能な一連のルールと、危険な状況時の適切な反応に基づいてAVの安全運転を定義し、安全運転に対する人間の認識を、透明性が高く検証可能な数式の集合として形式化している。

 この標準規格が必要な理由として、AVのコンピューティングに備わる判断能力が、外部からはほとんど可視化できないことを挙げる。AVの判断能力はブラックボックス化されたIP(知的財産)が中核を成しており、異なるAV間での安全性を相対的に評価することはほぼ不可能とする。その結果、現実的ではない実走量やシミュレーション実施量が必要となり、IEEE 2846において安全な走行を確保するためのフォーマル・ルールベースの数理モデルを確立することで、その点を解決していくことになる。

 IEEEコンピュータ・ソサエティで標準化活動の副議長を務めるRiccardo Mariani氏は「この標準化プロジェクトでは、AVの安全運転を促すオープンなフォーマルモデルを開発するための重要な基盤を提供します。安全な自動運転を実現する拡張性の高いフレームワークを構築するには、冗長性と多様性が欠かせません」とコメントしている。