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三菱電機、小型で水平視野角120度を実現する「MEMS式車載LiDAR」
小型化や垂直視野角の拡大を進めて2025年以降の実用化を目指す
2020年3月12日 16:49
- 2020年3月12日 発表
三菱電機は3月12日、周辺のクルマや歩行者を高精度に検知する新型センサー「MEMS式車載LiDAR」を発表した。
LiDAR本体を108×105×96mm(幅×奥行き×高さ)で質量900ccに小型化したことも大きな特徴。今後も小型化に向けた開発を進めて350cc以下の実現を目指し、2025年に実用化する計画となっている。
新しい車載向けLiDARでは、従来の機械式に換えて電磁駆動式のMEMSミラーを採用。送信光と受信光のそれぞれを水平、垂直の2軸で走査する業界最大級の7×5mmサイズのMEMSミラーを独自開発し、軽量ミラーながら水平±15度、垂直±3.4度という広い振れ角を実現した。また、機械式と比べて部品点数が少ないMEMSミラーの採用により、耐久性の向上も期待されている。今後はMEMSの梁構造を改良し、垂直±6.0度以上のさらに広い振れ角を目指していく。
光送受信機構では独自開発のMEMSミラーを使い、複数のレーザー光源や光検出器、レンズなどの高密度実装と最適配置を行なったことで、光のケラレを抑制して120度という広い水平視野角を実現。高精細な3次元画像を広範囲に取得して、自車の前方を走るクルマや対向車、路上を横断する歩行者、信号機、標識などを適切に検知できるという。今後は垂直視野角のさらなる拡大に向けて開発を進め、25度以上の垂直視野角を実現して近距離の車両や歩行者を検知できるようにしていく。
三菱電機では装置の小型化や低コスト化による普及を進めることで、安心・安全な自動運転社会の実現に貢献するとしている。