ニュース
【CEATEC JAPAN 2018】三菱電機、AIで車載カメラの画像認識を進化させる技術展示やコンセプトカーのVR乗車など実施
ボディの質感を4K画像でリアルに再現する新技術も
2018年10月16日 09:43
- 2018年10月16日~19日10時~17時 開催
幕張メッセ(千葉県千葉市美浜区)で、ITとエレクトロニクスの展示会「CEATEC JAPAN 2018」(シーテック ジャパン 2018)が10月16日~19日に開催される。Webから事前登録した人、案内状持参で当日登録した人は入場無料、当日登録は一般1000円、学生500円。学生20名以上の団体、または小学生以下は入場無料。
「Society 5.0で実現する三菱電機の最先端技術」をテーマに国際展示場 ホール2 A066に用意された三菱電機のブースでは、AI(人工知能)による画像解析をADAS(先進運転支援システム)に活用して飛躍的な性能向上を図る新技術や、物体が持つ質感を光沢や陰影などで4K画像でリアルに再現する映像技術、2017年10月に開催された「第45回東京モーターショー 2017」で車両展示されたコンセプトカー「EMIRAI4」が持つ自動運転やコネクテッドなどの機能をVR(Virtual Reality)で体験できるコーナーなどを用意している。
ディープラーニングを限定的に活用する「遠方物体認識技術」
三菱電機のAI技術「Maisart(マイサート)」を使った「遠方物体認識技術」では、電子ミラーで撮影した車両後側方の映像に映る複数の後続車を、「乗用車」と「トラック」に選別するデモンストレーションを実施。
この技術では人間の視覚特性に着目。人間が視覚の中にある「注目すべきポイント」を無意識に選別することを視覚認知モデルによる物体認識に応用し、遠方映像に含まれる物体だけをピンポイントに抜き出してディープラーニングでそれが乗用車かトラックかに分類する。こうすることでディープラーニングに必要な演算処理を抑制し、コンパクトなシステムでも高精度で高速な判定が可能になるという。
ブースで用意されたデモンストレーションでは、電子ミラーで撮影された映像をLANケーブルを使って車載向けに開発された組み込みシステムに転送。後続車を瞬時に乗用車とトラックに分類していくことが紹介されている。
「コンパクトなAI」搭載で処理速度を約10倍に高めたFPGAの標識認識
AIをADAS系の技術に活用したもう1つの例として紹介されていたのが、FPGA(Field Programmable Gate Array)に「コンパクトなAI」を搭載する技術。ブースのデモでは車載映像に出てくる道路標識を従来技術でディープラーニングを使った場合と新しいコンパクトなAIの搭載技術で認識させ、映像の速度を高めていってどこまで正確に認識し続けられるかを比較。結果として、映像のフレーム数を従来技術から約10倍にまで高められるとしている。
光沢や陰影などの質感をリアルに表現する「Real Texture」
映像技術の「Real Texture」は、デジタル表示のメーターパネルに立体的な質感を与えることなどに利用できるほか、ブースでは新車ディーラーなどで来場者が実車の質感などを確認するデジタルツールとしての利用を訴求。三菱電機製の4KディスプレイでCGの車両が美しく表現されていたほか、ディスプレイの上に設置されたカメラで見ている人の位置などを計測。光源と見る人の位置関係でボディラインの見え方やボディカラーの出方などが変化する様子まで再現されていた。