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三菱ふそう、2020年代後半までに燃料電池トラックの量産開始。2039年までに新型車の「CO2排出ゼロ」を目指す
燃料電池小型トラックのコンセプトカー「eCanter F-Cell」公開
2020年3月26日 18:24
- 2020年3月26日 発表
三菱ふそうトラック・バスは3月26日、CO2排出削減を通じた環境への取り組みをさらに加速させ、2039年までに国内に投入するすべてのトラックおよびバスの新型車両を走行時にCO2を排出しないCO2ニュートラル車にするというビジョンを発表した。
この取り組みにともない、世界最大の自動車メーカーであるドイツ・ダイムラー社の一員としてパリ協定にコミットし、燃料電池トラックの量産を2020年代後半までに開始する。
また、2019年の東京モーターショーで公開した燃料電池小型トラックのコンセプトカー「Vision F-Cell」に新たな改良を施したコンセプトカー「eCanter F-Cell」を公開。車両総重量7.5tクラスのeCanter F-Cellは、より高いエネルギー密度の高圧水素を用いることで、最大300kmの走行を可能にするほか、水素の充填時間も10分以内と、電気自動車の充電時間に比べ大幅に短縮している。
三菱ふそうトラック・バスは、CO2排出削減の課題解決に向けたソリューションとして、2017年に初の量産型電気小型トラック「eCanter」の販売を開始し、商用車のゼロエミッション化を先導。車両総重量7.5tクラスのeCanterは、ルート配送や都市部での走行などに適しており、1回の充電で約100kmの走行を可能とする。これまでに日本、欧州および米国で計150台以上がすでに稼働中で、走行実績はグローバルで計160万km以上に到達。このCO2削減に向けた取り組みを今後さらに加速させ、2020年代後半までに燃料電池トラックの量産を開始するとした。
また、CO2排出ゼロの輸送や環境への配慮に対する関心は世界的にますます高まりを見せており、日々変化する業界の動きやクライアントのニーズに対応するためには、先進技術の採用が不可欠だという。クライアントの個別の輸送ニーズを満たすためには、目的に応じてそれぞれ利点を持つ電気自動車と燃料電池自動車は相互に補完し合うものと位置づけ、ダイムラーのトラック・バス部門が2018年に立ち上げたeモビリティの研究開発を行なう組織「Electric Mobility Group:EMG」の一員として、商用車の電動化における研究開発や戦略策定に参画。より進化した機能を持つeCanterの開発だけでなく、今後すべてのトラック、バスの電動化を目指すという。
三菱ふそうトラック・バスの、ハートムット・シック代表取締役社長は、「三菱ふそうは商用車のゼロエミッション化において、世界で先導的役割を担っています。ダイムラーグループのネットワークと技術を活用して先進的なeモビリティを開発し、CO2ニュートラルの運輸を実現することがわれわれのビジョンです。このビジョンを実現するためには、電気自動車や燃料電池自動車の充電・充填設備の整備、水素インフラの整備および車両購入時の補助金といった政府からの支援が必要です。三菱ふそうはCO2ニュートラルの車両をお客さまに届け、お客さまに向けてより優れたソリューションを提供し続けることを目指します」と述べている。